コラム
2024年07月08日

サマージャンボ2024の狙い目-ジャンボにもミニにも3年ぶりとなる高額の当せん金が設定された

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也

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今年は、梅雨入りが遅れた。沖縄、奄美、九州、四国の各地域では、6月中旬までに平年より4~13日遅れて梅雨入りした。本州の各地域では、6月下旬(関東甲信では6月21日ごろ)に、平年より8~16日遅れて梅雨入りして、記録的に遅い年となった。沖縄と奄美はすでに梅雨明けしたが、九州以北はまだしばらく梅雨の時期が続く。ただ、それにもかかわらず、7月上旬には各地で、猛暑日(最高気温が35℃以上の日)が続いている。これも、地球温暖化の影響なのだろうか。こうなると、梅雨明け後には、一体どのような暑さが待ち受けているのか、少し心配になってくる。

そんななか、今年も、サマージャンボ宝くじの発売時期がやってきた。

最高当せん金は、1等・前後賞合わせて7億円と、ジャンボ宝くじのなかでは、年末ジャンボに次ぐ高額となっている。今回の宝くじでは、ジャンボもジャンボミニも、高額当せんを手厚くする設定が行われている。昨年からの変更点を見ながら、今年はどう狙うべきか、少し考えてみよう。

◆ サマージャンボは、シンプルに超高額の7億円狙い

サマージャンボ宝くじには、他のジャンボ宝くじと同様、「ジャンボ」と「ジャンボミニ」の2つがある。今回、「1等・前後賞合わせて7億円」のうたい文句で発売されるのは、サマージャンボだ。一方、サマージャンボミニの当せん金は、1等・前後賞合わせて5000万円となっている。この当せん金額は、昨年に比べて2000万円増額となっている。

まず、サマージャンボから見ていこう。

(サマージャンボの主な変更点)
 (1) 2等の当せん金が5万円から100万円に引き上げられた(1ユニット(くじ1000万枚)あたりの当せん本数は100本のまま変わらず)。
(2) 当せん金1万円の3等の当せん本数が昨年の10分の1に減少。
(3) これらの結果、1ユニットあたりの当せん本数は111万202本から110万1202本に減少。
(4) 1枚300円に対する当せん金の期待値は、0.5円増加して141.99円となった。

(1)で2等の当せん金を大幅に引き上げた。一方、(2)で3等の当せん本数を大きく減らした。この結果、(3)のとおり当せん本数は減少となるが、(4)のとおり1枚300円に対する当せん金の期待値は、増加することとなった。

つまり、100万円の高額当せんを増やして、1万円の当せんを減らすという、組み換えが行われている。この組み換えは、昨年の年末ジャンボや、今年のバレンタインジャンボ、ドリームジャンボと同様の動きだ。このところの「○○ジャンボ」のトレンドと見ることができる。最近のジャンボ宝くじは、当せん金100万円以上の高額当せんに重点を移しているといえるだろう。

サマージャンボで当せん金100万円の賞が設定されるのは2021年以来で、3年ぶりとなる。

それでは、100万円以上の当せん金を当てるには、どれだけくじを買ったらよいか? 計算してみると、100万円以上の賞金が当たる確率は0.00103%なので、この数字の逆数をとることにより、平均的には、9万7088枚のくじを買うと100万円以上の賞が1本当せんするという結果になる。

これだけの枚数のくじを買うと、100万円未満の複数の当せんも期待できる。平均的には、3等9本、4等970本、5等9708本の当せんが期待できる。こうした3等から5等の当せんにより、平均的に、当せん金591万2400円が受け取れる。100万円以上の賞の当せんと合わせて、691万2400円以上の当せん金の受け取りが期待できることになる。

ただし、1枚300円のくじを9万7088枚買うためには、2912万6400円が必要となる。たとえ2等100万円が1本当せんして691万2400円の当せん金を受け取ったとしても、2221万円以上もの持出しとなってしまう。大量購入を考える場合には、購入額と当せん金の受取額の関係に十分注意しておく必要があるといえるだろう。

