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かかりつけ医を巡る議論とは何だったのか-決着内容の意義や有効性を問うとともに、論争の経緯や今後の論点を考える

保険研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 三原 岳
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1――はじめに~かかりつけ医を巡る議論とは何だったのか~
2――4つに整理できる今回の制度改正の概要
3――今回の決着の内容(1)~かかりつけ医機能の定義の法定化~
1|かかりつけ医とは何か
2|コロナ対応で注目されたかかりつけ医の曖昧さ
3|オンライン診療でも論点に
4|部会意見で示された方向性
4――今回の決着の内容(2)~医療機能情報提供制度の刷新~
1|医療機能情報提供制度とは何か
2|部会意見で示されている「刷新」の方向性
5――今回の決着の内容(3)~「かかりつけ医機能報告制度」の創設~
1|かかりつけ医機能報告制度のイメージ
2|都道府県と厚生労働省の役割
6――今回の決着の内容(4)~書面交付の仕組みの創設~
7――今回の決着の評価(1)~外来医療に制度的な担保が入った意味合い~
1|曖昧だったかかりつけ医の位置付け
2|遅きに失した?制度的な関与
8――今回の決着の評価(2)~医療機能が可視化される意味合い~
9――今回の決着の課題(1)~それでも残るかかりつけ医の曖昧さ~
10――今回の決着の課題(2)~医療機能情報提供制度は機能するのか?~
11――今回の決着の課題(3)~かかりつけ医機能報告制度は機能するのか~
1|実効性の課題
2|地域医療連携推進法人は都市部で通用するのか?
12――今回の決着の課題(4)~書面交付制度は機能するのか~
1|かかりつけ薬剤師・薬局制度は先例になる?
2|書面の関係は1対1なのか、それとも複数なのか?
13――かかりつけ医を巡る論議の経緯
1|財政審、諮問会議の動向
2|2021年末に決まった「新経済・財政再生計画改革工程表」の記述
3|2022年度診療報酬改定
4|骨太方針に向けた政府・与党の動向
5|骨太方針は「玉虫色」に
6|日医の主張
7|健保連の提案
8|全世代会議、社会保障審議会などの議論
9|決着した内容の総括
14――制度化賛成派の主張
1|外来医療費の抑制
2|医療機関の機能分化の下支えに
3|全人的かつ継続的なケアが可能に
4|新興感染症など有事対応も可能に
15――制度化反対派の主張
1|受療の選択肢が狭くなる危険性
2|診療報酬の変更に対する抵抗感
3|医療の国家統制に対する嫌悪感
16――「神学論争」にも似た意見対立
17――「神学論争」を超えるための視座
1|患者―医師の信頼関係をベースに制度を作る必要性
2|自然に信頼関係は生まれるのか
3|選択肢が多いことが満足度に繋がるのか
4|信頼に足る能力を持つ医師を探せるのか
18――今後の制度改正に向けた選択肢(1)~患者―医師の関係性に関する制度設計~
1|医療における「代理人」を明確にする必要性
2|英仏両国との対比
3|中小病院も含む必要性
4|診療報酬改定による誘導
5|DX化、PHRの拡大
19――今後の制度改正に向けた選択肢(2)~エージェンジー問題を解消するための工夫~
20――今後の制度改正に向けた選択肢(3)~信頼できる医師を増やすのための工夫~
21――おわりに
※ 本稿は2023年2月13日、2月22日発行「基礎研レポート」を加筆・修正したものである。
(2023年07月24日「ニッセイ基礎研所報」)
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03-3512-1798
- プロフィール
【職歴】
1995年4月~ 時事通信社
2011年4月~ 東京財団研究員
2017年10月~ ニッセイ基礎研究所
2023年7月から現職
【加入団体等】
・社会政策学会
・日本財政学会
・日本地方財政学会
・自治体学会
・日本ケアマネジメント学会
【講演等】
・経団連、経済同友会、日本商工会議所、財政制度等審議会、日本医師会、連合など多数
・藤田医科大学を中心とする厚生労働省の市町村人材育成プログラムの講師(2020年度~)
【主な著書・寄稿など】
・『必携自治体職員ハンドブック』公職研(2021年5月、共著)
・『地域医療は再生するか』医薬経済社(2020年11月)
・『医薬経済』に『現場が望む社会保障制度』を連載中(毎月)
・「障害者政策の変容と差別解消法の意義」「合理的配慮の考え方と決定過程」日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク編『トピック別 聴覚障害学生支援ガイド』(2017年3月、共著)
・「介護報酬複雑化の過程と問題点」『社会政策』(通巻第20号、2015年7月)ほか多数
三原 岳のレポート
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2025/02/17 | 政策形成の「L」と「R」で高額療養費の見直しを再考する-意思決定過程を詳しく検討し、問題の真の原因を探る | 三原 岳 | 研究員の眼 |
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