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- 東南アジア経済の見通し~年内は活動制限の影響により経済停滞、来年はウィズコロナ下での経済回復が続く
2021年09月30日
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■要旨
- 2021年4-6月期は東南アジア地域でデルタ株が蔓延して感染再拡大が生じた。各国政府は厳しい活動制限措置の実施を迫られ、実体経済が停滞した国が多かったが、成長率(前年同期比)は昨年の実質GDPが落ち込んだ反動(ベース効果)により上昇した。
- 消費者物価上昇率は、年内は経済活動制限による下押しにより横ばい圏で推移する国が多いが、来年はワクチン普及による経済活動の正常化が続くなかで上向くと予想する。
- 金融政策は、コロナ禍でダメージを受けた経済の回復を後押しするため、年内は各国の政策金利が据え置かれるが、来年は経済回復が続くなかで物価が上向くほか、米国の金融緩和策の縮小に伴う資金流出圧力が強まるなかで、インドネシアやフィリピンなどでは利上げが実施されると予想する。
- 経済の先行きは、今後各国の活動制限措置が段階的に解除されるが、緩やかに進められるために年内は実態経済の停滞が続くだろう。来年はワクチン接種が加速するにつれてウィズコロナを前提とした柔軟な感染対策と経済活動との両立が図られ、景気回復が安定すると予想する。
■目次
1.東南アジア経済の概況と見通し
・経済概況:感染再拡大もベース効果により成長率が急上昇
・新型コロナ感染状況:活動制限強化により改善に転じる
・物価:制限緩和に伴い上昇へ
・金融政策:年内は据え置き、来年は引き締めモードに
・経済見通し:年内は活動制限の影響で経済回復が遅れるが、来年はワクチン普及により回復へ
2.各国経済の見通し
2-1.マレーシア
2-2.タイ
2-3.インドネシア
2-4.フィリピン
2-5.ベトナム
1.東南アジア経済の概況と見通し
・経済概況:感染再拡大もベース効果により成長率が急上昇
・新型コロナ感染状況:活動制限強化により改善に転じる
・物価:制限緩和に伴い上昇へ
・金融政策:年内は据え置き、来年は引き締めモードに
・経済見通し:年内は活動制限の影響で経済回復が遅れるが、来年はワクチン普及により回復へ
2.各国経済の見通し
2-1.マレーシア
2-2.タイ
2-3.インドネシア
2-4.フィリピン
2-5.ベトナム
(2021年09月30日「Weekly エコノミスト・レター」)
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03-3512-1780
経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
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