2022年04月21日

2020・2021年度特別調査 「第8回 新型コロナによる暮らしの変化に関する調査」 調査結果概要

生活研究部 上席研究員   久我 尚子
生活研究部 主任研究員   井上 智紀
生活研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任   金 明中
保険研究部 准主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任   村松 容子
生活研究部 准主任研究員・ジェロントロジー推進室兼任   坊 美生子

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※ 調査結果内容の詳細については、全文ダウンロード(PDF)よりご覧ください。

1――調査概要

調査目的:
新型コロナウイルスの感染拡大によって暮らしが激変する中で、消費行動や働き方、生活不安などの状況を把握し、ウィズコロナ/アフターコロナの行動を予測する。

調査時期:
2022年03月23日~29日

調査対象:
全国の20~74歳の男女(株式会社マクロミルのモニター)

調査方法:
インターネット調査

有効回答数:
2,584
 
調査内容:
 1|トピックス
 (1) 新型コロナウイルスのワクチン接種状況
 (2) 子ども(5~11歳)のワクチン接種状況
 (3) サステナビリティに関する意識と消費行動

2|新型コロナによる行動変容
 (1) 店舗やネットショッピングの利用
 (2) シェアリングサービスの利用
 (3) 移動手段の利用
 (4) 食事サービスの利用
 (5) メディアの利用
 (6) 働き方

3|新型コロナによる生活不安
 (1) 感染に関わる不安
 (2) 高齢家族に関わる不安
 (3) 子どもに関わる不安
 (4) 経済不安
 (5) 人間関係不安
 (6) 働き方不安(在宅勤務が増えることへの不安)

4|今後の見通し
 (1) 感染拡大の収束・経済の見通し
 (2) 家庭生活の見通し
 (3) 働き方の見通し

5|回答者プロフィール
 
※ 調査結果の詳細については、随時、レポート等で公表予定。

2――調査結果のポイント

1|トピックス

(1) 新型コロナウイルスのワクチン接種状況
  • 20~74歳の二回目接種完了率は2021年12月調査時点と同じく、8割を超える(84.3%)。消極層は約1割で固定化していると見られる状況や消極層は若いほど多い傾向(20歳代で2割弱)も前回と同じである。
     
  • 20~74歳の追加(三回目)接種完了率は約半数を占め(47.5%)、前回(2021年12月:1.1%)より大幅に上昇している。また、これに予約済みなどをあわせた積極層は75.1%を占める。一方、様子見層は約2割、消極層は約1割を占め、どちらも前回より低下している。
     
  • 追加(三回目)接種に積極的ではない理由は、これまでと同様、副反応への懸念や効果への疑問のほか、予約券が届いていないため様子見せざるを得ないとする声が上位にあがる。ただし、前回より追加接種が進んだことで、接種が進んでいないことを理由とする声は減っている。

(2) 子ども(5~11歳)のワクチン接種状況
  • 子ども(5~11歳)の一回以上のワクチン接種率は9.5%を占める。保護者の接種に対する考え方は消極層が約4割と多く、積極層と様子見層がそれぞれ約4分の1、既に罹患したため接種を控える層が約1割を占める。また、消極層は低年齢児の保護者ほど多く、5歳児では約半数を占める。
     
  • 子ども(5~11歳)のワクチン接種に積極的な理由は子ども自身や同居家族のリスク低減のほか、子どもの感染防止対策への不安などが上位を占める。
     
  • 子ども(5~11歳)のワクチン接種に積極的ではない理由は、大人の接種と同様、副反応や将来的な安全性への懸念が圧倒的に多いが、選択割合の高さから、大人の接種と比べて懸念が非常に強い様子がうかがえる。また、子どものワクチン接種の効果への疑問や罹患しても軽症ですむと思うといった声も2割を超えて目立つ。
     
  • 現在のところ、接種対象外である5歳未満の子どものワクチン接種に対する保護者の考え方は、消極層が約半数を占めて多く、様子見層が約4割、積極層が約1割を占める。

(3) サステナビリティに関する意識と消費行動
  • サステナビリティに関するキーワードで認知度が高いのはSDGsや再生可能エネルギー、カーボンニュートラル、コンプライアンス(法令遵守)、ダイバーシティ、地方創生など。ただし、内容まで知っている割合は、認知度が約7割を占めて最も高いSDGsでも4割以下。
     
  • 約6割が地球環境や社会問題に危機意識を持ち、約半数が社会貢献をしたいと考えている一方、半数以上はボランティア活動などの具体的な行動はできていない。また、約6割が将来の経済不安を感じている。
     
  • サステナビリティについての考え方を意識し始めた時期は、いずれもコロナ禍前だが、コロナ禍をきっかけに意識したものとしては情報の受発信やボランティア活動などが上位にあがる。
     
  • サステナビリティを意識した行動として、エコバッグの持参は約8割、ゴミの分別や洗剤などの詰め替え製品の購入は半数以上が実施しているが、現在のところ、価格よりもサステナビリティを優先して製品を買う割合は1割に満たない。
2|新型コロナによる行動変容

