2021年06月11日

所有者不明土地への諸対策 (2)-共有制度の見直し

保険研究部 常務取締役 研究理事 兼 ヘルスケアリサーチセンター長・ジェロントロジー推進室研究理事兼任   松澤 登

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■要旨

一つの不動産(土地・建物)を複数の人が所有することを共有という(所有者をそれぞれ共有者という)。共有物に変更を加える(たとえば建物を建て増しする)場合は全員の同意が、共有物の管理をする(たとえば短期に貸し出す)場合は、持分の過半数の者の同意が必要である。また、共有物を分割する、あるいは単独の所有権にして譲渡する(=共有持ち分の処分)ためには、他の共有者全員の同意が必要である。
 
問題は、数次相続を経るなどして、他の共有者の所在が不明になっているケースがあることである。そうすると共有物の変更・管理・分割・処分を行うことができない。
 
そこで、今回の民法改正によって、所在等不明共有者の同意がなくても、共有物の変更・管理が行う旨の裁判を行うことができるようになった。また、所在等不明共有者の持分を共有者が取得したり、まとめて第三者に譲渡したりすることも裁判により行うことができるとした。
 
共有物の分割においては、債務負担(=金銭賠償)による分割を可能にする(持分の金銭換算したものを共有者に提供する)とともに、分割に反対する共有者に対して、裁判で分割を求めることができるようにした。
 
なお、相続により共有となった不動産については、相続開始から10年経過後に上記の各種制度が利用できるものとされた。

■目次

1――はじめに
2――問題の所在
  1|共有物の変更・管理
  2|他の共有者の持分取得・共有物分割
  3|共有物の処分(第三者への売却)
3――新しい共有制度
  1|共有物の変更・管理
  2|所在等不明共有者の持分の取得
  3|共有物の分割(債務負担による共有持ち分の取得)
  4|所在等不明共有者の持分の譲渡
  5|相続財産についての特則
4――おわりに
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保険研究部   常務取締役 研究理事 兼 ヘルスケアリサーチセンター長・ジェロントロジー推進室研究理事兼任

松澤 登 (まつざわ のぼる)

研究・専門分野
保険業法・保険法|企業法務

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