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- 企業物価指数(2021年8月)―上昇率は高水準も、前月から0.1ポイント縮小
1.上昇率は前月から0.1ポイント縮小
世界経済の回復に伴い国際商品市況が堅調に推移していることを背景に国内企業物価上昇率は高水準で推移しているが、伸びは前月から0.1ポイント縮小した。内訳をみると、原油価格の上昇が一服したことを受けて、石油・石炭製品の伸びが前年比31.5%と前月(同38.7%)から鈍化した。また、銅の国際価格が頭打ちとなっていることを背景に、非鉄金属の伸び(7月:前年比32.4%→8月:同28.1%)も鈍化した。
国内企業物価は前月比では0.0%と前月から横ばいとなった。前月比で内訳をみると、木材価格の高騰を受けて木材・木製品が前月比5.2%(7月:同7.8%)と前月に続き高い伸びとなったほか、世界経済の回復を背景に鉄鋼が前月比1.0%(7月:同1.8%)と11ヵ月連続のプラスとなった。一方、ガソリン(7月:前月比2.1%→8月:同▲1.5%)、灯油(7月:前月比4.1%→8月:同▲2.4%)、軽油(7月:前月比3.8%→8月:同▲2.3%)などが下落に転じたことなどから、石油・石炭製品が前月比▲1.0%(7月:同4.2%)と9ヵ月ぶりのマイナスとなった。また、非鉄金属が前月比▲0.6%(7月:同▲0.2%)と3ヵ月連続のマイナスとなったほか、農林水産物が同▲1.5%(7月:同▲0.3%)の下落となった。
2.輸入物価(前月比)は10ヵ月連続のプラス
3.川上から川下への価格転嫁が緩やかに進む
また、消費者物価(生鮮食品を除く総合)と関連性の高い消費財は前年比3.0%(7月:同3.4%)と高い伸びとなっている(前々年比では0.9%)。
原油価格の上昇が一服していることなどから、先行きの国内企業物価は前月比では0%近傍の伸びとなることが見込まれる一方で、前年の裏が出るため、前年比でみると9月以降も高い伸びが継続するだろう。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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藤原 光汰
研究・専門分野
(2021年09月13日「経済・金融フラッシュ」)
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