2008年08月29日

景気後退の深さをどう見るか

経済研究部 経済調査室長   斎藤 太郎

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  1. 2002年1月を底とした戦後最長の景気回復局面が終了したことがほぼ確実となり、市場の関心は景気後退の深さ、景気底打ちの時期に移っている。
  2. 日本経済の重石となっていた過剰問題(債務、雇用、設備)が解消されているため、今回の景気後退が深刻なものになるとの見方は少ない。2008年度の実質GDP成長率予測の民間機関の平均は0.7%程度(当研究所の予測は0.6%)で、マイナス成長にまで落ち込んだ過去3回の景気後退期に比べれば調整は軽微にとどまると見られている。
  3. ただし、過去を振り返ってみると、景気後退局面入りした時点では過剰感がなくても、その後の需要減退に伴い過剰感が急速に高まることも多い。
  4. 景気後退が予想以上に深いものとなる最大のリスク要因は、米国をはじめとした海外経済の減速が想定以上のものとなることである。物価高による実質所得の減少から個人消費が一段と落ち込むことも下振れリスクのひとつと考えられる。
  5. 日銀短観の需給判断DIは、景気後退局面では企業の予測を実績が下回る傾向があるが、現時点ではそのような動きは見られず、需要の停滞は国内、海外ともに企業の想定の範囲内におさまっていると考えられる。景気後退の深さを占う上では、需要の落ち込みが企業の想定以上のペースで進むかどうかが注目される。
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経済研究部   経済調査室長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

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