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コラム
2024年12月17日
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漢字の「百」
漢字の「百」は、数字の「-」に発音を示す「白」を合わせた「形声文字」1と呼ばれるものになっている。「甲骨文字」2では、100を「白」の上部分に横棒一本を加えた形の文字(=「百」)、200 を「白」の上部分に横棒二本を加えた形の文字で表していた3。因みに、日本語では、100を「百」、200を「二百」と書くが、中国語では、100を「一百」、200を「二百」と書く4。
漢字の「百」の読み方としては、音読みでは「ヒャク」に加えて「ハク」、訓読みでは「もも」5に加えて「お」がある(「百太郎」(ももたろう)、「百田」(ももた)、「八百屋」(やおや)、「八百長」(やおちょう))。ただし、先に示した「百合」(ゆり)、「百日紅」(さるすべり)といった例に加えて、「百々町」(どどまち)、「百舌鳥」(もず)、「百済」(くだら)といった用語でも使用されて、特別な読み方もされる場合もある。
1 事物の類型を表す記号(意符)と発音を表す記号(音符)を組み合わせて作られる文字
2 古代中国の遺跡から出土する甲骨(亀の甲羅や牛の肩甲骨など)に刻みつけられた文字
3 200を表す漢字としては、楷書で「百」を2つ書いた「皕」という文字もあるが、現在では一般的でなく、「二百」と表記される。
4 これは、1000を表す「千」の場合も同様で、日本語では「千」、中国語では「一千」となる。これに対して、10000の場合は、日本語も中国語と同様に「一万」と表記される。
5 この読み方は、桃ノ木が多くの果実が成ることに由来しているようだ。
漢字の「百」の読み方としては、音読みでは「ヒャク」に加えて「ハク」、訓読みでは「もも」5に加えて「お」がある(「百太郎」(ももたろう)、「百田」(ももた)、「八百屋」(やおや)、「八百長」(やおちょう))。ただし、先に示した「百合」(ゆり)、「百日紅」(さるすべり)といった例に加えて、「百々町」(どどまち)、「百舌鳥」(もず)、「百済」(くだら)といった用語でも使用されて、特別な読み方もされる場合もある。
1 事物の類型を表す記号(意符)と発音を表す記号(音符)を組み合わせて作られる文字
2 古代中国の遺跡から出土する甲骨(亀の甲羅や牛の肩甲骨など)に刻みつけられた文字
3 200を表す漢字としては、楷書で「百」を2つ書いた「皕」という文字もあるが、現在では一般的でなく、「二百」と表記される。
4 これは、1000を表す「千」の場合も同様で、日本語では「千」、中国語では「一千」となる。これに対して、10000の場合は、日本語も中国語と同様に「一万」と表記される。
5 この読み方は、桃ノ木が多くの果実が成ることに由来しているようだ。
数字の「100」の表記
数字の「100」は、漢数字では「百」、英語では「hundred」、ラテン語では「centum」となるが、100を表す接頭語は(一般的には)「ヘクト(hecto)」となる。一方で、100分の1は、漢数字では「一厘」、英語では「hundredth」、100分の1を表す接頭語は「センチ(centi)」となる。
具体的には、以下のような具合である。
ヘクタール(hectare:ha)、ヘクトパスカル(hectopascal:hPa)
センチメートル(centimeter:cm)、(欧州等で使用される)センチリットル(centilitre:cL)
なお、英語の「hundred」も、数の「100」を表す場合には、以下のように、限定詞(determiner)や他の修飾語(modifier)が必要になる。
a hundred women / one hundred women / the hundred women
また、hundredの慣用句・イディオムとしては、例えば以下のものが挙げられる。
a hundred to one :十中八九、ほぼ確実で
by (the) hundred [hundreds]:何百となく,たくさん
hundreds and thousands : 無数(あられ砂糖の意味もある)
具体的には、以下のような具合である。
ヘクタール(hectare:ha)、ヘクトパスカル(hectopascal:hPa)
センチメートル(centimeter:cm)、(欧州等で使用される)センチリットル(centilitre:cL)
なお、英語の「hundred」も、数の「100」を表す場合には、以下のように、限定詞(determiner)や他の修飾語(modifier)が必要になる。
a hundred women / one hundred women / the hundred women
また、hundredの慣用句・イディオムとしては、例えば以下のものが挙げられる。
a hundred to one :十中八九、ほぼ確実で
by (the) hundred [hundreds]:何百となく,たくさん
hundreds and thousands : 無数(あられ砂糖の意味もある)
数字の「100」が現れるケース
数字の「100」が現れてくるケースとしては、以下の例が挙げられる。
