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「新築マンション価格指数」でみる東京23区のマンション市場動向【2024年】~都心は価格上昇が加速。一方、下期にかけて南西部は伸び率鈍化、北部と東部は下落に転じる。

金融研究部 主任研究員 吉田 資
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1.はじめに
そこで、本稿では、一昨年3および昨年4に続いて、新築マンションの販売データを用いて、品質調整をした「新築マンション価格指数」を作成し、東京23区の新築マンション市場の動向を概観する。東京23区全体の市場動向のほか、サブインデックスである「エリア別価格指数」と「タワーマンション価格指数」を用いて、各サブセクターの動向についても解説する。併せて、新築マンション市場を取り巻く需給環境等を確認し、東京23区における今後の市場見通しについて考察したい。
1 不動産経済研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2024 年のまとめ」」(2025年1月23日)
2 日本経済新聞電子版「東京23区「億ション」常態化 4~9月、1億円超続く」(2024年10月21日)
日本経済新聞電子版「マンション価格、年収の10倍を超える、東京は18倍に」(2024年12月12日)
3 吉田資『「新築マンション価格指数」でみる東京23 区のマンション市場動向(1)』『「新築マンション価格指数」でみる東京23 区のマンション市場動向(2)』、『「新築マンション価格指数」でみる東京23 区のマンション市場動向(3)』(ニッセイ基礎研究所、不動産投資レポート 2023年4月11日、2023 年4月21日、2023年5月26日)
4 吉田資『「新築マンション価格指数」でみる東京23 区のマンション市場動向【2023 年】(1)』、『「新築マンション価格指数」でみる東京23 区のマンション市場動向【2023 年】(2)』(ニッセイ基礎研究所、不動産投資レポート2024年4月18日、2024年5月9日)
2.「新築マンション価格指数」でみる東京23区の新築マンション価格
5 推計式は、『「新築マンション価格指数」でみる東京23区の市場動向(1)』の「3. 「新築マンション価格指数」の作成」を参照されたい。
6 上昇フェーズI:「2005年~2008年:リーマンショック前までの価格上昇局面(不動産ファンドバブル期)」、下落フェーズII:「2009年~2012年:リーマンショック後の価格下落局面(東日本大震災を含む)」、上昇フェーズIII:「2013年~:アベノミクス以降の価格上昇局面」。
「新築マンション価格指数」と不動産経済研究所が公表する「平均価格」(図表-2)および「m2単価」(図表-3)を比較すると、「平均価格」が前年比▲3%、「m2単価」が同▲1%と下落したのに対して、「新築マンション価格指数」は同+13%上昇し、両者の間にかい離が生じる結果となった。
2023年は、総戸数が約1000戸で全住戸1億円以上とされる「三田ガーデンヒルズ」7等の高額物件が供給された影響で、「平均価格」は1億1,483億円(前年比+39%)、「m2単価」は172.7万円(前年比+34%)」といずれも前年から大幅に上昇した。2024年は「平均価格」・「m2単価」ともに下落に転じ、価格上昇が一服したように見える。
しかし、高額物件等の影響を取り除いて品質調整を行った「新築マンション価格指数」をみると、2024年の価格上昇率(前年比+13%)は前年(同+9%)を上回り、むしろ価格上昇の勢いが強まったことが確認できる。
7 日本経済新聞「最高額45億円の三田ガーデンヒルズ、11月に2期目販売」2023/9/12
(2025年04月17日「不動産投資レポート」)
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03-3512-1861
- 【職歴】
2007年 住信基礎研究所(現 三井住友トラスト基礎研究所)
2018年 ニッセイ基礎研究所
【加入団体等】
一般社団法人不動産証券化協会資格教育小委員会分科会委員(2020年度~)
吉田 資のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
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