2021年10月14日

2020・2021年度特別調査 「第6回 新型コロナによる暮らしの変化に関する調査」 調査結果概要

生活研究部 上席研究員   久我 尚子
生活研究部 主任研究員   井上 智紀
生活研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任   金 明中
保険研究部 准主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任   村松 容子
生活研究部 准主任研究員・ジェロントロジー推進室兼任   坊 美生子

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※ 調査結果内容の詳細については、全文ダウンロード(PDF)よりご覧ください。

1――調査概要

調査目的:
新型コロナウイルスの感染拡大によって暮らしが激変する中で、消費行動や働き方、生活不安などの状況を把握し、ウィズコロナ/アフターコロナの行動を予測する。

調査時期:
2021年9月22日~29日

調査対象:
全国の20~74歳の男女(株式会社マクロミルのモニター)
※第1~4回までの調査対象は20~69歳

調査方法:
インターネット調査

有効回答数:
2,579
 
調査内容:
 1|トピックス
 (1) 新型コロナウイルスのワクチン接種意向
 (2) ワクチン接種に対する考え方
 (3) ワクチン接種後の予測
 (4) ワクチン接種後にやりたいこと
 (5) ワクチン接種済み証明等の活用に対する考え方

2|新型コロナによる行動変容
 (1) 店舗やネットショッピングの利用
 (2) シェアリングサービスの利用
 (3) 移動手段の利用
 (4) 食事サービスの利用
 (5) メディアの利用
 (6) 働き方

3|新型コロナによる生活不安
 (1) 感染に関わる不安
 (2) 高齢家族に関わる不安
 (3) 子どもに関わる不安
 (4) 経済不安
 (5) 人間関係不安
 (6) 働き方不安(在宅勤務が増えることへの不安)

4|今後の見通し
 (1) 感染拡大の収束・経済の見通し
 (2) 家庭生活の見通し
 (3) 働き方の見通し

5|回答者プロフィール
 
※ 調査結果の詳細については、随時、レポート等で公表予定。

2――調査結果のポイント

1|トピックス

(1) 新型コロナウイルスのワクチン接種意向
  • 現役世代でもワクチン接種が進み、全年代の7割以上が一回以上の接種、または予約を終えている。消極層は10.9%を占め(7月より▲7.0%pt)、若いほど多い傾向がある(20歳代で15.4%)。
     
  • ワクチン接種理由は自分や周囲の人の感染や重症化、死亡などのリスク低減が5~6割を占めて圧倒的に多い。
     
  • ワクチン接種に積極的ではない理由の首位は、これまでと同様に副反応への心配で、今回の調査では約6割を占め、これまでで最多となっている。一方予約券の発送など接種の進捗に起因する理由の選択割合は減っている。
     
  • ワクチン接種に前向きになるための条件は長期的な安全性や効果の確認、副反応の情報が十分に集まることが上位を占め、接種に積極的ではない理由で上位にあがるもの(前項)と対応している。一方、ワクチン接種に前向きになることはない割合も約3割と目立つ。

(2) ワクチン接種に対する考え方
  • 約8割がワクチン接種後もマスク着用や手洗い、人混みを避けるといった感染対策が必要と考えている。また、7割強がワクチンの効果を感じているが、副反応への課題も感じている。一方、ブースター接種(3回目以降の接種)やワクチン接種義務化には半数程度が賛同しているが、慎重な態度も見られる。

(3) ワクチン接種後の予測
  • 約7割はマスク着用や社会的距離などの新しい生活様式が定着すると考えており、7月調査を上回る。一方、4~5割が店舗での買い物や友人と会うこと、公共交通機関の利用といった外出を伴う消費行動が再開すると考えているが、7月調査を下回る。また、4割強がテレワークと併用した働き方になると考えており、7月調査を上回る。

(4) ワクチン接種後にやりたいこと
  • 圧倒的に国内旅行であり、過半数を占める。このほか、外食や友人と会うこと、店舗でのショッピングなど、コロナ禍で自粛傾向の強い外出を伴う行動が上位にあがる。

(5) ワクチン接種済み証明等の活用に対する考え方
  • ワクチン接種済み証明等の活用に対して約6割が肯定的であり、7月よりやや増加している。
     
  • ワクチン接種済み証明等を活用した行動制限の緩和を進めることに賛成する条件は、病床のひっ迫状況や重傷者数、新規陽性者数がおさえられているなど感染状況がおさえられていること。
     
  • ワクチン接種済み証明等の具体的な利用方法については、飲食店の営業時間の制限時間緩和や飲食代金の割引やポイントの割増、あるいは介護施設や医療機関での面会制限の緩和など、日常生活との関わりが比較的深いものについては肯定的な見方が強い。一方、入国・帰国時の隔離措置の免除や医療体制が脆弱な地域への移動などについては否定的な見方がやや強い。
2|新型コロナによる行動変容

(1) 店舗やネットショッピングの利用
  • キャッシュレス決済サービスやネットショッピングなどのデジタル手段では利用増加が目立つが、増加層の伸びは鈍化している(9月は約4割)。一方、店舗では引き続き利用控えが見られ、感染力の強い変異種の感染拡大を経た今回の調査では、調査時点では感染状況が改善傾向にあったにもかかわらず、前回の調査より利用控えの傾向は僅かに強まっている。また、これまでと同様、スーパーなど主に食料や日用品を購入する店舗とデパートなど主に衣料品や贅沢品を購入する店舗の利用控えの状況には温度差が見られる。以上より、店舗の利用控え傾向は根強いものの、買い物手段のデジタルシフトは一旦、落ち着いた様子がうかがえる。

