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- 貿易統計21年12月-10-12月期の外需寄与度は前期比0.4%程度のプラスに
2022年01月20日
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1.原油高の影響で貿易赤字が継続
財務省が1月20日に公表した貿易統計によると、21年12月の貿易収支は▲5,824億円の赤字となったが、事前の市場予想(QUICK集計:▲7,840億円、当社予想は▲6,749億円)を上回る結果となった。輸出は前年比17.5%(11月:同20.5%)の高い伸びとなったが、原油高の影響などから輸入が前年比41.1%(11月:同43.8%)と輸出の伸びを大きく上回ったため、貿易収支は前年に比べ▲12,907億円の悪化となった。半導体不足などの影響で21年夏場に大きく落ち込んだ自動車輸出は、供給制約の緩和を受けて11月に前年比4.1%と3ヵ月ぶりの増加となった後、12月は同17.5%と伸びを高めた。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比2.0%(11月:同4.7%)、輸出価格が前年比15.2%(11月:同15.1%)、輸入の内訳は、輸入数量が前年比1.0%(11月:同6.1%)、輸入価格が前年比39.7%(11月:同35.6%)であった。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比2.0%(11月:同4.7%)、輸出価格が前年比15.2%(11月:同15.1%)、輸入の内訳は、輸入数量が前年比1.0%(11月:同6.1%)、輸入価格が前年比39.7%(11月:同35.6%)であった。
季節調整済の貿易収支は▲4,353億円と8ヵ月連続の赤字となったが、11月の▲4,739億円からは赤字幅が若干縮小した。輸出(前月比▲0.2%)、輸入(同▲0.7%)ともに小幅な減少となった。
2.国内の自動車生産も回復へ
21年12月の輸出数量指数を地域別に見ると、米国向けが前年比6.8%(11月:同▲2.9%)、EU向けが前年比3.5%(11月:同10.9%)、アジア向けが前年比▲0.6%(11月:同5.5%)、うち中国向けが前年比▲5.6%(11月:同▲2.1%)となった。
3.10-12月期の外需寄与度は前期比0.4%程度のプラスに
12月までの貿易統計と11月までの国際収支統計の結果を踏まえて、21年10-12月期の実質GDPベースの財貨・サービスの輸出入を試算すると、輸出が前期比1%台前半の増加、輸入が前期比▲0%台後半の減少となった。この結果、10-12月期の外需寄与度は前期比0.4%(7-9月期:同0.0%)のプラスとなることが予想される。
当研究所では、鉱工業生産、建築着工統計等の結果を受けて、1/31のweeklyエコノミストレターで21年10-12月期の実質GDP成長率の予測を公表する予定である。現時点では、外需が成長率を押し上げる中、緊急事態宣言の解除を受けた民間消費の高い伸びを主因として国内需要が大幅に増加することから、前期比年率8%台の高成長を予想している。
当研究所では、鉱工業生産、建築着工統計等の結果を受けて、1/31のweeklyエコノミストレターで21年10-12月期の実質GDP成長率の予測を公表する予定である。現時点では、外需が成長率を押し上げる中、緊急事態宣言の解除を受けた民間消費の高い伸びを主因として国内需要が大幅に増加することから、前期比年率8%台の高成長を予想している。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2022年01月20日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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