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年末ジャンボ 今年の狙い目は?-高額当せんを3つに分けて考えてみよう

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也
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今年も最高当せん金は1等前後賞合わせて10億円と超高額だ。現在5つあるジャンボ宝くじのなかで、この最高当せん金は、とび抜けて大きい。
現在までに行われたくじの史上最高額の当せん金は、スポーツ振興くじのメガビッグで、キャリーオーバーがある場合の1等最高12億円だ。だが、キャリーオーバーがない場合には、最高7億円にとどまる。年末ジャンボ宝くじの最高当せん金10億円は、キャリーオーバーがない場合のメガビッグの1等当せん金を上回っている。年末ジャンボ宝くじの発売により、まさに一攫千金のチャンスがおとずれるといえるだろう。
今年も、細かい点で、いろいろと変更されている部分がある。その変更内容をみれば、今回の宝くじの狙い目が見えてくるはずだ。それらをみながら、どう狙うべきか、考えてみることにしよう。
◇ 「年末ジャンボ」と「年末ジャンボミニ」の2本立てで発売
今回の宝くじでは、年末ジャンボが“第984回”、年末ジャンボミニが“第985回”の全国自治宝くじとして位置づけられている。“第984回”、“第985回”の数字が、くじの券面の右上側に、緑色の太字で表示されているので、購入する際にはよく確認するようにしたい。
◇ ジャンボは、1000万円や100万円の高額当せんに大きくシフト
年末ジャンボは、1等、1等の前後賞、1等の組違い賞については、昨年と全く同じ内容となっている。一方、2等以下については、昨年のものから、かなり大幅な変更が行われている。
(年末ジャンボの主な変更点)
(1) 当せん金1000万円の2等の当せん本数が、昨年の1ユニット(2000万枚)あたり4本から、今年は8本へと倍増
(2) 当せん金100万円の3等の当せん本数が、昨年の1ユニットあたり40本から、今年は400本へと10倍に増加
(3) 当せん金1万円の5等の当せん本数が、昨年の1ユニットあたり6万本から、今年は2万本へと3分の1に減少
(1枚300円に対する当せん金の平均受取額は、149.995円のまま変わらず)
それでは、100万円以上の当せん金を当てるには、どれだけくじを買ったらよいか。計算してみると、100万円以上の賞金が当たる確率は0.002055%なので、この数字の逆数をとることにより、平均的には、4万8662枚のくじを買うと100万円以上の賞が1本当せんするという結果になる。
これだけのくじを買うと、100万円未満の複数の当せんも期待できる。平均的には、4等4本、5等48本、6等486本、7等4866本の当せんが期待できる。こうした4等から7等の当せんにより、平均的に、当せん金359万7800円が受け取れる。100万円以上の賞の当せんと合わせて、459万7800円以上の当せん金の受け取りが期待できることになる。
ただし、1枚300円のくじを4万8662枚買うためには、1459万8600円が必要となる。たとえ3等100万円が1本当せんして459万7800円の当せん金を受け取ったとしても、1000万円以上もの持ち出しとなってしまう。大量購入を考える場合には、購入額と当せん金の受取額の関係に十分注意しておく必要があるといえるだろう。
このように、いろいろみていくと、年末ジャンボは、「一攫千金の狙いを中心に据えながら、あわせて当せん金100万円以上の高額当せんも狙いたい」という高額当せんの願いにかなうくじと位置づけられそうだ。
◇ ジャンボには、当せん金1万円受け取りの魅力も残っている
(3)で、昨年のものから3分の1に減少したなどというと、随分と減った印象があるかもしれない。だが、冷静に考えてみれば、それでも1ユニット(2000万枚)あたり当せん本数は2万本もある。当せん金1万円の受け取りの魅力も、まだまだ捨てたものではないということができる。
年末ジャンボでは、平均的にいうと、くじを885枚買ったら、1万円以上の賞が1本当せんすることになる。885枚のくじからは、平均的に、6等8本、7等88本の当せん金(5万400円)の当せんも期待できる。1万円以上の賞の当せんと合わせて、6万400円以上の当せん金の受け取りが期待される。
ただし、くじを885枚買うためには、購入代金として26万5500円が必要となるので、やはり平均的には持ち出しとなる。
◇ ミニは、1等の当せんと3等1万円の当せんにシフト
ジャンボと違って、ジャンボミニの当せん金の最高額は、1等前後賞合わせて5000万円にとどまる。
この年末ジャンボミニに対しても、昨年のものからいくつかの変更が行われている。
(年末ジャンボミニの主な変更点)
(1) 当せん金3000万円の1等の当せん本数が、昨年の1ユニット(1000万枚)あたり4本から、今年は10本へと2.5倍に増加
(2) それとともに、当せん金1000万円の1等の前後賞の当せん本数も、昨年の1ユニットあたり8本から、今年は20本へと2.5倍に増加
(3) 当せん金100万円の2等の当せん本数が、昨年の1ユニットあたり700本から、今年は300本へと半減以下に減少
(4) 当せん金1万円の3等が新設されて、当せん本数は1ユニットあたり1万本とされた
(1枚300円に対する当せん金の平均受取額は、150円のまま変わらず)
これは、100万円の高額当せんを増やしたジャンボとは、対照的な変更といえる。じつは、昨年、ジャンボミニは、当せん金5万円や1万円の等級をやめて、100万円の当せん金に組み替えられていた。今年は、一昨年までの姿に戻って、当せん金1万円の等級が復活した格好となっている。
これにより、1ユニット(1000万枚)あたり、1万円以上が当たるくじの本数は、昨年の712本から、今年は1万330本へと大幅に増加する。
平均的には、1枚300円のくじを969枚買ったら、1万円以上の賞が1本当せんする計算になる。ジャンボの、「くじを885枚買ったら1万円以上の賞が1本当せんする」という話に比べると、購入するくじの枚数はやや多くなる。
969枚のくじからは、平均的に、4等9本、5等96本の当せん金(5万5800円)の当せんも期待できる。1万円以上の賞の当せんと合わせて、6万5800円以上の当せん金の受け取りが期待される。ただし、くじを969枚買うためには29万700円が必要なので、やはり平均的には持ち出しとなる。
(2023年11月20日「研究員の眼」)

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員
篠原 拓也 (しのはら たくや)
研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務
03-3512-1823
- 【職歴】
1992年 日本生命保険相互会社入社
2014年 ニッセイ基礎研究所へ
【加入団体等】
・日本アクチュアリー会 正会員
篠原 拓也のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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