(2) シェアリングサービスの利用
  • フリマアプリでの売買では利用増加が目立つが、増加層は横ばいで推移している(9月は約1割)。一方、その他のサービスでは利用控えの傾向が続く上、全体的に利用者層が減少傾向にある。なお、移動手段では自家用車などのセルフ手段の利用は増えているものの、カーシェアなど他人とモノをシェアするサービスの利用は増えていない。

(3) 移動手段の利用
  • 自家用車や自転車などのセルフ手段では利用増加が目立つ(9月の増加層は自家用車は約4分の1、自転車は約1割)。ただし、自家用車の利用は増え続けているが、自転車は横ばいで推移している。一方、公共交通機関では引き続き利用控えが見られる。当初より利用していない層が減り、必要に応じて利用を再開しているようだが、前回の調査より利用控えの傾向はやや強まっている。以上より、公共交通機関の利用は最低限にとどめる中で、移動手段のセルフシフトが進んでいる様子がうかがえる。

(4) 食事サービスの利用
  • テイクアウトやデリバリーなどの中食手段では利用増加が目立つが、増加層の伸びは鈍化し、特にデリバリーは一旦、頭打ちの様子がうかがえる(9月の増加層はテイクアウトは約3割、デリバリーは約15%)。外食はコロナ禍で全く利用していなかった層の利用は当初より増えているものの、前回の調査より利用控えの傾向がやや強まっている(9月の減少層は約7割)。よって、外食控えは根強いものの、外食からの中食シフトは一旦、落ち着いた様子がうかがえる。

(5) メディアの利用
  • テレビやインターネット、SNSなど、すべてのメディアで引き続き利用増加が目立つ。背景には、暮らしに影響の大きなニュースや政策判断が増え、生活者が情報収集に積極的であること、また、家の中で過ごす時間が増えたことなどがあげられる。なお、メディア接触が増えることでメディアの影響力が増しているとも言える。

(6) 働き方
  • テレワークによる在宅勤務などのデジタル行動利用増加が目立ち、対面のリアル行動では利用減少が目立つ。ただし、在宅勤務の増加層(9月は約2割)は昨年6月よりやや増えているものの、利用者層(約4割)はやや減っており、在宅勤務が定着した層では利用が進んでいるようだが、全体としては利用者層はやや減少傾向にある。また、会食や出張控えの傾向は当初よりは緩和されているが、会食控えの傾向は前回の調査よりやや強まっている(9月の減少層は会食は約半数、出張は約3割)。
3|新型コロナによる生活不安

(1) 感染に関わる不安
  • 感染力の強い変異種の感染拡大によって医療体制がひっ迫した状況を経た今回の調査では、調査時点では既にひっ迫した状況から脱していたにもかかわらず、治療や検査が受けられない不安(約6割)は前回の調査より強まり、健康状態の悪化への不安も6割を超える。

(2) 高齢家族に関わる不安
  • 長引くコロナ禍で身体機能低下への不安がじわりと強まり続けている(9月の不安層は約4割)。加えて、認知機能低下や生活維持の難しさへの不安も、2020年12月頃のピーク時ほどではないが、当初よりやや強まっている(不安層は約4割)。

(3) 子どもに関わる不安
  • 第五波として感染が拡大した変異種は子どもへの感染力も強いことから、行事等の縮小・中止や子どもからの家庭内感染への不安が比較的強い(不安層は3割超)。また、新学期が開始されるものの、夏休みの延長やオンライン授業等によって登校機会が減少したことで、前回の調査より生活リズムの乱れや教育格差、ゲーム・ネット時間の延長などの不安がやや増している(いずれも不安層は3割弱)。

(4) 経済不安
  • 日本経済や世界経済などマクロ環境については半数以上、自分や家族の収入減少や失業などのミクロ環境については4割前後が不安を感じているものの、全体的に昨年6月より不安は弱まっている。

(5) 人間関係不安
  • 感染不安や経済不安より弱いものの、友人との距離ができることや新たな出会いが減ることへの不安は強まり続けている(不安層は3割前後)。

(6) 働き方不安(在宅勤務が増えることへの不安)
  • 在宅勤務が増えることによる不安は全体的に昨年冬頃のピーク時より弱まっている。ただし、在宅勤務ができる仕事ではないために継続しにくくなることや、集中力・モチベーションの低下についての不安は比較的強く(不安層が約2割)、不安層が非不安層より多い。
4|今後の見通し

(1) 感染拡大の収束・経済の見通し
  • 半年以内の感染拡大の収束や1年以内の経済・雇用回復の見通しは、引き続き否定的な見方が多く、6割前後が否定的。世界・国内ともに感染拡大の収束については悲観的であることから、世界経済や日本経済、雇用の見通しについては、回復への期待感が薄れている。

(2) 家庭生活の見通し
  • 産科等への通院や乳幼児の感染リスクから出産をためらい、少子化がさらに進行することについて、約4割がそう思っており、昨年12月以降高い水準を維持している。

(3) 働き方の見通し
  • 在宅勤務による成果主義への移行や自由時間の増加など、いずれも関心の薄まりや在宅勤務慣れなどの影響か、肯定的な見方がやや弱まっている。

<この調査に関するお問い合わせ先>
 pr_corona@nli-research.co.jp
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生活研究部

久我 尚子
(くが なおこ)

生活研究部

井上 智紀
(いのうえ ともき)

生活研究部

金 明中
(きむ みょんじゅん)

保険研究部

村松 容子
(むらまつ ようこ)

生活研究部

坊 美生子
(ぼう みおこ)

(2021年10月14日「その他レポート」)

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【2020・2021年度特別調査 「第6回 新型コロナによる暮らしの変化に関する調査」 調査結果概要】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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