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新型コロナ禍と米国個人年金販売-パンデミックからの回復には時間がかかるとの慎重な見方-
松岡 博司
いまだコロナ禍中ではあるものの、米国における個人生命保険の販売業績は、なんとか持ち直し平常運転に戻ったように見える。
しかし、米国生保最大の収益源である個人年金ビジネスでは、パンデミックのインパクトからの回復に時間がかかっている。
米国生保の2020年第3四半期の個人年金販売業績は、パンデミックの影響で大きく落ち込んだ第2四半期からはかなり回復したが、2019年同期対比でのマイナス基調が続いている。
リムラ安全退職研究所(SRI)のリサーチディレクターは、第3四半期業績について、「保険会社、販売会社は、パンデミックやソーシャルディスタンシングによって生じた業務上の障害をおおむね克服し、大半の商品ラインの販売額が第2四半期と比較して改善した」としながら、「しかし、超低金利と市場の不透明感が続いているため、多くの投資家が模様眺めの状況にあり、個人年金市場は2019年の販売水準を下回っている」と述べている。
SRIは、個人年金販売の回復見通しについては、かなり慎重なスタンスを採っており、2022年になるまで、個人年金販売業績の2019年水準までの回復は達成されないと予測している。
個人年金に関しては、コロナ禍に伴うロックダウンやリモートの定着といった特有の問題だけでなく、コロナ禍を契機に強まった低金利状況の継続、景気の後退、雇用情勢の悪化、株式市場における変動性といった経済金融面の影響が強く意識されている。
■目次
はじめに
1――最近の個人年金の販売業績動向
2020年第2四半期の販売状況
2020年第3四半期の販売状況
2――慎重な回復予想
2020年の販売動向予想
2000年~2022年の販売予想
さいごに
松岡 博司
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