・100年は1世紀であり、英語で「century」6といい、「C」という略記号で表す。因みに、ローマ数字の100は「C」で表される。
・「百分率」あるいは「パーセント」(percent、percentage、%)は、割合を示す単位で、全体が100として示される。100%は、「完全」、「最高値」等を意味している。
・「パーセント(percent)」は、ラテン語の「per centum」が語源で、「per」は、「につき」、「ごとに」、「あたり」という意味を有し、「centum」は「100」を意味していることから、まさに100に対する比率、ということになっている。因みに「%」記号の由来については各種の説明があるが、イタリア語の「per cento」(100当たり)が短縮されたとの説が有力のようだ。
・摂氏温度は、セルシウス度(degree Celsius)で表したcento温度で、これは氷の融点(水の凝固点)を0度、水の沸点を100度とし、この間を100等分した温度目盛りとなっている。摂氏を表す英語は「centigrade」で、まさに「百分度」ということになっている。また、摂氏温度の記号は、セルシウス度から「℃」となっている。
・世界の通貨の単位の多くは100のサブユニットに分かれている。
1ドル=100セント、1ユーロ=100セント、1ポンド=100ペンス
・メートル法でも以下のような100分単位が使用されている。
1メートル(m)=100センチメートル(cm)
1アール(a)=100平方メートル(m2)
1ヘクタール(ha)=100アール=10000平方メートル(m2)
・日本の本のタイトル等では、「〇〇100選」、「○○の100の方法」、「100の〇〇」といった形で、数字の「100」が含まれているケースが多い。
・ムカデは、漢字で「百足」とも書く。英語では「centipede」と呼ばれ、ラテン語の「centi」(百)と「ped」(脚)に由来している。ただし、ムカデはどの種も脚は奇数対であるため、ちょうど100本(50対)の脚をもつムカデは存在しないとのことである。
6 同じく100年の期間を表す英語に「centennium」があるが、こちらは、100周年等の100年毎に発生する重要なイベント等を話す際に使用される。
・100年は1世紀であり、英語で「century」6といい、「C」という略記号で表す。因みに、ローマ数字の100は「C」で表される。
・「百分率」あるいは「パーセント」(percent、percentage、%)は、割合を示す単位で、全体が100として示される。100%は、「完全」、「最高値」等を意味している。
・「パーセント(percent)」は、ラテン語の「per centum」が語源で、「per」は、「につき」、「ごとに」、「あたり」という意味を有し、「centum」は「100」を意味していることから、まさに100に対する比率、ということになっている。因みに「%」記号の由来については各種の説明があるが、イタリア語の「per cento」(100当たり)が短縮されたとの説が有力のようだ。
・摂氏温度は、セルシウス度(degree Celsius)で表したcento温度で、これは氷の融点(水の凝固点)を0度、水の沸点を100度とし、この間を100等分した温度目盛りとなっている。摂氏を表す英語は「centigrade」で、まさに「百分度」ということになっている。また、摂氏温度の記号は、セルシウス度から「℃」となっている。
・世界の通貨の単位の多くは100のサブユニットに分かれている。
1ドル=100セント、1ユーロ=100セント、1ポンド=100ペンス
・メートル法でも以下のような100分単位が使用されている。
1メートル(m)=100センチメートル(cm)
1アール(a)=100平方メートル(m2)
1ヘクタール(ha)=100アール=10000平方メートル(m2)
・日本の本のタイトル等では、「〇〇100選」、「○○の100の方法」、「100の〇〇」といった形で、数字の「100」が含まれているケースが多い。
・ムカデは、漢字で「百足」とも書く。英語では「centipede」と呼ばれ、ラテン語の「centi」(百)と「ped」(脚)に由来している。ただし、ムカデはどの種も脚は奇数対であるため、ちょうど100本(50対)の脚をもつムカデは存在しないとのことである。
6 同じく100年の期間を表す英語に「centennium」があるが、こちらは、100周年等の100年毎に発生する重要なイベント等を話す際に使用される。
スポーツの世界で、数字の「100」が現れるケース
オリンピックの競技種目としては、陸上では、100m競走、100mハードル、4×100mリレー、競泳では、100m自由形、100m平泳ぎ、100mバタフライ、100m背泳ぎ、さらには4人が自由形で泳ぐ4×100mのフリーリレーと4人がそれぞれ背泳ぎ・平泳ぎ・バタフライ・自由形の順に泳ぐ4×100mのメドレーリレーがある。
なお、現在は主要大会において実施されてはいないが、近代陸上競技が普及した18世紀においては100ヤード競走が一般的だった。第1回アテネオリンピックで、フランスの意見により、メートル制が採用されて以降は、100m競走が一般的となった。
アメリカンフットボールのフィールドの(エンドゾーンは含まない)ゴールラインの間は100ヤードとなっている。
