2023年07月19日

インド生保市場における 生保・年金のオンライン販売の動向-デジタル化を梃子に最先端を目指す動き-

文字サイズ

■要旨
インドのほとんどの生保会社は、ホームページ上で、オンライン購入プロセスの存在をアピールしている。インドでは、投資関連商品や個人年金もオンライン販売の対象となっており、これは世界でもたいへんユニークな状況となっている。ただし、現状の販売実績では、オンライン販売は、いまだ極めてマイナーな存在にすぎない。

インドの保険監督当局であるIRDAI(インド保険規制開発局)は、オンライン販売(保険の電子商取引)の成長促進に積極的である。生保各社の前向きな取組みも、そうした監督当局の姿勢を受けてのものと思われる。

2022年3月に新長官が着任して以来、IRDAIは、2047年までに、すべてのインド国民が適切な生命保険、医療保険、損害保険に加入し、すべての企業が適切な保険ソリューションによってサポートされる"Insurance for All"を実現することを約束するとして、それに向けた規制改革の検討、実施を矢継ぎ早に行ってきた 。

うち、オンライン販売、電子商取引に関連する事項としては、提案書の提出、処理、保険料支払い、保険契約の発行、保管等までの、完全に非物質化(電子化)されたプロセスの導入を目的とする規制改革案、保険の購入、請求の決済、その他の機能などの保険サービスを提供する公共性の高いオンラインプラットフォームであるBima Sugamの設立に向けた検討と調整などがある。

現状、インドの生保オンライン販売の販売シェアは低いが、国全体や保険監督当局の積極的なデジタル化推進のスタンス、それに応える生保各社の動き等を見ると、オンラオイン販売が生保市場における一つの重要なチャネルとなっていくことが期待される。
インド生保市場の動向については、引き続きのフォローが必要である。

■目次

はじめに
1――金融のデジタル化が進展しつつあるインド
2――まだまだマイナーながら、今後が期待されるインド生保会社のオンライン販売
3――保険の電子商取引に積極的な保険監督当局
さいごに
Xでシェアする Facebookでシェアする

松岡 博司

研究・専門分野

公式SNSアカウント

新着レポートを随時お届け!
日々の情報収集にぜひご活用ください。

週間アクセスランキング

レポート紹介

【インド生保市場における 生保・年金のオンライン販売の動向-デジタル化を梃子に最先端を目指す動き-】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

インド生保市場における 生保・年金のオンライン販売の動向-デジタル化を梃子に最先端を目指す動き-のレポート Topへ