2022年10月20日

「第10回 新型コロナによる暮らしの変化に関する調査」 調査結果概要

生活研究部 上席研究員 久我 尚子

生活研究部 主任研究員 井上 智紀

生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 金 明中

保険研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任 村松 容子

生活研究部 准主任研究員・ジェロントロジー推進室兼任 坊 美生子

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※ 調査結果内容の詳細については、全文ダウンロード(PDF)よりご覧ください。

1――調査概要

調査目的:
新型コロナウイルスの感染拡大によって暮らしが激変する中で、消費行動や働き方、生活不安などの状況を把握し、ウィズコロナ/アフターコロナの行動を予測する。

調査時期:
2022年09月27日~10月03日

調査対象:
全国の20~74歳の男女(株式会社マクロミルのモニター)

調査方法:
インターネット調査

有効回答数:
2,557
 
調査内容:
1|トピックス 物価高に関する意識や行動
 (1) 1年前と比べた物価の変化に対する意識
 (2) 物価の上昇を実感しはじめた時期
 (3) 物価の上昇を実感した理由
 (4) 物価の上昇を実感したことでとった行動

2|新型コロナによる行動変容
 (1) 店舗やネットショッピングの利用
 (2) シェアリングサービスの利用
 (3) 移動手段の利用
 (4) 食事サービスの利用
 (5) メディアの利用
 (6) 働き方

3|新型コロナによる生活不安
 (1) 感染に関わる不安
 (2) 高齢家族に関わる不安
 (3) 子どもに関わる不安
 (4) 経済不安
 (5) 人間関係不安
 (6) 働き方不安(在宅勤務が増えることへの不安)

4|今後の見通し
 (1) 感染拡大の収束・経済の見通し
 (2) 家庭生活の見通し
 (3) 働き方の見通し

5|回答者プロフィール
 
※ 調査結果の詳細については、随時、レポート等で公表予定。

2――調査結果のポイント

1|トピックス 物価高に関する意識や行動

(1) 1年前と比べた物価の変化に対する意識
  • 現在の日本国内の物価に対する意識を見ると、約9割が上昇したと回答しており、年齢が高いほど上昇したとの回答が多く、20歳代では約7割だが60歳代以上では9割を超える。

(2) 物価の上昇を実感しはじめた時期
  • 約8割が半年以内であり、内訳では半年ほど前からや3カ月ほど前からが、それぞれ約3割を占めて多い。年代別に見ても半年以内が7~8割を占めるが、40歳代では1年以前が2割を超えており、物価高を実感し始めた時期が早い。

(3) 物価の上昇を実感した理由
  • 圧倒的に食料品の値上がりで約9割を占め、このほか日用品や光熱費など生活必需性の高い品目の値上がりが6割前後を占める。また、価格据え置きで内容量を減らす「実質値上げ」が過半数、物価高関連の報道を目にしたとの回答が約6割を占めて目立つ。
     
  • 性年代別に見ても圧倒的に食料品の値上がりで8~9割を占める。女性では男性と比べて「実質値上げ」のほか、食料をはじめとした生活必需性の高い品目の値上がりが多くあがる。また、全体と比べて20歳代では物価高関連の報道を目にするようになったこと、40歳代では日用品の値上がり年齢が高いほど光熱費の値上がりや「実質値上げ」が多くあがる。

(4) 物価の上昇を実感したことでとった行動
  • 圧倒的に不要品を買わないことで約7割、次いでポイントなどの活用が約半数低価格製品への乗り換えが約3割を占める。このほか、ポイントやセールの活用など低価格に抑える工夫や家計の見直し、外食や旅行など必需性の低い消費の抑制などがあがる。
     
  • 性年代別に見ても圧倒的に不要品を買わないことで6割前後を占める。女性では男性と比べて、ポイントの活用など低価格に抑える工夫のほか、不要品や服飾品の買い控え、低価格製品への乗り換えなどが多くあがる。また、高年齢層で不要品や服飾品の買い控え、娯楽費用の抑制、貯蓄の切り崩しなどが多くあがる。
2|新型コロナによる行動変容

(1) 店舗やネットショッピングの利用
  • コロナ禍で進行していた「買い物手段のデジタルシフト」は昨年の夏頃から鈍化している。また、3月下旬に、まん延防止等重点措置が解除されて以降は緊急事態宣言等の措置が発出されていないことなどから、店舗の利用控え傾向は、足元では業態によらず僅かに緩和している。ただし、コロナ禍前と比べれば店舗の利用が減った状況は依然として目立ち、特に、デパートやショッピングモールでは利用減少層が4割を超える。

(2) シェアリングサービスの利用
  • コロナ禍でフリマアプリの利用者が増え続けている(9月の利用者層は約4割)。一方、その他のシェアリングサービスでは利用控え傾向が続く上、利用者層はコロナ禍前と比べて、やや減っている。ただし、洋服やバッグなどのシェアリングサービスについては僅かながら回復の兆しがうかがえる。

