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- 改正債権法の解説(5)-サブリースってどうなの?
2019年12月02日
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■要旨
サブリース契約は遊休地の活用を通じて、老後の収入の確保のために行われることが多い。しかし、不動産に詳しくない人が家主となり、サブリース会社に建物を貸し付けることとなるため、事前の知識武装が必要である。
サブリースでは実際の入居者からサブリース会社が賃料を受け取り、一定の利益を差し引いたものを家主に支払うものである。空室リスクはサブリース会社が負い、入居者の有無に関わらず家主には一定の年数、定額の賃料が保証される。
他方、周辺の賃料水準が低下したり、建物の経年劣化に伴い賃料が低下したりすれば、サブリース会社から賃料減額の請求を受けることがある。また、空室が続くような場合には契約の終了を求められるおそれもある。
今回の債権法改正により、家主と入居者との関係が明確化されているので、サブリースを検討している人は確認しておくことが望ましい。また、サブリースを行うことは保険や投資信託における顧客や消費者という位置づけになるのではなく、ビジネスの事業主体となることを理解しておく必要がある。
■目次
1――はじめに
2――サブリースの法律関係
1|サブリースとは
2|家主‐サブリース会社間の契約の特徴
3|サブリース会社‐借家人間の契約の特徴
3――改正債権法における規律
1|転貸の効果の明確化
2|敷金の明確化
3|賃借物の滅失時の取扱の明確化
4|修繕費用の分担・原状回復義務費用負担の明確化
4――おわりに
サブリース契約は遊休地の活用を通じて、老後の収入の確保のために行われることが多い。しかし、不動産に詳しくない人が家主となり、サブリース会社に建物を貸し付けることとなるため、事前の知識武装が必要である。
サブリースでは実際の入居者からサブリース会社が賃料を受け取り、一定の利益を差し引いたものを家主に支払うものである。空室リスクはサブリース会社が負い、入居者の有無に関わらず家主には一定の年数、定額の賃料が保証される。
他方、周辺の賃料水準が低下したり、建物の経年劣化に伴い賃料が低下したりすれば、サブリース会社から賃料減額の請求を受けることがある。また、空室が続くような場合には契約の終了を求められるおそれもある。
今回の債権法改正により、家主と入居者との関係が明確化されているので、サブリースを検討している人は確認しておくことが望ましい。また、サブリースを行うことは保険や投資信託における顧客や消費者という位置づけになるのではなく、ビジネスの事業主体となることを理解しておく必要がある。
■目次
1――はじめに
2――サブリースの法律関係
1|サブリースとは
2|家主‐サブリース会社間の契約の特徴
3|サブリース会社‐借家人間の契約の特徴
3――改正債権法における規律
1|転貸の効果の明確化
2|敷金の明確化
3|賃借物の滅失時の取扱の明確化
4|修繕費用の分担・原状回復義務費用負担の明確化
4――おわりに
(2019年12月02日「基礎研レター」)
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03-3512-1866
経歴
- 【職歴】
1985年 日本生命保険相互会社入社
2014年 ニッセイ基礎研究所 内部監査室長兼システム部長
2015年4月 生活研究部部長兼システム部長
2018年4月 取締役保険研究部研究理事
2021年4月 常務取締役保険研究部研究理事
2024年4月 専務取締役保険研究部研究理事
2025年4月 取締役保険研究部研究理事
2025年7月より現職
【加入団体等】
東京大学法学部(学士)、ハーバードロースクール(LLM:修士)
東京大学経済学部非常勤講師(2022年度・2023年度)
大阪経済大学非常勤講師(2018年度~2022年度)
金融審議会専門委員(2004年7月~2008年7月)
日本保険学会理事、生命保険経営学会常務理事 等
【著書】
『はじめて学ぶ少額短期保険』
出版社:保険毎日新聞社
発行年月:2024年02月
『Q&Aで読み解く保険業法』
出版社:保険毎日新聞社
発行年月:2022年07月
『はじめて学ぶ生命保険』
出版社:保険毎日新聞社
発行年月:2021年05月
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