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- 数字の「36」に関わる各種の話題-36という数字は、実は意外なところでも現れてくるようだ-
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コラム
2025年07月23日
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ルーレットの賭け率の最大は36倍
ルーレットの賭け率の最大は36倍となっている。
ルーレットには37または38のポケットがあり、これらのポケットに番号が割り振られて、1つのポケットにボールが落ちる仕組みになっている。ヨーロッピアンルーレットでは、数字は0から36まで、アメリカンルーレットでは、数字は0から36までに加えて、00がある。
この結果、単一の番号に賭けた場合、当たる確率は37分の1(ヨーロッピアン)または38分の1(アメリカン)になる。一方で、カジノ側は、プレイヤーに勝った場合に払う配当を36倍として設定している。つまり、数字の0や00の存在によって、プレイヤー側とカジノ側の期待値が異なる形になり、その差額がカジノ側の儲けとなる仕組みとなっている。このようなカジノ側の取り分は「ハウスエッジ」と呼ばれており、ヨーロピアンでは約2.7%、アメリカンでは約5.3%となる。
それではなぜルーレットの数字が「36」までとなっているのかについては、明確な理由はよくわからなかった。現在のルーレットの形は18世紀から19世紀のフランスで確立されているが、ゲームバランスを保ちながらプレイヤーに多様な賭けの選択肢を提供するために適した数、ということで「36」という数字が選ばれていったようだ。
ルーレットには37または38のポケットがあり、これらのポケットに番号が割り振られて、1つのポケットにボールが落ちる仕組みになっている。ヨーロッピアンルーレットでは、数字は0から36まで、アメリカンルーレットでは、数字は0から36までに加えて、00がある。
この結果、単一の番号に賭けた場合、当たる確率は37分の1(ヨーロッピアン)または38分の1(アメリカン)になる。一方で、カジノ側は、プレイヤーに勝った場合に払う配当を36倍として設定している。つまり、数字の0や00の存在によって、プレイヤー側とカジノ側の期待値が異なる形になり、その差額がカジノ側の儲けとなる仕組みとなっている。このようなカジノ側の取り分は「ハウスエッジ」と呼ばれており、ヨーロピアンでは約2.7%、アメリカンでは約5.3%となる。
それではなぜルーレットの数字が「36」までとなっているのかについては、明確な理由はよくわからなかった。現在のルーレットの形は18世紀から19世紀のフランスで確立されているが、ゲームバランスを保ちながらプレイヤーに多様な賭けの選択肢を提供するために適した数、ということで「36」という数字が選ばれていったようだ。
36人の将校問題
「36人の将校問題(thirty-six officers problem)」と呼ばれているのは、以下のような問題である。
「6つの異なる連隊から、それぞれ6つの階級の異なる、合計36人の将校を正方形に並べ、各列(水平と垂直の両方)に連隊と階級の異なる将校が 6 人ずついるように配置する」(因みに、対角線上に同じ連隊や階級の人が並ぶことは認められる)
この問題は1700年代後半にサンクペテルブルグで出回っていたようで、ドイツの大数学者レオンハルト・オイラー(Leonhard Euler)はこの問題を研究し、一般的な「グレコ・ラテン方陣」の問題として、予想も行ったが、この問題を解くことができなかった。この問題に対する答えは「解が存在しない」ということであり、1901年にフランスの数学者であるガストン・タリー(Gaston Tarry)によって、「網羅的証明(Proof by exhaustion)」3により、確認された。
2つの集合 S と T (同じ場合もある)上の n 次の「グレコ・ラテン方陣(Graeco-Latin square)」又は「オイラー方陣(Euler square)」あるいは「直交ラテン方陣のペア(pair of orthogonal Latin squares)」と呼ばれているものは、それぞれ n 個のシンボルで構成され、n × n のセル配置であり、各セルには順序付きペア(s, t)(s ∊ S 、t ∊ T )が含まれるが、全ての行と全ての列には Sの各要素と Tの各要素が 1 回ずつ含まれ、2つのセルに同じ順序付きペアが含まれることはない、というものである。
具体的にn=3、4、5の場合には、以下のようなものである。
「6つの異なる連隊から、それぞれ6つの階級の異なる、合計36人の将校を正方形に並べ、各列(水平と垂直の両方)に連隊と階級の異なる将校が 6 人ずついるように配置する」(因みに、対角線上に同じ連隊や階級の人が並ぶことは認められる)
この問題は1700年代後半にサンクペテルブルグで出回っていたようで、ドイツの大数学者レオンハルト・オイラー(Leonhard Euler)はこの問題を研究し、一般的な「グレコ・ラテン方陣」の問題として、予想も行ったが、この問題を解くことができなかった。この問題に対する答えは「解が存在しない」ということであり、1901年にフランスの数学者であるガストン・タリー(Gaston Tarry)によって、「網羅的証明(Proof by exhaustion)」3により、確認された。
