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- 東南アジア経済の見通し~輸出減速するも内需が下支え
2025年09月22日
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■要旨
- 東南アジア5カ国の経済は、先行きの景気減速が意識されている。2025年4-6月期の成長率をみると、ベトナム(前年同期比+8.0%)、フィリピン(同+5.5%)、インドネシア(同+5.1%)が前期から加速した。これに対し、マレーシア(同+4.4%)は横ばい、タイ(同+3.1%)はインバウンド需要の一服で減速した。
- 消費者物価上昇率は全体として落ち着いた推移にあるが、今後は底打ち後に緩やかに持ち直す見通しである。中東情勢の緊迫化による原油価格の上昇リスクや、各国の景気刺激策・金融緩和の効果が波及することで、物価は徐々に上向く可能性がある。ただし、需要面からのインフレ圧力が和らぐため、上昇幅は限定的にとどまるとみられる。
- 金融政策は景気下支えを目的に利下げが続く見通しである。年内はタイ・インドネシア・フィリピンが0.25%、ベトナムが米国利下げ再開を受けて0.5%の利下げを実施すると予想される。また2026年初には、タイとフィリピンが緩和的なインフレ環境を背景に、さらに1回の追加利下げを行うとみられる。
- 先行きは米国の関税政策の影響で外需が鈍化し、年後半から景気減速に向かう見通しである。もっとも内需は財政支出や金融緩和による支援が下支えとなり、全体として底堅さを保つとみられる。国別では、輸出依存度の高いベトナム、タイ、マレーシアは輸出悪化による成長率の下押しが大きくなる一方、内需主導のインドネシアとフィリピンは相対的に高めの成長を維持する見込みである。
■目次
1.東南アジア経済の概況と見通し
(経済概況:前倒し輸出で一時的に成長加速)
(物価:緩やかな持ち直しにとどまる見通し)
(金融政策:利下げ局面が継続)
(経済見通し:外需減速も内需が下支え)
2.各国経済の見通し
2-1.マレーシア
2-2.タイ
2-3.インドネシア
2-4.フィリピン
2-5.ベトナム
1.東南アジア経済の概況と見通し
(経済概況:前倒し輸出で一時的に成長加速)
(物価:緩やかな持ち直しにとどまる見通し)
(金融政策:利下げ局面が継続)
(経済見通し:外需減速も内需が下支え)
2.各国経済の見通し
2-1.マレーシア
2-2.タイ
2-3.インドネシア
2-4.フィリピン
2-5.ベトナム
(2025年09月22日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
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