(3) 移動手段の利用
  • コロナ禍で進行していた「公共交通機関利用のパーソナルシフト」は昨年末をピークに鈍化している。また、公共交通機関の利用控え傾向は、足元では僅かに緩和しているが、利用していない層は2021年3月にかけて減った後は、おおむね変わらない。よって、「パーソナルシフト」に加えて、テレワークによる通勤や移動の減少、高齢者を中心とした外出控えなどが、ある程度定着することで、公共交通機関の利用が減った「コロナ禍の平常」とも言える状況に落ち着いている様子がうかがえる。

(4) 食事サービスの利用
  • コロナ禍1~2年目で増したテイクアウトやデリバリー需要の伸びが弱まっている。また、外食控え傾向は足元で僅かに緩和しているものの、依然として利用が減った層が約6割を占めており、テイクアウト等の需要減少分を補填するほどではない。よって、飲み会や会食などの外食が減った(最低限に抑えられた)「コロナ禍の平常」とも言える状況は定着しつつ、当調査では捉えていないが、冷凍食品などの他の中食手段や内食(自炊)需要が増している可能性がある。

(5) メディアの利用
  • コロナ禍でネット系メディアを中心に、利用が増えた状況が続いている。背景には、コロナ禍で暮らしに影響の大きなニュースや政策判断が増え、生活者が情報収集に積極的であること、家の中で過ごす時間が増えたこと、さらに、今年に入ってウクライナ情勢が加わり、調査期間は安倍元総理の国葬と重なった影響などもあげられる。

(6) 働き方
  • コロナ禍で進行していた「働き方のデジタルシフト」は、在宅勤務の浸透については足元で鈍化する一方、ビジネスチャットの利用については僅かながら増え続けている。また、出社控えは緩和傾向にあるが、会食や出張などを控える傾向は依然として強い。よって、ある程度テレワークが定着し、出張や会食が減った(最低限に抑えられた)「コロナ禍の平常」とも言える状況が定着している様子がうかがえる。
3|新型コロナによる生活不安

(1) 感染に関わる不安
  • 感染拡大第三波の時点をピークに弱まり、コロナ禍当初と比べても弱まっている。ただし、今回の調査時点の9月下旬ではオミクロン株による感染拡大が収束へ向かっていたものの、過去と比べれば感染者数が高水準にあったためか、適切な検査や治療が受けられない不安がやや強まっている。

(2) 高齢家族に関わる不安
  • 感染拡大第三波の時点をピークに弱まっていたが、オミクロン株による爆発的な感染拡大下で再び強まり、コロナ禍当初と比べても強まっている。外出自粛生活が続くことで、身体機能や認知機能の低下、生活維持の難しさなどへの不安が比較的強い(不安層はいずれも約4割)。

(3) 子どもに関わる不安
  • おおむね感染拡大第五波のデルタ株による感染拡大時点をピークに弱まっている。調査時点では、オミクロン株による感染拡大下でも、緊急事態宣言等の措置が発出されておらず、5~11歳のワクチン接種も進行していることなどから、学校生活や子どもからの家庭内感染への不安は弱まり続けている。

(4) 経済不安
  • コロナ禍当初と比べて弱まっているが、依然として、日本経済や世界経済などマクロ環境については半数以上、自分や家族の収入減少や失業などのミクロ環境については4割前後が不安を感じている。

(5) 人間関係不安
  • 感染不安や経済不安より弱いものの、友人との距離ができることや新たな出会いが減ることへの不安は、2020年9月に強まったまま同水準を維持している(不安層は友人との距離は約3割、新たな出会いは約2割)。

(6) 働き方不安(在宅勤務が増えることへの不安)
  • 感染拡大第三波の時点をピークに弱まっている。背景には、既に「コロナ禍の平常」とも言える働き方が定まってきたこと、また、調査時点では、オミクロン株による感染拡大下でも、緊急事態宣言等の措置が発出されていなかったことなどがあげられる。ただし、労働時間が長くなる不安については、コロナ禍当初と比べて僅かに強まっている。
4|今後の見通し

(1) 感染拡大の収束・経済の見通し
  • 国内外の感染拡大の収束や世界経済の回復の見通しは、コロナ禍当初と比べて否定的な見方が弱まっているが、国内経済や雇用の回復は当初とおおむね変わらない。1年以内のインフルエンザ並みの制御の可否については、否定的な見方と肯定的な見方が拮抗している。

(2) 家庭生活の見通し
  • 約4割が産科等への通院や乳幼児の感染リスクから出産をためらい、少子化がさらに進行すると思っており、2020年12月に増えたまま同水準を維持している。

(3) 働き方の見通し
  • 在宅勤務がある程度浸透し、「コロナ禍の平常」とも言える働き方が定まってきたことで、在宅勤務への期待や関心が薄まり、肯定的な見方が弱まっている。また、当初は注目されたエッセンシャルワーカーに対する評価の高まりについても同様に関心が薄れている様子がうかがえる。

<この調査に関するお問い合わせ先>
 pr_corona@nli-research.co.jp
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生活研究部

久我 尚子
(くが なおこ)

生活研究部

井上 智紀
(いのうえ ともき)

生活研究部

金 明中
(きむ みょんじゅん)

保険研究部

村松 容子
(むらまつ ようこ)

生活研究部

坊 美生子
(ぼう みおこ)

(2022年10月20日「その他レポート」)

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