(1) 店舗やネットショッピングの利用
  • コロナ禍で進行していた「買い物手段のデジタルシフト」(キャッシュレス決済やネットショッピングの利用増加傾向)の進行が鈍化している。一方、調査時点では全国でまん延防止等重点措置が解除されていたが、オミクロン株による感染者数は依然として高水準で推移しているためか、スーパーなどの利用控え傾向が昨年末と比べてやや強まっている。また、デパートやショッピングモールの利用は引き続き約半数が控えている。

(2) シェアリングサービスの利用
  • コロナ禍でフリマアプリの利用増加傾向が続いている(3月の増加層は約1割)。一方、その他のサービスでは利用控え傾向が続く上、利用者層は減少傾向にある。なお、コロナ禍の移動手段として自家用車や自転車などのパーソナル手段の利用は増えているが(次頁)、カーシェアやシェアサイクルの利用は必ずしも増えていない。

(3) 移動手段の利用
  • コロナ禍で公共交通機関の利用の「パーソナルシフト」が進行していたが、今回の調査では自家用車や自転車の利用増加傾向が緩和されている。一方で、それに対応する形で公共交通機関の利用が必ずしも増えているわけではないため、オミクロン株による感染拡大下で外出そのものを控えている層が一定程度存在する可能性がある。

(4) 食事サービスの利用
  • コロナ禍で進行していた「外食の中食シフト」(外食の減少傾向とテイクアウトやデリバリーの利用増加傾向)の進行が鈍化している。一方、オミクロン株による感染拡大下で外食控えの傾向が昨年末と比べてやや強まっている。ただし、コロナ禍で外食を全くしていなかった層での再開の動きが引き続き見られる。

(5) メディアの利用
  • コロナ禍でテレビやインターネット、SNSなど、すべてのメディアで引き続き利用増加が目立つ。背景には、暮らしに影響の大きなニュースや政策判断が増え、生活者が情報収集に積極的であること、家の中で過ごす時間が増えたことに加え、足元ではウクライナ情勢の緊迫化の影響などもあげられる。なお、増加層の伸びはSNSなどネット系メディアで比較的目立つ。

(6) 働き方
  • コロナ禍でテレワークが可能な就業者(約4割)において働き方のデジタルシフトがじわりと進行し続けているものの、テレワークの利用者層は当初よりやや減っている。一方、会食や出張などの感染リスクの比較的高い行動を控える傾向は、オミクロン株による感染拡大下で、昨年末と比べて僅かに強まっている。
3|新型コロナによる生活不安

(1) 感染に関わる不安
  • 調査時点ではオミクロン株による感染拡大下にあるものの、健康状態や治療、検査などの感染に関わる不安は2021年12月のピーク時(感染拡大第三波)より弱まっている。

(2) 高齢家族に関わる不安
  • 長引くコロナ禍で身体機能低下への不安がやや強まった状況が続いている(3月の不安層は約4割)。また、認知機能低下や生活維持の難しさへの不安も、2021年12月のピーク時ほどではないが、コロナ禍当初と比べてやや強まっている(不安層は3割台で推移)。

(3) 子どもに関わる不安
  • 調査時点ではまん延防止等重点措置が解除されていたほか、春休み期間中でもあったことから、学校生活に関わる不安はやや弱まっている。また、12歳以降のワクチン接種も進んだことで、子どもからの家庭内感染への不安も弱まっている。

(4) 経済不安
  • 日本経済や世界経済などマクロ環境については半数以上、自分や家族の収入減少や失業などのミクロ環境については4割前後が不安を感じている。国内経済への不安を中心に2020年6月より不安は弱まっているが、前回よりやや強まっている。

(5) 人間関係不安
  • 感染不安や経済不安より弱いものの、友人との距離ができることや新たな出会いが減ることへの不安は強まり続けている(不安層は3割前後)。

(6) 働き方不安(在宅勤務が増えることへの不安)
  • 全体的に2021年12月のピーク時より弱まり、非不安層が不安層を上回る。背景には調査時点ではまん延防止等重点措置が解除されていた影響のほか、コロナ禍の約2年を経て、ウィズコロナにおける働き方がある程度定まってきたことがあげられる。
4|今後の見通し

(1) 感染拡大の収束・経済の見通し
  • 半年以内の感染拡大の収束や1年以内の経済・雇用回復の見通しは、引き続き否定的な見方が多く、6割前後が否定的。感染拡大の収束については国内では僅かながら悲観的な見方が薄れていることから、世界経済や日本経済、雇用の見通しについても同様に悲観的な見方が薄れている。

(2) 家庭生活の見通し
  • 産科等への通院や乳幼児の感染リスクから出産をためらい、少子化がさらに進行することについて、約4割がそう思っており、2020年12月以降の高い水準を維持している。

(3) 働き方の見通し
  • 在宅勤務による成果主義への移行や自由時間の増加など、いずれも関心の薄まりや在宅勤務慣れなどの影響か、肯定的な見方がやや弱まっている。

<この調査に関するお問い合わせ先>
 pr_corona@nli-research.co.jp
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生活研究部

久我 尚子
(くが なおこ)

生活研究部

井上 智紀
(いのうえ ともき)

生活研究部

金 明中
(きむ みょんじゅん)

保険研究部

村松 容子
(むらまつ ようこ)

生活研究部

坊 美生子
(ぼう みおこ)

(2022年04月21日「その他レポート」)

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【2020・2021年度特別調査 「第8回 新型コロナによる暮らしの変化に関する調査」 調査結果概要】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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