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2018年10月30日
1―「運動不足」が最大の健康課題である
特に、40歳以上の男性と20~50歳代の女性では半数以上が「運動不足」であると回答している。18項目の選択肢には、食生活に関する項目、睡眠に関する項目、忙しさやストレスに関する項目も入れており、人々の運動への期待の高さが覗える。
1 「健康に関する調査」2014 年9月実施。対象は、20~69 歳の男女個人(学生を除く)を対象としたインターネット調査。有効回答数 3000 サンプル。
1 「健康に関する調査」2014 年9月実施。対象は、20~69 歳の男女個人(学生を除く)を対象としたインターネット調査。有効回答数 3000 サンプル。
2―運動によってBMIが改善する可能性
運動の効果の1事例として、BMIが25~30(肥満度1)の40~50歳代男性の、運動実施によるBMIの改善可能性を紹介する2。
2 詳細は、拙稿「まずは3年間運動をしてみる~中高年男性の運動実施率とBMIの5年観察(2016年9月)」をご参照ください。
2 詳細は、拙稿「まずは3年間運動をしてみる~中高年男性の運動実施率とBMIの5年観察(2016年9月)」をご参照ください。
1|40歳以上男性の3割程度が「肥満」
BMIとは、(体重[kg]/身長[m]の二乗)で計算する指標で、18.5~25が普通体重、25~30が肥満1度、30~40が肥満2度、40以上が肥満3度とされている。
厚生労働省の「2016年国民健康・栄養調査」によると、性・年齢別の「肥満」の割合は、男性は20歳以降年齢とともに高くなり、50歳代をピークとして以降は低下する(図表2)。40~60歳代男性全体の3割弱が肥満である。一方、女性は、60歳代でもっとも多いが2割である。
肥満の程度別にみると、男女ともBMIが30以上の「肥満2度以上」の割合は1割未満にとどまり、肥満の多くがBMIが25以上30未満の「肥満1度」である。この「肥満1度」は、中高年男性に多いことが特徴的だ。
BMIとは、(体重[kg]/身長[m]の二乗)で計算する指標で、18.5~25が普通体重、25~30が肥満1度、30~40が肥満2度、40以上が肥満3度とされている。
厚生労働省の「2016年国民健康・栄養調査」によると、性・年齢別の「肥満」の割合は、男性は20歳以降年齢とともに高くなり、50歳代をピークとして以降は低下する(図表2)。40~60歳代男性全体の3割弱が肥満である。一方、女性は、60歳代でもっとも多いが2割である。
肥満の程度別にみると、男女ともBMIが30以上の「肥満2度以上」の割合は1割未満にとどまり、肥満の多くがBMIが25以上30未満の「肥満1度」である。この「肥満1度」は、中高年男性に多いことが特徴的だ。
2|BMI改善者は、5年間で運動実施率が上昇
分析に使用したデータは、(株)日本医療データセンターによる健康診断データベースである。2010~2014年の5年間にわたって、1つの健康保険組合に在籍し、かつ年1回以上健康診断を受けている40~50歳代の男性27,434人のうち、1年目に肥満1度だった7,081人(全体の25.8%)の1~5年目の健康診断と問診票を使った。
分析に使用したデータは、(株)日本医療データセンターによる健康診断データベースである。2010~2014年の5年間にわたって、1つの健康保険組合に在籍し、かつ年1回以上健康診断を受けている40~50歳代の男性27,434人のうち、1年目に肥満1度だった7,081人(全体の25.8%)の1~5年目の健康診断と問診票を使った。
1年目に「肥満1度」だった対象者の5年後のBMIは、76.5%が「肥満1度」で変化なし、18.1%が「普通体重」に改善、5.3%が「肥満2度」に悪化していた。そこで、「改善(普通体重)」「変化なし(肥満1度)」「悪化(肥満2度)」の3つのグループに分けて、5年間の運動実施状況をみた。運動を実施しているかどうかは、健康診断の問診票の「1日30分以上の汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施している」で判定した。
まず、1年目に運動を実施していた割合は、肥満1度全体で16.3%だった。普通体重者は16.2%(図表略)であり、肥満者が普通体重者と比べて特に運動をしていない訳ではない。
続いて、「改善(普通体重)」「変化なし(肥満1度)」「悪化(肥満2度)」の5年間の運動実施率の推移をみると、2010 年時点での運動実施率は、順に15.6%、15.8%、18.7%と大きな差はない(図表3)。ところが、「改善(普通体重)」の運動実施率は年々上昇し、5年後には 27.3%と10ポイント以上あがっていたのに対し、「変化なし(肥満1度)」は横ばい、「悪化(肥満2度)」は低下していた。BMI改善者は、変化なしや悪化とは異なり、運動実施率が高くなる傾向があった。
まず、1年目に運動を実施していた割合は、肥満1度全体で16.3%だった。普通体重者は16.2%(図表略)であり、肥満者が普通体重者と比べて特に運動をしていない訳ではない。
続いて、「改善(普通体重)」「変化なし(肥満1度)」「悪化(肥満2度)」の5年間の運動実施率の推移をみると、2010 年時点での運動実施率は、順に15.6%、15.8%、18.7%と大きな差はない(図表3)。ところが、「改善(普通体重)」の運動実施率は年々上昇し、5年後には 27.3%と10ポイント以上あがっていたのに対し、「変化なし(肥満1度)」は横ばい、「悪化(肥満2度)」は低下していた。BMI改善者は、変化なしや悪化とは異なり、運動実施率が高くなる傾向があった。
3―実際の運動習慣
しかし、性年代別に時系列でみると、運動習慣がある者の割合は男女とも 60 歳以上で増加傾向があるものの 60 歳未満ではどちらかと言えば低下傾向である。
60歳未満では、特に男性で肥満予防のための運動への関心が高いと思われる。本稿で紹介したとおり、BMI改善者は、5年間で運動実施率が高くなっており、運動によってBMIが改善する可能性がある。
文部科学省の「体力・スポーツに関する世論調査」によると、運動をしない最も大きな理由として「時間がない」があがっている。今回扱った 40~50 歳代男性も、時間が多くは取れない年代かもしれない。例えば、週末に1回、平日少し早めに帰れる日にもう1回、時間を作ってみてはどうだろうか。
60歳未満では、特に男性で肥満予防のための運動への関心が高いと思われる。本稿で紹介したとおり、BMI改善者は、5年間で運動実施率が高くなっており、運動によってBMIが改善する可能性がある。
文部科学省の「体力・スポーツに関する世論調査」によると、運動をしない最も大きな理由として「時間がない」があがっている。今回扱った 40~50 歳代男性も、時間が多くは取れない年代かもしれない。例えば、週末に1回、平日少し早めに帰れる日にもう1回、時間を作ってみてはどうだろうか。
(2018年10月30日「ニッセイ景況アンケート」)
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経歴
- 【職歴】
2003年 ニッセイ基礎研究所入社
村松 容子のレポート
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