サマージャンボは、「1等前後賞合わせて7億円」の一攫千金を中心に、100万円以上の高額当せんを狙う――「超高額当せんのドキドキ感を楽しむためのくじ」といえるだろう。
サマージャンボ

◆ サマージャンボミニは、1等・前後賞合わせて5000万円の高額の当せん金を設定

いっぽう、サマージャンボミニはどうか。

サマージャンボミニも、昨年のものからいくつか変更が行われている。主な変更点は、つぎの5つにまとめられる。

(サマージャンボミニの主な変更点)
 (1) 1等の当せん金を昨年の2000万円から3000万円に引き上げるとともに、1等の前後賞の当せん金を500万円から1000万円に増額し、1等・前後賞合わせて5000万円とした。
 (2) 当せん金100万円の2等の当せん本数を1ユニット(くじ1000万枚)あたり、昨年の700本から200本に減少させた。
 (3) 当せん金1万円の3等を新設した(1ユニットあたりの当せん本数は1万本)。
 (4) これらの結果、1ユニットあたりの当せん本数は110万712本から111万230本に増加。
(5) 1枚300円に対する当せん金の期待値は、2円減少して140円となった。

つまり、まず(1)で、1等・前後賞合わせて5000万円となる高額の当せん金を設定した。これは、2021年以来で、3年ぶりとなる。一方、(2)で2等の当せん本数を大幅に減らした。(3)で3等を新設したことで、(4)のとおり当せん本数は増加となるが、(5)のとおり1枚300円に対する当せん金の期待値は、減少することとなった。

2等100万円は、昨年、サマージャンボミニの賞として設定したものだ。今年は、当せん本数は減らすが、賞としては残すこととなったものと見ることができる。

これにより、サマージャンボミニで100万円以上の当せん金が当たるくじの本数は、1ユニット(1000万枚)あたり230本となっている。これは、サマージャンボ(同103本)の2倍以上となっている。

サマージャンボミニは、当せん金5000万円の1等・前後賞を狙いつつ、100万円の高額当せんにも軸足を置いた、「高確率で高額当せんのワクワク感を味わうためのくじ」と位置づけられる。
サマージャンボミニ

◆ 2つのくじをもとに、当せんへの期待を膨らませる

今回のサマージャンボ宝くじは、「超高額当せんのドキドキ感を楽しむためのくじ」(=サマージャンボ)と、「高確率で高額当せんのワクワク感を味わうためのくじ」(=サマージャンボミニ)の2つのくじが発売される。

この「超高額当せんのドキドキ感」と「高確率で高額当せんのワクワク感」をどう組み合わせるか、やり方は人それぞれだ。

―「サマージャンボで、7億円の大きな夢を見るか?」
―「サマージャンボミニで、100万円以上の高額当せんを狙うか?」
―「ジャンボとジャンボミニのくじをどう組み合わせて、何枚ずつ買うことにするか?」

いろいろ考えているうちに、ドキドキ感やワクワク感を味わうことができれば、幸せな時間を過ごすことができる。この段階で、すでに宝くじを堪能することができたといえるかもしれない。

今回のサマージャンボ宝くじの発売期間は7月8日(月)から8月8日(木)までで、抽せんは8月23日(金)に行われる。購入を考えるための時間はたっぷりある。夏本番となる時期を前に、夏の楽しみの1つとして、宝くじを考えてみるのもよいと思われるが、いかがだろうか。

(本稿をまとめるにあたり、参照したWebサイト)
「宝くじ公式サイト」(全国都道府県及び全指定都市)
 https://www.takarakuji-official.jp/

 

(2024年07月08日「研究員の眼」)

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保険研究部   主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員

篠原 拓也 (しのはら たくや)

研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務

経歴
  • 【職歴】
     1992年 日本生命保険相互会社入社
     2014年 ニッセイ基礎研究所へ

    【加入団体等】
     ・日本アクチュアリー会 正会員

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