2014年05月30日

中国経済見通し~鉄道建設など一連の対策で景気減速は止まるのか?

経済研究部 上席研究員   三尾 幸吉郎

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  1. 中国の経済成長率は、2014年1-3月期に前年同期比7.4%増と2四半期連続で前四半期の伸びを下回り、前期比では1.4%増(年率換算すれば5%台後半)という極めて低い伸びに留まった。但し、工業生産など4月の生産(供給)面の経済指標は1-3月期よりやや上向いている。
  2. 4月の輸出は前年同月比0.9%増と1-3月期(同3.4%減)から若干のプラスに転じた。今後の輸出は、欧米経済の回復や人民元安が追い風となって伸びは高まるものの、新規輸出受注が停滞するなど力強さには欠けるため、回復ピッチは緩やかなものに留まるだろう。
  3. 個人消費の代表指標である小売売上高は、4月は前年同月比11.9%増と1-3月期(同12.0%増)を若干下回った。今後の個人消費は、一人あたり可処分所得が成長率を上回る伸びを示しており、自動車など耐久消費財に対する購買意欲も高いことから、底堅く推移すると思われる。
  4. 投資の代表指標である固定資産投資は、4月は前年同月比16.4%増と1-3月期の前年同期比17.6%増を大きく下回った。今後の投資は、消費サービス関連は高い伸びを維持するものの、過剰生産設備を抱える製造業は長期的な減速トレンドにあり、住宅投資は落ち込む可能性が高く、インフラ関連も財源難でやや減速することから、投資の伸び鈍化は避けられないだろう。
  5. 従って、中国の経済成長率は今後も緩やかに減速し、2014年は前年比7.4%増、2015年は同7.2%増、2016年は同7.0%増と予想している(下左表)。但し、4-6月期の成長率は、欧米向け輸出の回復を受けて工業生産が上向いたことから1-3月期をやや上回る可能性がある。
  6. 景気が下ぶれするリスクとしては不動産投資が想定以上に落ち込むことが挙げられる。株価はやや持ち直したものの、住宅市場では価格が下落する都市が増えてきており(下右図)、リスクは依然として高い。当面は下方リスクに留意が必要な局面が続くと見られる。
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経済研究部   上席研究員

三尾 幸吉郎 (みお こうきちろう)

研究・専門分野
中国経済

(2014年05月30日「Weekly エコノミスト・レター」)

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