2つの集合 S と T (同じ場合もある)上の n 次の「グレコ・ラテン方陣(Graeco-Latin square)」又は「オイラー方陣(Euler square)」あるいは「直交ラテン方陣のペア(pair of orthogonal Latin squares)」と呼ばれているものは、それぞれ n 個のシンボルで構成され、n × n のセル配置であり、各セルには順序付きペア(s, t)(s ∊ S 、t ∊ T )が含まれるが、全ての行と全ての列には Sの各要素と Tの各要素が 1 回ずつ含まれ、2つのセルに同じ順序付きペアが含まれることはない、というものである。
具体的にn=3、4、5の場合には、以下のようなものである。
オイラーは、上記のように、Sとして、ラテン文字の集合、Tとして、ギリシャ文字の集合を用いたため、「グレコ・ラテン方陣」と呼ばれている。
上記のように、n=3、4、5の場合のグレコ・ラテン方陣は存在している。ただし、n=2の場合には明らかに存在しない。
現在では、グレコ・ラテン方陣は、n = 2、6を除くn > 1の全てで存在することが証明されている。
3 事例による証明、事例分析による証明、完全帰納法、または力ずく法とも呼ばれ、証明する命題を有限個の事例又は同等の事例の集合に分割し、各タイプの事例をチェックして問題の命題が成り立つかどうかを確認する証明方法
上記のように、n=3、4、5の場合のグレコ・ラテン方陣は存在している。ただし、n=2の場合には明らかに存在しない。
現在では、グレコ・ラテン方陣は、n = 2、6を除くn > 1の全てで存在することが証明されている。
3 事例による証明、事例分析による証明、完全帰納法、または力ずく法とも呼ばれ、証明する命題を有限個の事例又は同等の事例の集合に分割し、各タイプの事例をチェックして問題の命題が成り立つかどうかを確認する証明方法
ドミノタイリング(ドミノタイル張り)
その他の数字の「36」が現れてくる例
・数字の0から9の10個と、アルファベットの26文字を合わせて、36になるため、一部のコンピューターシステムがサポートできる最大の数値記数となっている。
・36は、正五芒星の各先端の内角の度数
・「36°」は円の一周360度の10分の1であることから、正十角形の中心角となっている。
・黄金三角形(長い2辺と短い辺の長さの比が黄金比になっている二等辺三角形)の頂角の大きさは36°となる。
・1年365日を36分割して、10日単位で数える習慣がある。
・数字の36は、平方三角数(square triangular number)、即ち、平方数でもあり、三角数でもある。
・1から36までの合計は666となり、「獣の数字」4と呼ばれるものになる。
4 これまでの研究員の眼でも何回か登場しているが、例えば「数字の「6」に関わる各種の話題-時間の単位の関係は「6」の倍数となっており、自然現象等でも多く観測される-」(2023.2.9)において簡単に紹介している。
・36は、正五芒星の各先端の内角の度数
・「36°」は円の一周360度の10分の1であることから、正十角形の中心角となっている。
・黄金三角形(長い2辺と短い辺の長さの比が黄金比になっている二等辺三角形)の頂角の大きさは36°となる。
・1年365日を36分割して、10日単位で数える習慣がある。
・数字の36は、平方三角数(square triangular number)、即ち、平方数でもあり、三角数でもある。
・1から36までの合計は666となり、「獣の数字」4と呼ばれるものになる。
4 これまでの研究員の眼でも何回か登場しているが、例えば「数字の「6」に関わる各種の話題-時間の単位の関係は「6」の倍数となっており、自然現象等でも多く観測される-」(2023.2.9)において簡単に紹介している。
最後に
今回は数字の「36」について、それが現れてくる例やその理由等について、報告してきた。
「36」という数字は、平方三角数であり、360°や1年の365日の10分の1に相当する数字であることから、結構有効に利用できる数字だといえるようだ。調べてみると、身近な思わぬところや数学パズルの例等で「36」という数字が現れてくることが発見できた。また、日本においては、「三十六」という用語がいくつかの例で使用されているが、これらは必ずしも数字の「36」そのものを表しているのではなく、「多数」の意味合いで使用されていることも多いこともわかった。
「36」という数字も、結構好奇心を呼び起こされる数字だと感じていただければと思っている。
「36」という数字は、平方三角数であり、360°や1年の365日の10分の1に相当する数字であることから、結構有効に利用できる数字だといえるようだ。調べてみると、身近な思わぬところや数学パズルの例等で「36」という数字が現れてくることが発見できた。また、日本においては、「三十六」という用語がいくつかの例で使用されているが、これらは必ずしも数字の「36」そのものを表しているのではなく、「多数」の意味合いで使用されていることも多いこともわかった。
「36」という数字も、結構好奇心を呼び起こされる数字だと感じていただければと思っている。
(2025年07月23日「研究員の眼」)
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