なお、現在は主要大会において実施されてはいないが、近代陸上競技が普及した18世紀においては100ヤード競走が一般的だった。第1回アテネオリンピックで、フランスの意見により、メートル制が採用されて以降は、100m競走が一般的となった。
アメリカンフットボールのフィールドの(エンドゾーンは含まない)ゴールラインの間は100ヤードとなっている。
数学における数字としての「100」
数字の「100」について、数学的に興味深い例を挙げるとすれば、以下の点が挙げられるだろう。
・各桁の数字が十進法で(厳密に)昇順になっている素数の数は、ちょうど100個ある。
具体的には、小さい順に最初の50個は以下の通りとなっている。
2, 3, 5, 7, 13, 17, 19, 23, 29, 37, 47, 59, 67, 79, 89, 127, 137, 139, 149, 157, 167, 179, 239, 257, 269, 347, 349, 359, 367, 379, 389, 457, 467, 479, 569, 1237, 1249, 1259, 1279, 1289, 1367, 1459, 1489, 1567, 1579, 1789, 2347, 2357, 2389, 2459・・・
因みに、最も大きい数字は、23456789 となっている。
・100は、以下のように最初の9つの素数の和となっている。
100 = 2 + 3 + 5 + 7 + 11 + 13 + 17 + 19 + 23
・100は、最初の4つの正の整数の立方数の合計であり、これはまた、最初の4つの正の整数の合計の2乗に等しくなる。
100 = 13 +23 +33 +43=(1 + 2 + 3 + 4)2
・各桁の数字が十進法で(厳密に)昇順になっている素数の数は、ちょうど100個ある。
具体的には、小さい順に最初の50個は以下の通りとなっている。
2, 3, 5, 7, 13, 17, 19, 23, 29, 37, 47, 59, 67, 79, 89, 127, 137, 139, 149, 157, 167, 179, 239, 257, 269, 347, 349, 359, 367, 379, 389, 457, 467, 479, 569, 1237, 1249, 1259, 1279, 1289, 1367, 1459, 1489, 1567, 1579, 1789, 2347, 2357, 2389, 2459・・・
因みに、最も大きい数字は、23456789 となっている。
・100は、以下のように最初の9つの素数の和となっている。
100 = 2 + 3 + 5 + 7 + 11 + 13 + 17 + 19 + 23
・100は、最初の4つの正の整数の立方数の合計であり、これはまた、最初の4つの正の整数の合計の2乗に等しくなる。
100 = 13 +23 +33 +43=(1 + 2 + 3 + 4)2
最後に
今回は数字の「100」について、それが現れてくる例やその理由等について、報告してきた。
数字の「100」や漢字の「百」は、今回紹介したように、日常生活の中でもよく見かけ、また使用されている。その意味で極めて馴染み深い数字といえるだろう。
ただし、今回報告したように、例えば、漢数字の「百」については、本来的な数字「100」そのものを表すというよりは、むしろ「数多い」ことを示すために使用されているケースが多い。現代においては、数字の「100」をそれほど大きい数字だと感じることはあまりないのかもしれないが、昔の人にとってはそれなりにかなり大きな数字を表しており、まさに「多数」の代名詞になってきたということなのだろう。
一方で、数学等における数字の「100」自体については、あまりにも一般的に使用されている基本的なものであるため、ここではあまり興味深い例を挙げることができなかったかもしれない。
結局は、数字というものはそういうものなのだという感じがしている
数字の「100」や漢字の「百」は、今回紹介したように、日常生活の中でもよく見かけ、また使用されている。その意味で極めて馴染み深い数字といえるだろう。
ただし、今回報告したように、例えば、漢数字の「百」については、本来的な数字「100」そのものを表すというよりは、むしろ「数多い」ことを示すために使用されているケースが多い。現代においては、数字の「100」をそれほど大きい数字だと感じることはあまりないのかもしれないが、昔の人にとってはそれなりにかなり大きな数字を表しており、まさに「多数」の代名詞になってきたということなのだろう。
一方で、数学等における数字の「100」自体については、あまりにも一般的に使用されている基本的なものであるため、ここではあまり興味深い例を挙げることができなかったかもしれない。
結局は、数字というものはそういうものなのだという感じがしている
(2024年12月17日「研究員の眼」)
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【数字の「100」に関わる各種の話題-「100」は極めて多くの場面で現れるが-】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
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