2023年09月05日

コロナパンデミック前後の英国生保市場の動向(1)-年金を中核事業とする生保業績-

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■要旨

英国の保険業界を監督する2つの機関のうちの一つであるPRA(プルデンシャル監督機構)を所管するバンク・オブ・イングランド(BOE)が公表した「保険集計データ年次レポート(Insurance aggregate data annual report)」の収入保険料データを使用して、近年の英国生保市場の業績動向を見る。

英国における生命保険の総収入保険料は、新型コロナウイルスのパンデミックが発生した2020年に1,774憶ポンドに落ち込んだが、2021年には1,944億ポンドに持ち直した。しかし2022年には1,902億ポンドに縮小した。

英国の私的年金商品は、年金原資の形成を目的とする「ペンション」と、ペンションで形成した年金原資を使って退職時等に購入する終身年金「アニュイティ」に大別される。

英国生保会社の保険料収入の約9割はこれら年金商品からもたらされており、残り約1割が貯蓄性の強い生保商品と保障性生保商品で計上されている。

年金対生保の比率10:1は、ここ10年、大きな変動がない。

年金を中核商品とする市場構造を主要因の1つに、近年、大手生保会社の英国生保市場からの退出等が発生した。

■目次

はじめに
1――収入保険料で見た近年の英国生保市場の業績動向の概要
2――商品種類別に見た収入保険料の推移
  1|年金分野・・・コーポレートペンション(企業年金)、インディビデュアル・ペンション
   (個人年金)とアニュイティ(終身年金)
  2|セービング商品(貯蓄・投資商品)
  3|プロテクション商品(保障商品)
3――全体収入保険料に占める各商品収入保険料の比率
さいごに 英国生保業界の再編
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松岡 博司

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