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- マンション価格は上昇継続。ホテル市況はコロナ禍前に近づく-不動産クォータリー・レビュー2023年第2四半期
2023年08月09日
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物流賃貸市場は、首都圏では新規供給の影響を受けて空室率が高止まりしている。シービーアールイー(CBRE)によると、首都圏の大型マルチテナント型物流施設の空室率(2023年6月末)は8.2%(前期比±0%)となった(図表-15)。今期は新規需要が過去最大の22.5万坪を記録したものの、新規供給(24.4万坪)も多く、前期比で横ばいとなった。既存物件の空室消化も進んでいるものの、空室が多いなかで、テナントは引き続き選別的となっており、物件やエリアの2極化が進んでいるとのことである。近畿圏の空室率は3.2%(前期比▲1.4%)に低下した。
また、一五不動産情報サービスによると、2023年4月の東京圏の募集賃料は4,600円/月坪(前期比+2.0%)に上昇した。
また、一五不動産情報サービスによると、2023年4月の東京圏の募集賃料は4,600円/月坪(前期比+2.0%)に上昇した。
4. J -REIT(不動産投信)市場
今年上期のJ-REIT市場を振り返ると(図表-18)、上期前半は金利上昇に対する警戒感から下値を探る展開が続いたものの、4月以降、植田日銀新総裁が現在の金融政策を当面維持するとの見方から上昇に転じ、昨年末の水準を概ね回復した。もっとも、海外資金の大量流入を受けてバブル崩壊後33年ぶりの高値更新に沸く株式市場と比べて足どりは重く、TOPIXの上昇(+21.0%)に対して大幅にアンダーパフォームする結果となった。
続いて、市場規模を確認すると、上場銘柄数は61社から60社に減少、市場時価総額は15.7兆円(昨年末比▲1%)、運用資産額(取得額ベース)は22.3兆円(同+2%)となった。また、業績面では、ホテル収益の回復や不動産売却益の計上などがプラス寄与し、市場全体の1口当たり予想分配金は昨年末比+3%増加、1口当たりNAV(Net Asset Value、解散価値)も不動産価格上昇を反映し+1%増加と堅調であった。一方、デット資金の調達は、金利見通しに対する不透明感から投資法人債の発行について様子見となるなか、発行期間の短縮(期間5.8年)と調達コスト(発行利率0.85%)の上昇がみられた。
続いて、市場規模を確認すると、上場銘柄数は61社から60社に減少、市場時価総額は15.7兆円(昨年末比▲1%)、運用資産額(取得額ベース)は22.3兆円(同+2%)となった。また、業績面では、ホテル収益の回復や不動産売却益の計上などがプラス寄与し、市場全体の1口当たり予想分配金は昨年末比+3%増加、1口当たりNAV(Net Asset Value、解散価値)も不動産価格上昇を反映し+1%増加と堅調であった。一方、デット資金の調達は、金利見通しに対する不透明感から投資法人債の発行について様子見となるなか、発行期間の短縮(期間5.8年)と調達コスト(発行利率0.85%)の上昇がみられた。
4 NAV倍率は、市場時価総額がリートの解散価値(NAV:Net Asset Value)の何倍で評価されているかを表わす指標。
(ご注意)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2023年08月09日「不動産投資レポート」)
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03-3512-1853
経歴
- 【職歴】
2000年 東海銀行(現三菱UFJ銀行)入行
2006年 総合不動産会社に入社
2018年5月より現職
・不動産鑑定士
・宅地建物取引士
・不動産証券化協会認定マスター
・日本証券アナリスト協会検定会員
・2022年、2023年 兵庫県都市計画審議会専門委員
渡邊 布味子のレポート
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