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- 英国雇用関連統計(25年6月)-週平均賃金は前年比5.0%まで低下
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1.結果の概要:週平均賃金は前年比5.0%まで低下
【6月】
・失業保険申請件数2は前月(171.71万件)から2.59万件増の174.30万件となった(図表1)。
・申請件数の雇用者数に対する割合は4.5%となり、前月(同4.5%)と同じだった。
・給与所得者数3は前月(3030.7万人)から4.1万人減の3026.6万人となった。増減数は前月(▲2.5万人)から減少幅が拡大し、市場予想4(▲3.5万人)を下回った。
【5月(25年3-5月の3か月平均)】
・失業率は4.7%で前月(4.6%)からやや上昇、市場予想(4.6%)をやや上回った(図表1)。
・就業者は3413.0万人で3か月前の3399.6万人から13.4万人増加した。増減数は市場予想(4.6万人)を上回り、前月(8.9万人)から拡大した。
・週平均賃金は前年比5.0%で前月(5.4%)から低下、市場予想(5.0%)と一致した(図表2)。
1 労働力調査ベースの統計については、回答率の低下を受け、ONSでは開発中の公式統計という位置付けで公表されている。
2 求職者手当(JSA:Jobseekerʼs Allowance)、国民保険給付(National Insurance credits)を受けている者に加えて、主に失業理由でユニバーサルクレジット(UC)を受給している者の推計数の合算。なお、UCはJSAより幅広い求職手当てであり、失業者数を示す統計としては過大評価している可能性がある。このため、ONSは開発中の公式統計という位置付けで公表している。
3 歳入関税庁(HRMC)の源泉徴収情報を利用した統計。直近データは約85%のデータから推計。
4 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2.結果の詳細:求人数・給与所得者数の減少傾向が継続
給与所得者データは、6月の給与所得者数(速報値)が前月差で4.1万人減となり、5か月連続での減少となった(なお、過去の数値は総じて改善方向に改定され、5月▲10.9→▲2.5万人、4月▲5.5→▲2.3万人、3月▲3.5→▲2.7万人などとなった)。産業別には卸・小売、居住・飲食、専門・技術サービスの減少が目立つ一方、事務・支援サービスなどが前月対比で増加した。6月の給与額(中央値)伸び率は前年同月比5.6%となり4月(5.7%、改定前は5.8%)からやや低下した。
処遇改善を求めたストライキは、5月は件数ベースで44件(4月48件)、労働損失日数で3.7万日(4月4.9万日)となっており、低水準での推移が続いている(図表6)。
5 3か月平均のデータは季節調整値だが、単月データは未季節調整値のため季節性が除去されていないため留意が必要。
(2025年07月18日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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