2025年04月17日

「新築マンション価格指数」でみる東京23区のマンション市場動向【2024年】~都心は価格上昇が加速。一方、下期にかけて南西部は伸び率鈍化、北部と東部は下落に転じる。

金融研究部 主任研究員 吉田 資

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■要旨
 
  • 本稿では、一昨年および昨年 に続いて、新築マンションの販売データを用いて、品質調整をした「新築マンション価格指数」を作成し、東京23区の新築マンション市場の動向を概観する。東京23区全体の市場動向のほか、サブインデックスである「エリア別価格指数」と「タワーマンション価格指数」を用いて、各サブセクターの動向についても解説する。
     
  • 東京23区の新築マンション価格は前年比+13%上昇した。エリア別では、資産性を重視する傾向が強まり「都心」は前年比+29%、「タワーマンション」は前年比+25%上昇した。
     
  • 上昇率を上期と下期に分けて確認すると、都心(上期13%/下期16%)は下期にかけて上昇率が拡大した一方、南西部(上期8%/下期3%)は下期に上昇率が縮小し、北部(上期5%/下期▲1%)と東部(上期11%/下期▲1%」は下期に下落に転じる結果となった。
     
  • 住宅購入判断に影響を及ぼしている住宅ローン金利は上昇傾向で推移している。また、新築マンション需要を支えてきた30代および40代の「夫婦と子からなる世帯」と「夫婦のみの世帯」は減少する見通しである。
     
  • また、トランプ政権による相互関税の発表を受けて、株価の下落や円高が進行しており、資産効果の剥落や海外富裕層のマンション購入意欲に影響を与える可能性がある。
     
  • 2025年の新規供給戸数は前年から増加する見通しである。経済および金融市場、世帯数の動向次第では、需給環境が悪化する可能性もあり、引き続き注視が必要であろう。


■目次

1.はじめに
2.「新築マンション価格指数」でみる東京23区の新築マンション価格
  2-1.東京23区「新築マンション価格指数」の算出
  2-2.「エリア別価格指数」の算出
  2-3.「タワーマンション価格指数」の算出
3.おわりに

本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

(2025年04月17日「不動産投資レポート」)

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金融研究部   主任研究員

吉田 資 (よしだ たすく)

研究・専門分野
不動産市場、投資分析

経歴
  • 【職歴】
     2007年 住信基礎研究所(現 三井住友トラスト基礎研究所)
     2018年 ニッセイ基礎研究所

    【加入団体等】
     一般社団法人不動産証券化協会資格教育小委員会分科会委員(2020年度~)

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