2023年06月05日

インド経済の見通し~輸出鈍化と累積利上げの効果により景気減速も、公共投資の増加により内需主導の底堅い成長続く

経済研究部 准主任研究員 斉藤 誠

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■要旨
 
  • インド経済は2023年1-3月期の成長率が前年同期比+6.1%(10-12月期:同+4.5%)から上昇した。
     
  • 1-3月期は政府のインフラ投資の拡大や外国人訪問客数の増加によるサービス輸出の好調が景気のけん引役となった。また消費はコロナ禍で打撃を受けた対面型サービスの回復が続いているものの、高インフレと積極的な利上げを受けて伸び悩んだ。
     
  • 先行きはコロナ禍からの回復の勢いが弱まるなか、輸出鈍化や金融引き締めの累積効果が逆風となり昨年度ほどの高い成長は期待できないが、公共投資の大幅な増加が景気を下支えし、内需主導の底堅い成長が続くだろう。成長率は23年度が前年度比+6.1%となり、22年度の同+7.2%から低下するが、順調な経済成長が続くと予想する。


■目次

・GDP統計の結果:民間投資の拡大により成長加速
・経済概況:公共投資の拡大と純輸出の改善により成長加速
・経済見通し:輸出鈍化や累積利上げの効果が逆風となり減速も、内需主導の底堅い成長続く
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経済研究部   准主任研究員

斉藤 誠 (さいとう まこと)

研究・専門分野
東南アジア経済、インド経済

経歴
  • 【職歴】
     2008年 日本生命保険相互会社入社
     2012年 ニッセイ基礎研究所へ
     2014年 アジア新興国の経済調査を担当
     2018年8月より現職

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