2022年07月20日

医療提供体制に対する「国の関与」が困難な2つの要因を考える

保険研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 三原 岳

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■目次

1――はじめに~「国の関与」が困難な2つの要因~
2――医療提供体制に対する「国の関与」強化論議
  1|自民党総裁選における議論
  2|岸田氏の演説や与野党の公約
  3|普段は地味な分野なのに…
  4|国の関与強化は唯一の答えなのか?
3――経路依存性と作動学
4――2つの構造的な限界を示した岸田氏の発言
5――「国の関与」を困難にしている医療制度の構造(1)~民間中心の提供体制~
  1|民間中心の状況
  2|小津映画などの情景
  3|民間中心の提供体制が生まれた歴史的な背景
  4|医療計画制度の創設、その後の経緯
6――コロナ禍における民間医療機関への対応
  1|改正感染症法における対応
  2|国の権限が行使されない理由の考察
7――民間中心の構造を踏まえた制度改正の方向性~契約制度の検討などが必要~
  1|短期的な対応策
  2|中長期的な対応策~契約制度の活用を~
8――「国の関与」を困難にしている医療制度の構造(2)~分権的な構造~
  1|OECDによる白書の一節
  2|内務省解体後の建設省と厚生省の比較
  3|2000年の地方分権改革による影響
  4|近年の医療制度に関する制度改正の傾向
  5|分権的な構造を巡る論点
9――分権的な構造に対応する制度改正の方向性
  1|短期的な対応策
  2|国の司令塔機能を巡る議論
  3|司令塔をどうするか
  4|有事と平時の両立
  5|通知依存の見直しを
10――おわりに


※ 本稿は2021年10月20日、11月8・17日発行「研究員の眼」を加筆・修正したものである。
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保険研究部   上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任

三原 岳 (みはら たかし)

研究・専門分野
医療・介護・福祉、政策過程論

経歴
  • プロフィール
    【職歴】
     1995年4月~ 時事通信社
     2011年4月~ 東京財団研究員
     2017年10月~ ニッセイ基礎研究所
     2023年7月から現職

    【加入団体等】
    ・社会政策学会
    ・日本財政学会
    ・日本地方財政学会
    ・自治体学会
    ・日本ケアマネジメント学会

    【講演等】
    ・経団連、経済同友会、日本商工会議所、財政制度等審議会、日本医師会、連合など多数
    ・藤田医科大学を中心とする厚生労働省の市町村人材育成プログラムの講師(2020年度~)

    【主な著書・寄稿など】
    ・『必携自治体職員ハンドブック』公職研(2021年5月、共著)
    ・『地域医療は再生するか』医薬経済社(2020年11月)
    ・『医薬経済』に『現場が望む社会保障制度』を連載中(毎月)
    ・「障害者政策の変容と差別解消法の意義」「合理的配慮の考え方と決定過程」日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク編『トピック別 聴覚障害学生支援ガイド』(2017年3月、共著)
    ・「介護報酬複雑化の過程と問題点」『社会政策』(通巻第20号、2015年7月)ほか多数

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