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- 英国雇用関連統計(25年9月)-週平均賃金は前年比5.0%まで再び上昇
2025年10月15日
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1.結果の概要:週平均賃金は前年比5.0%に上昇
10月14日、英国国家統計局(ONS)は雇用関連統計を公表し、結果は以下の通りとなった1。
【9月】
・失業保険申請件数2は前月(166.63万件)から2.57万件増の169.20万件となった(図表1)。
・申請件数の雇用者数に対する割合は4.4%となり、前月(同4.3%)からやや上昇した。
・給与所得者数3は前月(3033.4万人)から1.0万人減の3032.4万人となった。増減数は前月(1.0万人)からマイナスに転じ、市場予想4(▲1.0万人)と一致した。
【8月(25年6-8月の3か月平均)】
・失業率は4.8%で前月(4.7%)からやや上昇、市場予想(4.7%)を上回った(図表1)。
・就業者は3422.1万人で3か月前の3413.0万人から9.1万人増加した。増減数は市場予想(12.5万人)を下回り、前月(23.2万人)から縮小した。
・週平均賃金は前年比5.0%で前月(4.8%)から上昇、市場予想(4.7%)を上回った(図表2)。
1 労働力調査ベースの統計については、回答率の低下を受け、ONSでは開発中の公式統計という位置付けで公表されている。
2 求職者手当(JSA:Jobseekerʼs Allowance)、国民保険給付(National Insurance credits)を受けている者に加えて、主に失業理由でユニバーサルクレジット(UC)を受給している者の推計数の合算。なお、UCはJSAより幅広い求職手当てであり、失業者数を示す統計としては過大評価している可能性がある。このため、ONSは開発中の公式統計という位置付けで公表している。
3 歳入関税庁(HRMC)の源泉徴収情報を利用した統計。直近データは約85%のデータから推計。
4 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2.結果の詳細:定期賃金の伸びは前年比4.7%で緩やかに減速
まず9月のデータの求人数を確認すると、求人数が25年7-9月の平均で71.7万件と減少傾向が続いている(図表3)。ただし、ここのところ減少ペースは鈍化している。なお、9月単月の求人数(未季調値)は71.6万件だった。
同じく9月データの給与所得者は、9月(速報値)の前月差で▲1.0万人となった(なお、過去の数値は総じて改善方向に改定され、8月▲0.8→1.0万人、7月▲0.6→0.0万人、6月▲2.5→▲2.2万人、5月▲2.0→▲1.4万人などとなった。また前月時点では7か月連続の減少だったが、7・8月が増加に修正された)。産業別には卸・小売、医療・社会事業サービスの減少が目立つ一方、事務・支援サービス、飲食・居住サービスなどが前月対比で増加した。9月の給与額(中央値)伸び率は前年比5.5%となり8月(6.5%、改定前は6.6%)から大幅に低下した。なお、平均給与額は8月時点で前年比6.4%と高水準にある(図表4)。
同じく9月データの給与所得者は、9月(速報値)の前月差で▲1.0万人となった(なお、過去の数値は総じて改善方向に改定され、8月▲0.8→1.0万人、7月▲0.6→0.0万人、6月▲2.5→▲2.2万人、5月▲2.0→▲1.4万人などとなった。また前月時点では7か月連続の減少だったが、7・8月が増加に修正された)。産業別には卸・小売、医療・社会事業サービスの減少が目立つ一方、事務・支援サービス、飲食・居住サービスなどが前月対比で増加した。9月の給与額(中央値)伸び率は前年比5.5%となり8月(6.5%、改定前は6.6%)から大幅に低下した。なお、平均給与額は8月時点で前年比6.4%と高水準にある(図表4)。
労働時間は31.8時間(前年差▲0.1時間)、フルタイム労働者で36.5時間(同▲0.1時間)となった(前掲図表2)。名目賃金は前年比で5.0%となり、前月(4.8%)から上昇した。ボーナスを除く定期賃金伸び率は前年比4.7%と前月(4.8%)からやや低下、市場予想(4.8%)を下回っており、8月はボーナスが賃金伸び率を押し上げた。同数値を3か月前比年率で見た賃金上昇の勢いは3.9%(前月4.3%)と低下した。なお、民間部門の賃金上昇率が前年比4.8%(前月4.7%、ボーナス除きは4.4%)、公的部門が同5.8%(前月5.1%、ボーナス除きは6.0%)で公的部門の伸びが民間部門の伸びを上回った状況が続いている(図表5)。実質ベースの伸び率は、ボーナス含みで前年比0.8%(前月0.6%)、ボーナスを除きで同0.5%(前月0.5%)となった。
処遇改善を求めたストライキは、8月は件数ベースで18件(7月225件)、労働損失日数で1.5万日(7月8.5万日)となっており、かなり少ない状況となっている(図表6)。
処遇改善を求めたストライキは、8月は件数ベースで18件(7月225件)、労働損失日数で1.5万日(7月8.5万日)となっており、かなり少ない状況となっている(図表6)。
(2025年10月15日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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