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年末ジャンボ 今年はどう狙う?-3つの高額当せんを踏まえて、くじの買い方を考えてみよう

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也
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今年も最高当せん金は1等前後賞合わせて10億円と超高額だ。現在行われている5つのジャンボ宝くじのなかで、この10億円という最高当せん金は、とび抜けて高い。
現在行われているくじの当せん金の最高額は、スポーツ振興くじ(正式名称は、スポーツ振興投票)のメガビッグでキャリーオーバーがある場合の1等最高12億円だ。だが、キャリーオーバーがない場合には、最高7億円にとどまる。年末ジャンボ宝くじの最高当せん金10億円は、キャリーオーバーがない場合のメガビッグの1等当せん金を上回っている。年末ジャンボ宝くじの発売により、まさに一攫千金のチャンスがおとずれることになる。
それでは、年末ジャンボ宝くじをどう狙うべきか、考えてみることにしよう。
◇ 「年末ジャンボ」と「年末ジャンボミニ」とも、昨年のものから変更はない
今回の宝くじでは、年末ジャンボが“第1031回”、年末ジャンボミニが“第1032回”の全国自治宝くじとして位置づけられている。“1031”、“1032”の数字が、くじの券面の右上側に、緑色の太字で表示されているので、購入の際はよく確認するようにしたい。
この後、今年のくじの内容について細かくみていくが、あらかじめ申し上げておくべきことがある。
実は、「年末ジャンボ、年末ジャンボミニとも、昨年のものから基本的に変更はない」ということだ。
これは昨年の変更により、年末ジャンボ宝くじとして、一種の完成形に達したということなのかもしれない。
それでは、100万円以上の高額当せんを当てるには、どれだけくじを買ったらよいか。計算してみると、100万円以上の賞金が当たる確率は0.002055%なので、この数字の逆数をとることにより、平均的には、4万8662枚のくじを買うと100万円以上の賞が1本当せんするという結果になる。
これだけのくじを買うと、100万円未満の複数の当せんも期待できる。具体的には、4等4本、5等48本、6等486本、7等4866本の当せんが期待できる。こうした4等から7等の当せんにより、平均的に、当せん金359万7800円が受け取れる。100万円以上の賞の当せんと合わせて、459万7800円以上の当せん金の受け取りが期待できることになる。
ただし、1枚300円のくじを4万8662枚買うためには、1459万8600円が必要となる。たとえ3等100万円が1本当せんして459万7800円の当せん金を受け取ったとしても、1000万円以上もの持ち出しとなってしまう。大量購入を考える場合には、購入額と当せん金の受取額の関係に十分注意しておく必要があるといえるだろう。
このようにみていくと、年末ジャンボは、「一攫千金の狙いを中心に据えながら、あわせて当せん金100万円以上の高額当せんも狙いたい」という高額当せんの願いにかなうくじと位置づけられそうだ。
◇ ジャンボには、当せん金1万円受け取りの魅力もある
この5等は、昨年、当せん確率が引き下げられた。だが、それでも当せん確率は0.1%となっている。当せん金1万円の受け取りの魅力も、まだまだ捨てたものではない、と言うことができる。
年末ジャンボでは、平均的にいうと、くじを885枚買ったら、1万円以上の賞が1本当せんすることになる。885枚のくじからは、平均的に、6等8本、7等88本の当せん金(5万400円)の当せんも期待できる。1万円以上の賞の当せんと合わせて、6万400円以上の当せん金の受け取りが期待される。
ただし、くじを885枚買うためには、購入代金として26万5500円が必要となるので、やはり平均的には持ち出しとなる。大量購入を考える際には、購入額と当せん金の受取額の関係に注意が必要ということになる。
◇ ミニは、昨年復活した当せん金1万円の等級が今年も存置された
この結果、10億円の超高額当せんがメインの狙い目であるジャンボとは、対照的なものとなった。実は一昨年、ジャンボミニは、当せん金5万円や1万円の等級をやめて、100万円の当せん金に組み替えられていた。昨年、当せん金1万円の等級が復活し、それが今年も存置された格好となっている。
これにより、当せん金1万円以上の当せん確率は大幅に引き上げられたままとなった。
平均的には、1枚300円のくじを969枚買ったら、1万円以上の賞が1本当せんする計算になる。ジャンボの、「くじを885枚買ったら1万円以上の賞が1本当せんする」という話に比べると、購入するくじの枚数はやや多くなる。
969枚のくじからは、4等9本、5等96本の当せん金(5万5800円)の当せんも期待できる。1万円以上の賞の当せんと合わせて、平均的に、6万5800円以上の当せん金の受け取りが期待される。ただし、くじを969枚買うためには29万700円が必要なので、やはり平均的には持ち出しとなる。大量購入を検討する際には、購入額と当せん金の受取額の関係に注意が必要ということになる。
◇ それでは、ミニの魅力は?
ずばり、1等前後賞合わせて5000万円の当せん確率だ。5000万円といえば、大変な高額といえる。その当せん確率が、昨年、一昨年のものから2.5倍に引き上げられた。今年もそれが維持されている。
ジャンボミニの1等の当せん確率は0.0001%で、これは、ジャンボの1等の当せん確率(0.000005%)の20倍に相当する。大変な高額の当せん金を受け取れる確率が、かなり高い、ということになる。
年末ジャンボミニは、「1等前後賞合わせて5000万円の高額当せんにチャレンジしたい」という希望に沿ったくじと言うことができる。
(2024年11月19日「研究員の眼」)

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員
篠原 拓也 (しのはら たくや)
研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務
03-3512-1823
- 【職歴】
1992年 日本生命保険相互会社入社
2014年 ニッセイ基礎研究所へ
【加入団体等】
・日本アクチュアリー会 正会員
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