2020年09月09日

米国経済の見通し-景気回復への転換は早かったものの、景気回復の持続には早期の追加経済対策が不可欠

経済研究部 主任研究員   窪谷 浩

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■要旨
 
  1. 米国の4-6月期の実質GDP成長率(前期比年率)は新型コロナの影響で▲31.7%(前期:▲5.0%)と、2期連続のマイナス成長となったほか、記録が残る1947年以来最大の落ち込みとなった。
     
  2. もっとも、米国経済は早くも5月に底打ちした可能性が高い。これは経済活動が段階的に再開されたことに加え、春先に実施された金融緩和策、経済対策の効果とみられる。
     
  3. 一方、依然新型コロナの感染終息の目途が立たない中、景気回復ペースは緩やかに留まっており、経済対策の期限切れに伴う政策効果の剥落が懸念されている。景気回復を確かなものにするには追加経済対策が不可欠である。
     
  4. 米経済見通しは、新型コロナの感染動向や感染・経済対策の動向に大きく左右されるため非常に不透明。当研究所は段階的に経済活動が再開されるほか、追加経済対策が実施される前提で20年の成長率は前年比▲4.3%、21年は+3.7%を予想する。
     
  5. 金融政策は、インフレや雇用の政策目標達成時期が見通せないほか、金融政策の枠組み変更により、暫くは物価目標(2%)を上回るインフレ率が許容されることから、実質ゼロ金利政策の長期化が見込まれる。
     
  6. 上記見通しに対するリスクは新型コロナに加えて、米国内政治の混乱。11月の大統領選挙が接戦となり、大統領の当選者が長期に亘って確定しない状況となる場合には政治的な機能不全から米経済には悪影響となろう。
(図表1)米国の実質GDP成長率(寄与度)
■目次

1.経済概況・見通し
  ・(経済概況)4‐6月期の成長率は47年の統計開始以来最大の落ち込み
  ・(経済見通し)20年は前年比▲4.3%、21年は+3.7%を予想
2.実体経済の動向
  ・(労働市場、個人消費)労働市場の回復ペースは緩やか
  ・(設備投資)GDPにおける設備投資は7-9月期にプラス成長へ
  ・(住宅投資)住宅ローン金利の低下が追い風
  ・(政府支出、債務残高)経済対策で財政状況は大幅悪化も、求められる追加経済対策
  ・(貿易)新型コロナの影響で輸出入は急減、来年以降の通商政策に注目
3.物価・金融政策・長期金利の動向
  ・(物価)消費者物価(前年比)は5~6月に底打ちも、物価上昇圧力は限定的
  ・(金融政策)金融政策の枠組み変更で実質ゼロ金利政策は長期化
  ・(長期金利)20年末0.8%、21年末1.0%を予想
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経済研究部   主任研究員

窪谷 浩 (くぼたに ひろし)

研究・専門分野
米国経済

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