2020年07月02日

サブリース事業規制の導入-「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」の制定

保険研究部 取締役 研究理事・ジェロントロジー推進室兼任   松澤 登

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■要旨

2020年6月に閉会した通常国会において「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」が成立した。この法律は、住宅管理会社やサブリース会社の業規制を定めるものである。
 
法は、まず賃貸住宅の管理受託をする事業者(一定の小規模事業者を除く)に国土交通大臣への登録を求める。無登録の営業は禁止される。賃貸住宅管理業者は、誠実に業務を行うことのほか、営業所ごとに業務責任者を配置しなければならない。管理契約締結時には、オーナーに一定の事項を記載した書面を交付して、契約内容を明らかにしなければならない。また、家賃・敷金の分別管理義務や帳簿の備付、オーナーへの定期報告などの義務が課され、これらの違反に対しては刑事罰が科される。
 
さらに、法は、賃貸住宅の転貸を行うサブリース会社(特定転貸事業者)およびサブリース会社から委託を受けた勧誘者に対して、事実に相違する事項や、実際よりも優良・有利な表示(広告)をすることは禁じている。また、オーナー(オーナーになろうとする者を含む)に対して、その判断に影響を及ぼす重要事項について、故意に事実を告げないこと、また不実のことを告げることが禁止される。さらにサブリースについての契約を締結するにあたて事前の書面説明と、契約締結後の書面交付を要求する。これらの違反行為には刑事罰が科される。
 
この法違反により、罰金刑を受けた者は登録が取り消される。一従業員の行為であっても両罰規定があるため、法人・事業主も罰せられる。そのため、法人・事業者の事業活動の継続は不可能となる。住宅管理事業の適正化へ向けた立法府の強い思いが感じられる法である。

■目次

1――はじめに
2――サブリース事業の概要と問題点
  1|サブリース事業の概要
  2|サブリース事業の問題点
3――賃貸住宅管理業者への規制
  1|賃貸住宅管理業者とは
  2|賃貸住宅管理業者の登録義務
  3|賃貸住宅管理業者の業務規制
  4|賃貸住宅管理業者の監督
4――特定賃貸借契約の適正化の措置
  1|広告・勧誘についての特定転貸事業者規制
  2|特定転貸事業者の書面交付義務
  3|特定転貸事業者に対する監督
5――おわりに
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保険研究部   取締役 研究理事・ジェロントロジー推進室兼任

松澤 登 (まつざわ のぼる)

研究・専門分野
一般法務、企業法務、保険法・保険業法

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【サブリース事業規制の導入-「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」の制定】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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