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- 企業物価指数2025年7月~国内企業物価は4ヵ月連続で伸びが縮小~
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2025年08月13日
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1.国内企業物価の上昇率は2ヵ月連続の2%台

内訳をみると23類別中、17類別が上昇し、6類別が低下となった。コメ価格の高騰が続いていることから、精米は前年比74.1%(6月:同76.6%)、玄米は同75.0%(6月:同73.8%)と高い伸びが継続しており、農林水産物は前年比42.2%(6月:同43.1%)となった。
また、チョコレート(前年比38.5%)、コーヒー(同30.9%)、米菓(同11.3%)、ジュース(同11.7%)などが2ケタの伸びとなり、飲食料品は前年比4.2%(6月:同4.5%)と高い伸びが続いている。
2.契約通貨ベースの輸入物価は前年比▲5.1%
7月の契約通貨ベースの輸入物価は、前年比▲5.1%(6月:同▲5.9%)と11ヵ月連続のマイナスとなった。内訳をみると、ガソリンが前年比▲12.3%と12ヵ月連続のマイナス、ジェット燃料油が同▲9.4%となったことなどから、石油・石炭・天然ガスは前年比▲15.1%(6月:同▲16.6%)と11ヵ月連続のマイナスとなった。
一方、契約通貨ベースの前月比では、1.1%(6月:同▲1.4%)と5ヵ月ぶりのプラスとなった。内訳をみると、原油が前月比5.8%(6月:同▲8.1%)、ナフサが同1.8%(6月:同▲5.7%)と上昇に転じたことなどから、石油・石炭・天然ガスは前月比2.6%(6月:同▲4.6%)と5ヵ月ぶりのプラスとなり、全体を押し上げた。
7月の為替相場は、対ドルでは146円台(前月比1.5%)と6月から円安ドル高で推移したことで、円ベースの輸入物価は前月比2.4%(6月:同▲1.6%)と6ヵ月ぶりのプラスとなった。
一方、契約通貨ベースの前月比では、1.1%(6月:同▲1.4%)と5ヵ月ぶりのプラスとなった。内訳をみると、原油が前月比5.8%(6月:同▲8.1%)、ナフサが同1.8%(6月:同▲5.7%)と上昇に転じたことなどから、石油・石炭・天然ガスは前月比2.6%(6月:同▲4.6%)と5ヵ月ぶりのプラスとなり、全体を押し上げた。
7月の為替相場は、対ドルでは146円台(前月比1.5%)と6月から円安ドル高で推移したことで、円ベースの輸入物価は前月比2.4%(6月:同▲1.6%)と6ヵ月ぶりのプラスとなった。
3.先行きの国内企業物価は前年比2%台で推移すると予想
国内企業物価は前年比の伸び率が前月から鈍化し、2ヵ月連続で2%台となった。先行きについては、飲食料品の上昇率が前年比4.2%と2023年夏頃(同8%台後半)に比べれば低水準にとどまっているものの、食料品値上げの動きはしばらく続く可能性が高い。
一方、2025年7~9月使用分で再開される電気・都市ガス代の支援策は、エネルギー価格の上昇率を押し下げる要因になると見込まれる。さらに、農林水産省が8月12日に発表した7月28日の週のコメの平均店頭価格は3,542円/5kgと、6月中旬以降は3,600円前後で概ね横ばいに推移している。今後は前年の急上昇の裏が出やすくなることが考えられ、コメ価格の前年比の伸びは次第に鈍化していくことが見込まれる。以上より、先行きの国内企業物価は2%台で推移すると予想する。
一方、2025年7~9月使用分で再開される電気・都市ガス代の支援策は、エネルギー価格の上昇率を押し下げる要因になると見込まれる。さらに、農林水産省が8月12日に発表した7月28日の週のコメの平均店頭価格は3,542円/5kgと、6月中旬以降は3,600円前後で概ね横ばいに推移している。今後は前年の急上昇の裏が出やすくなることが考えられ、コメ価格の前年比の伸びは次第に鈍化していくことが見込まれる。以上より、先行きの国内企業物価は2%台で推移すると予想する。
(2025年08月13日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2020年4月 株式会社横浜銀行
2024年9月 ニッセイ基礎研究所
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
佐藤 雅之のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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