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2025年05月16日

わが国のホテル投資市場規模(2024年)

金融研究部 主任研究員 吉田 資

株式会社価値総合研究所 不動産投資調査事業部 事業部長 主任研究員 室 剛朗

株式会社価値総合研究所 不動産投資調査事業部 研究員 藤野 玲於奈

株式会社価値総合研究所 不動産投資調査事業部 研究員 宮野 慎也

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■要旨
 
  • 日本の不動産投資市場は、引き続き好調を維持している。特に、宿泊需要がコロナ禍の落ち込みから急速に回復していること等を受けて、ホテルに対する不動産投資家の関心が高まっている。
     
  • そこで、本稿では、ニッセイ基礎研究所と価値総合研究所が共同で実施したわが国の不動産投資市場規模に関する調査について、「ホテル・旅館」に関する推計結果の内容を詳細に報告する。
     
  • ホテル・旅館の資産規模は、「収益不動産」で約17.0兆円(前年比+71%)、「投資適格不動産」で約11.7兆円(前年比+58%)と推計され、ともに過去最高水準を更新した。
     
  • 「収益不動産(17.0兆円)」を都道府県別にみると、「東京都」が約5兆6,200億円(占率33%)と最も大きく、次いで「大阪府」が約1兆8,600億円(同11%)、「神奈川県」が約9,700億円(同6%)、「京都府」が約8,900億円(同5%)、「北海道」が約8,500億円(同5%)と推計された。「オフィス(東京都の占率55%)」や「賃貸住宅(同41%)」と比較すると、「東京都」の占率は低く、地方も一定の市場規模が存在すると言える。
     
  • 「東京都」や「神奈川県」、「京都府」、「愛知県」、「兵庫県」、「埼玉県」は一定の資産規模を有している一方、J-REIT保有比率ならびに市場回転率(年間取引額÷収益不動産の資産規模)が低水準に留まっており、証券化拡大の余地は大きいと考えられる。
     
  • ホテル・旅館需要を示す指標の一つである「延べ宿泊者数」と収益不動産の資産規模の関係を確認すると、正の相関が強い。価値総合研究所の推計によれば、2030年の延べ宿泊者数は、約7.0億人泊(対2023年比114%)に拡大すると見込まれる。特に、外国人延べ宿泊者数は約2.1億人泊(対2023年比182%)と、大幅な増加が見込まれる。
     
  • 収益不動産の資産規模が比較的小さい一方、外国人比率の高い都道府県(山梨県や岐阜県、福岡県、大分県等)は、収益不動産の資産規模拡大が期待される。


■目次

1.はじめに
2.ホテル・旅館の資産規模の推計結果
  2-1.概要
  2-2.エリア別にみたホテル・旅館の「収益不動産」
  2-3.エリア別にみたホテル・旅館の「投資適格不動産」
3.「収益不動産」の市場規模と延べ宿泊者数の関係

本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

(2025年05月16日「不動産投資レポート」)

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金融研究部

吉田 資
(よしだ たすく)

株式会社価値総合研究所 不動産投資調査事業部 事業部長 主任研究員 室 剛朗

株式会社価値総合研究所 不動産投資調査事業部 研究員 藤野 玲於奈

株式会社価値総合研究所 不動産投資調査事業部 研究員 宮野 慎也

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【わが国のホテル投資市場規模(2024年)】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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