2022年02月16日

2021~2023年度経済見通し(22年2月)

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

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■要旨
 
<実質成長率:2021年度2.5%、2022年度2.5%、2023年度1.7%を予想>
 
  1. 2021年10-12月期の実質GDPは、緊急事態宣言の解除を受けた民間消費の大幅増加を主因として、前期比年率5.4%と2四半期ぶりのプラス成長となった。
     
  2. 2022年1-3月期の実質GDPは、まん延防止等重点措置の影響で民間消費が減少に転じ、前期比年率0.4%と小幅なプラス成長にとどまるだろう。2022年度入り後は、感染の落ち着きや行動制限の解除を前提として高めの成長が続くと予想するが、感染動向とその対応策については不確実性が非常に高い。
     
  3. 実質GDP成長率は2021年度が2.5%、2022年度が2.5%、2023年度が1.7%と予想する。実質GDPがコロナ前(2019年10-12月期)の水準を上回るのは2022年4-6月期、消費税率引き上げ前の直近のピーク(2019年7-9月期)に戻るのは2023年4-6月期と予想する。
     
  4. 消費者物価上昇率(生鮮食品を除く総合)は、2021年度が前年比0.0%、2022年度が同1.5%、2023年度が同0.8%と予想する。エネルギー価格の大幅上昇が続く中で、食料品の伸びが高まることで、2022年度入り後は1%台後半まで上昇ペースが加速するが、原油高の影響が一巡する2023年度にはゼロ%台後半まで伸びが鈍化するだろう。

 
実質GDP成長率の推移(年度)
■目次

1. 2021年10-12月期は前期比年率5.4%のプラス成長
  ・交易条件の悪化で海外への所得流出が進む
  ・輸入物価上昇の負担は企業から家計へ
2. 実質成長率は2021年度2.5%、2022年度2.5%、2023年度1.7%を予想
  ・緊急事態宣言の解除を受けて、2021年末にかけてサービス消費が急回復
  ・物価の上昇ペース加速が実質所得を押し下げ
  ・高水準の貯蓄、預貯金が消費を下支え
  ・実質GDPが直近のピークを超えるのは2023年度
  ・物価の見通し
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経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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