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気候指数 2024年データへの更新-日本の気候の極端さは1971年以降の最高水準を大幅に更新

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也
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5――おわりに (私見)
今後、気候変動問題が保険事業に与える影響をみていくために、気候指数と各種保険事故の発生動向を関連付けるような展開が考えられる。例えば、生命保険事業に関しては、まず、気候指数と死亡率の関係を定式化する。その上で、将来の気候指数の推移に応じて、死亡率がどのように変化し、死亡保険金の支払いがどのような影響を受けるか、といったシナリオを作成することが挙げられる。
地球温暖化を背景とした気候変動の問題は、これからますます注目度が高まるものと考えられる。スーパー台風の襲来や、豪雨、豪雪による激甚災害など、急性リスクの懸念はさらに高まっている。一方、南極やグリーンランドの氷床の融解、アフリカ山岳地域等の氷河の消失、ヨーロッパなどでの熱波や干ばつの発生など、慢性リスクの発現が、人々の生活に深刻な影響を及ぼし始めている。
こうしたリスクを定量的に示すために、引き続き、気候指数の検討および更新を進めるとともに、気候の極端さの定量化に関する海外の調査・研究動向のウォッチを続けていくこととしたい。
《 注記 》気候指数計算に用いた気象データ、潮位データについて
本稿において、気候指数の計算にあたり、データが空欄となっている日や月については、計算上、分子・分母から除外した。
なお、気象データのうち、観測地点によっては観測方法の変更(観測場所の移転、観測装置の変更、観測の時間間隔の変更)により、前後のデータが均質でないケースがある。
気象データで1971~2024年期間にデータが空欄となっていた日数、および観測方法の変更が行われた年をまとめると、図表18の通りとなる。
また、潮位データのうち、観測地点によっては、気候指数の参照期間(1971~2000年)中に観測が開始されているケースもある。
潮位データで1971~2024年の期間にデータが空欄となっていた月数をまとめると、図表19の通りとなる。
(2025年05月27日「基礎研レポート」)
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保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員
篠原 拓也 (しのはら たくや)
研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務
03-3512-1823
- 【職歴】
1992年 日本生命保険相互会社入社
2014年 ニッセイ基礎研究所へ
【加入団体等】
・日本アクチュアリー会 正会員
篠原 拓也のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/05/27 | 気候指数 2024年データへの更新-日本の気候の極端さは1971年以降の最高水準を大幅に更新 | 篠原 拓也 | 基礎研レポート |
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