2019年02月18日

認知症・相続対策としての民事信託-成年後見制度を補完する可能性としての信託

保険研究部 常務取締役 研究理事 兼 ヘルスケアリサーチセンター長 松澤 登

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■要旨

家族が認知症になってしまった場合においては成年後見制度が唯一の対応する法制度であるが、成年後見人選任に当たって家庭裁判所の審判を要するなどハードルが高い。

そこで昨今、認知症の事前対策として、あるいは相続対策としての民事信託が注目を集めている。民事信託とは当人の不動産や預金等財産をその家族に移転し、財産の管理を委ねる仕組みである。この仕組みを活用することで当人が認知症になり自身で財産管理ができなくなっても、家族が財産を管理し、場合によっては財産の処分をしたりすることできるようになる。

また、信託終了時点で、信託をした財産が帰属する権利者を定めておくことで確実に財産をその権利者が受け継ぐようにすることができる。

理論上・実務上、未解決の部分を含む仕組みであるが、超高齢社会の中では有益な仕組みと思われ、その動向が注目される。

■目次


1――はじめに
  1|成年後見制度の限界
  2|信託とは
2――家族による民事信託とは
3――民事信託の実務
4――おわりに
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保険研究部   常務取締役 研究理事 兼 ヘルスケアリサーチセンター長

松澤 登 (まつざわ のぼる)

研究・専門分野
保険業法・保険法|企業法務

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