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気候変動指数の地点拡大-日本版の気候指数を拡張してみると…

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也
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気候変動問題に対する注目が高まりを見せている。温室効果ガスの排出に伴う地球温暖化により、台風、豪雨、熱波、干ばつなど、地球環境にさまざまな影響がもたらされていることが背景にある。
ただ、その極端さを数量的に把握することは簡単ではない。そこで、気候変動の状況を指数化して、その動きを把握しようとする取り組みが、北米やオーストラリアのアクチュアリーの間で始まっている。ヨーロッパでも、検討が進められている。2022年9月8日の基礎研レポートでは、それらを紹介するとともに、同様の指数の日本版の作成を試みている。
本稿では、その日本版の指数について、観測地点を増やして拡張することに取り組んでみたい。
■目次
はじめに
1――気候指数の目的
1|気候指数には慢性リスク要因の定量化が求められる
2|前回は地域区分の設定は検討課題として残した
3|今回は指数の有用性をみるために観測地点の数を増やす
2――地域区分の設定
1|日本では大きな気候区分の違いをもとに設定することは非現実的
2|地理教科の気候区分は気候指数の地域区分には用いにくい
3|気象庁の気候区分をもとに地域区分を設定
3――観測地点の拡充
1|2つの条件を踏まえて地点を拡大
2|気象庁が採用している観測地点を活用する
3|海面水位指数は気象庁のデータがない地点については作成しない
4――気候指数の動向
1|11都市平均では、合成指数が0.96、高温の指数が1.69まで上昇
2|15地点平均では、合成指数が0.97、高温の指数が1.44まで上昇
3|高温の指数の差はヒートアイランド現象の影響?
5――おわりに (私見)
(参考) 11都市と15地点の気候指数の推移
1|11都市では、鹿児島、横浜、大阪の合成指数が高かった
2|15地点では、浜田、境、銚子、石垣島の合成指数が高かった
(2022年12月28日「基礎研レポート」)

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員
篠原 拓也 (しのはら たくや)
研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務
03-3512-1823
- 【職歴】
1992年 日本生命保険相互会社入社
2014年 ニッセイ基礎研究所へ
【加入団体等】
・日本アクチュアリー会 正会員
篠原 拓也のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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