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コラム
2025年05月07日

ドリームジャンボの希望2025-今年はどんな夢を描く?

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也

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今年もゴールデンウィークが終わり、また仕事に精を出さなくてはならないつらい日常が戻ってきた。この時期は、1年で一番憂鬱だという人も多いだろう。体調を崩したり、気持ちが落ち込んだり、という「五月病」を起こす心配もある。これは、新年度から気を張って過ごしていた疲れが連休明けにどっと出て、職場に行く気力が失せてしまうことが原因と言われている。

そんな五月病の症状を和らげるかもしれない宝くじが発売開始となる。5月8日発売開始の「ドリームジャンボ宝くじ」だ。(※) 最高当せん金は、1等前後賞合わせて5億円と高額に設定されている。

その中身を見ながら、今年はどんな夢を描いたらよいか考えてみよう。

(※)「ドリームジャンボ宝くじ」は、今回発売される1等前後賞合わせて5億円の宝くじの名称だが、本稿では、「ドリームジャンボミニ」(または単に「ジャンボミニ」)(後述)も含めた総称として用いる。1等前後賞合わせて5億円の宝くじについては、「ドリームジャンボ」(または単に「ジャンボ」)と呼称する。

◇ 「ドリームジャンボ」と「ドリームジャンボミニ」とも、昨年のものから変更はない

今回発売されるドリームジャンボ宝くじには、他のジャンボ宝くじと同様、「ジャンボ」と「ジャンボミニ」の2つがある。このうち、「1等前後賞合わせて5億円」のうたい文句で発売されるのは、ドリームジャンボだ。この5億円という当せん金は、年末ジャンボ(10億円)、サマージャンボ(7億円)につぐ高額で、ハロウィンジャンボと同じ金額に設定されている。

これに対して、ドリームジャンボミニの当せん金の最高額は、1等前後賞合わせて5000万円に設定されている。

この後、今年のくじの内容について細かく見ていくが、あらかじめ申し上げておくべきことがある。

実は、「ドリームジャンボ、ドリームジャンボミニとも、昨年のものから、当せん金や当せん確率に変更はない」ということだ。これは昨年までの変更により、ドリームジャンボ宝くじとして“完成形”に達したということを意味しているのかもしれない。

◇ 「ドリームジャンボ」は5億円の一攫千金狙い

それでは、まず、ドリームジャンボから見ていこう
ドリームジャンボの概要
ドリームジャンボには、昨年、いくつかの変更が行われた。当せん金1000万円の2等の当せん本数が、一昨年の1ユニット(1000万枚)あたり2本から4本へと倍増。当せん金100万円の3等の当せん本数が、同70本から200本へと2.86倍に増加。当せん金5万円の4等(当せん本数は1ユニットあたり1000本)が新設といった増加があった。一方、当せん金1万円の5等の当せん本数が、同3万本から1万本へと3分の1に減少となった。これらの増減により、組み替えが行われたことになる。

この、「当せん金1000万円の2等と当せん金100万円の3等の当せん本数が大幅に増やされる一方、当せん金1万円の5等の本数が減らされる」という組み替えは、最近、「○○ジャンボ」に共通して見られる動きだ。当せん金100万円以上の高額当せんに重点を移す動きといえるだろう。

それでは、100万円以上の当せん金を当てるには、どれだけくじを買ったらよいか? 計算してみると、100万円以上の賞金が当たる確率は0.00207%なので、この数字の逆数をとることにより、平均的には、4万8310枚のくじを買うと100万円以上の賞が1本当せんするという結果になる。

これだけの枚数のくじを買うと、100万円未満の複数の当せんも期待できる。平均的には、4等4本、5等48本、6等483本、7等4831本の当せんが期待できる。こうした4等から7等の当せんにより、平均的に、当せん金357万8300円が受け取れる。100万円以上の賞の当せんと合わせて、457万8300円以上の当せん金の受け取りが期待できることになる。

ただし、1枚300円のくじを4万8310枚買うためには、1449万3000円が必要となる。たとえ3等100万円が1本当せんして457万8300円の当せん金を受け取ったとしても、991万円以上もの持出しとなってしまう。大量購入を考える場合には、購入額と当せん金の受取額の関係に十分注意しておく必要があるといえるだろう。

このように見ていくと、ドリームジャンボは、「5億円の一攫千金の狙いを中心に据えつつ、当せん金100万円以上の高額当せんも狙いたい」という、一攫千金狙いのくじと位置づけられそうだ。

◇ ミニは、ジャンボと比べると、1等の当せん確率が10倍大きい

つづいて、ドリームジャンボミニを見ていこう。ジャンボと違って、当せん金の最高額は1等前後賞合わせて5000万円にとどまる。だが、その分、1等の当せんの可能性は大きい。
ドリームジャンボミニの概要
ドリームジャンボミニについても、昨年、いくつかの変更が行われた。当せん金、当せん確率、当せん金の期待値の主な変更点をまとめると、次のとおりとなる。当せん金3000万円の1等の当せん本数が、一昨年の1ユニット(1000万枚)あたり4本から10本へと2.5倍に増加。それとともに、1等の前後賞の当せん本数も、同8本から20本へと2.5倍に増加。当せん金100万円の2等の当せん本数が、同100本から300本へと3倍に増加。一方、当せん金1万円の3等の当せん本数が、同6万本から1万本へと6分の1に減少となった。これらの増減により、組み替えが行われたわけだ。

ドリームジャンボとドリームジャンボミニの高額当せんの内容を比較すると、両者の違いが見えてくる。ドリームジャンボミニをドリームジャンボと比べると、1等の当せん確率が10倍大きく、また当せん金100万円の当せん確率が1.5倍大きくなっている。

ドリームジャンボミニは、「5000万円の超高額当せんを中心に据えつつ、当せん金100万円以上の高額当せんも狙いたい」という、超高額当せん狙いのくじと位置づけられるだろう。

◇ 5億円の一攫千金か、5000万円の超高額当せんか

以上のように、今回のドリームジャンボとドリームジャンボミニは、昨年同様、100万円以上の本数が手厚くなっている。両者の違いは、1等の当せん確率にある。

「なにがなんでも5億円の一攫千金を狙いたい」ということであれば、ドリームジャンボがおすすめとなる。1等が当たる確率は1000万枚に1本で、昨年の年末ジャンボの場合 (2000万枚に1本) と比べて2倍に設定されている。

一方、「5000万円の超高額当せんを目指す」ということであれば、ドリームジャンボミニを買うのが理にかなっていると言えるだろう。

宝くじの醍醐味である一攫千金を狙って、ドリームジャンボを買うか。超高額当せんを目指して、ドリームジャンボミニを買うか。それとも、それぞれ何枚かずつ買って、宝くじのポートフォリオを作るか ── 自らの宝くじにかける“想い”を踏まえつつ、じっくり検討してみるべきと言えるだろう。

本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

(2025年05月07日「研究員の眼」)

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保険研究部   主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員

篠原 拓也 (しのはら たくや)

研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務

経歴
  • 【職歴】
     1992年 日本生命保険相互会社入社
     2014年 ニッセイ基礎研究所へ

    【加入団体等】
     ・日本アクチュアリー会 正会員

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