2023年09月07日

インド経済の見通し~食品インフレで消費鈍化も、内需主導の底堅い成長が続く

経済研究部 准主任研究員 斉藤 誠

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■要旨
 
  • インド経済は2023年4-6月期の成長率が前年同期比+7.8%(1-3月期:同+6.1%)と上昇した。
     
  • 4-6月期はインフレ鈍化による民間消費の回復と公共投資の継続的な拡大が景気の牽引役となった。また海外経済の減速により輸出は急減したものの、インドは輸出産業の育成が遅れているため、国際的な輸出環境悪化により経済が受けるマイナスの影響は限定的だった。
     
  • 先行きは足元の食品インフレにより景気減速するが、来年度はインフレ沈静化と金融緩和により民間部門が回復するほか、政府の経済政策や脱中国依存を図る企業の動きによる投資拡大が続くとみられ、成長ペースは内需主導で加速するだろう。成長率は23年度が前年度比+6.1%となり、22年度の同+7.2%から低下するが、24年度が同+6.4%と上昇すると予想する。


■目次

・GDP統計の結果:7%台後半に成長加速
・経済概況:民間消費と公共投資の拡大が経済成長を牽引
・経済見通し:食品インフレで消費鈍化も、内需主導の底堅い成長続く
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経済研究部   准主任研究員

斉藤 誠 (さいとう まこと)

研究・専門分野
東南アジア経済、インド経済

経歴
  • 【職歴】
     2008年 日本生命保険相互会社入社
     2012年 ニッセイ基礎研究所へ
     2014年 アジア新興国の経済調査を担当
     2018年8月より現職

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