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気候指数 2023年データへの更新-日本の気候の極端さは、1971年以降の最高水準を更新

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也
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これまでに、2022年までの気象データと潮位データをもとに、日本全国の気候指数を作成した。その際、北米やオーストラリアのアクチュアリー会における先行事例を参考にしつつ、日本の気候の特徴といえる“暑さ”を表示するために、日本独自の項目として湿度指数も作成した。2022年時点で、日本の気候の極端さは1971年以降の最高水準であったことを定量的に確認した。
今回、2023年のデータを用いて、気候指数の更新を行った。その結果、日本の気候の極端さは昨年を上回り、1971年以降の最高水準を更新したことが明らかとなった。
併せて、2023年の指数の動きを地域区分と月別に見ていった。これにより、(1)2023年は3月、8月、9月に高温の極端さが高まったこと、(2)6月と9月に極端な海面水位の上昇が起こったこと、(3)その結果、3月、6月、8月、9月に気候の極端さが高水準であったことなどを確認した。
今後は、更新後の気候指数を各種予測モデルの作成等に活用することが期待される。
■目次
はじめに
1――気候指数の目的と拡張の方向性
1|気候指数には慢性リスク要因の定量化が求められる
2|地域区分ごとに複数の観測地点を設定して、気候指数を作成
3|“暑さ”をとらえるために、湿度指数も作成
2――観測地点 の振り返り
1|12の地域区分ごとに複数の観測地点を設定
2|奄美については、九州南部と合わせた地域区分も設定
3|気象データの観測地点は気象台等とする
4|潮位データについては歴史的潮位資料が公表されている潮汐観測地点とする
5|観測地点は、全部で175地点 (気象データ154地点、潮位データ57地点)
3――気候指数の作成方法の振り返り
1|地域区分に分けて指数を作成し、その平均から日本全体の指数を作る
2|月ごとと季節ごとの指数を作成する
3|指数はゼロを基準に、プラスとマイナスの乖離度の大きさで表される
4|元データとして気象庁の気象データと潮位データを使用する
5|7つの項目について、指数を作成する
6|合成指数は、高温、降水、湿度、海面水位の4つの指数の平均とする
4――気候指数の計算結果
1|合成指数は、すべての地域区分で昨年に比べて上昇
2|日本全体では合成指数が1971年以降の最高水準を更新
5――おわりに(私見)
《 注記 》気候指数計算に用いた気象データ、潮位データについて
【参考文献・資料】
(著者の過去の関連レポート)
[上記の各レポートの関係と、今回のレポートの位置づけ]
(2024年04月05日「基礎研レポート」)

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員
篠原 拓也 (しのはら たくや)
研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務
03-3512-1823
- 【職歴】
1992年 日本生命保険相互会社入社
2014年 ニッセイ基礎研究所へ
【加入団体等】
・日本アクチュアリー会 正会員
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