2014年07月08日

欧米生保市場定点観測(4)フランス生保市場の変調-優遇税制を訴求ポイントとする貯蓄商品モデルの揺らぎ-

文字サイズ

【要旨】

2011年から2012年にかけ、世界第4位の生保市場であるフランス生保市場は、収入保険料が減少する一方、解約返戻金や保険金等の支払いが増加し、純増額が急激に縮小するという変調に見舞われた。
低金利環境下、フランス生保業界の主力商品である貯蓄保険の利率が趨勢的に低下した結果、2011年から2012年にかけては、非課税の規制金利商品であるリブレAの利率と貯蓄保険の利率にそれほどの差がない状況となった。
そのため、より税制面で有利なリブレAの人気が高まり、生保会社への資金流入が減少し生保契約の解約が増加することとなった。
有利な税制上の取り扱いを訴求ポイントとして、銀行チャネルを通じ、貯蓄保険を販売するという、これまでフランス生保業界を成功に導いてきたビジネスモデルが機能しなくなっていることが、近年のフランス生保市場の変調の主因である。

(2014年07月08日「保険・年金フォーカス」)

Xでシェアする Facebookでシェアする

公式SNSアカウント

新着レポートを随時お届け!
日々の情報収集にぜひご活用ください。

週間アクセスランキング

レポート紹介

【欧米生保市場定点観測(4)フランス生保市場の変調-優遇税制を訴求ポイントとする貯蓄商品モデルの揺らぎ-】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

欧米生保市場定点観測(4)フランス生保市場の変調-優遇税制を訴求ポイントとする貯蓄商品モデルの揺らぎ-のレポート Topへ