コラム
2023年05月01日

ドリームジャンボの期待2023-当せんへの期待をどう膨らませるか?

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也

このレポートの関連カテゴリ

文字サイズ

新型コロナは、感染症法上の位置づけが、5月8日に季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行することが正式に決まった。政府の水際対策終了後、初めてのゴールデンウィークが始まっており、観光地では旅行客の賑わいが戻っている。

そんな中、今年も5月から6月にかけて、ドリームジャンボ宝くじが発売される。最高当せん金は、1等前後賞合わせて5億円と高額だ。

実は、今回の宝くじは、当せん金や当せん確率など、基本的な内容が昨年のものと同じとなっている。その内容を確認しながら、今回はどう狙ったらよいか、考えてみよう。

◆ ドリームジャンボは、100万円以上の当せん確率が年末ジャンボの約3.2倍、バレンタインジャンボの約1.1倍

ドリームジャンボ宝くじには、他のジャンボ宝くじと同様、「ジャンボ」と「ジャンボミニ」の2つがある。今回、「1等前後賞合わせて5億円」のうたい文句で発売されるのは、ドリームジャンボだ。これに対して、ドリームジャンボミニの当せん金の最高額は、1等前後賞合わせて5000万円となっている。

それでは、まず、ドリームジャンボについて詳しく見てみよう。当せん金、当せん確率、平均受取額をまとめると、次の表のとおりとなる。
ドリームジャンボの当せん金、当せん確率、平均受取額
このうち、もっとも注目すべきは、1等、1等の前後賞、2等、3等の4つからなる、100万円以上の当せん金が受け取れる確率を合わせると、0.00075%と、かなり高い点だ。昨年末に発売された年末ジャンボ宝くじでは、この確率が0.000235%だった。今年2~3月に発売されたバレンタインジャンボでは、0.00066%だった。

ドリームジャンボは、100万円以上の当せん確率が年末ジャンボの約3.2倍、バレンタインジャンボの約1.1倍に引き上げられていることになる。

ドリームジャンボは「1等前後賞合わせて5億円」を中心に、100万円以上の高額当せんを狙うための宝くじ、と位置づけられる。

◆ ミニは、1万円以上の当せん確率が年末ジャンボミニの約84倍、バレンタインジャンボミニの約1.4倍

いっぽう、ドリームジャンボミニはどうか。ドリームジャンボと違って、当せん金の最高額は1等前後賞合わせて5000万円にとどまるが、その分、2等以下の当せんの可能性は大きい。

ドリームジャンボミニについて、当せん金、当せん確率、平均受取額をまとめると、次の表のとおりとなる。
ドリームジャンボミニの当せん金、当せん確率、平均受取額
このうち、もっとも注目すべきは、3等1万円の当せん確率が0.6%と、かなり高い点だ。昨年の年末ジャンボミニには当せん金1万円の等級がなかった。今年2~3月に発売されたバレンタインジャンボミニでは、当せん金1万円を受け取れる確率は0.4%だった。これらと比べると、今回のドリームジャンボミニは、かなり高い水準に設定されているといえるだろう。

その結果、1万円以上の当せん金が受け取れる確率は、昨年の年末ジャンボミニの0.00712%、今年2~3月のバレンタインジャンボミニの0.42115%から、今回のドリームジャンボミニでは0.60112%へと大幅に引き上げられている。年末ジャンボミニの約84倍、バレンタインジャンボミニの約1.4倍という高さだ。

ドリームジャンボミニで1万円以上の当せん金が受け取れる確率は、ドリームジャンボの0.30174%と比べても、約2倍の高さとなっている。

誰でも、1枚300円のくじを買って1万円以上の当せん金が当たれば嬉しいはずだ。この嬉しさを多くの人に味わってもらう―それが、今回のドリームジャンボミニの特徴といえる。

平均的には、くじを167枚買えば、1万円以上の当せんが1本出る確率だ。ただし、167枚買うには、5万100円が必要なため、1万円が1本当たるだけでは持ち出しになってしまう。この点には、注意が必要だ。

ドリームジャンボミニは「1等前後賞合わせて5000万円」の高額当せんを視野に入れつつ、1万円以上の当せんに焦点を合わせた宝くじ、と位置づけられる。

◆ 2つのくじをもとに、当せんへの期待を膨らませる

宝くじを買うときには、「高額当せん」と、「高確率当せん」という、2種類のワクワク感があるはずだ。

もちろん、高額当せんの夢をとるか、高確率当せんの望みを重視するか、は人それぞれだ。

そこで、自分がどんな夢を見たいのかをよく考えて、ドリームジャンボとドリームジャンボミニの買い分けを検討してみる。宝くじにどんな希望を抱くのか、を考えてみるわけだ。

―「5億円もの当せん金が当たったら、当せん金は何に使おうか?」
―「1万円の当せん金が当たったら、購入額の何倍のもうけになるか?」
―「ジャンボとジャンボミニのくじを何枚ずつ買って、2つのワクワク感を味わうことにしようか?」

こんな感じで、いろいろ考えることで、当せんへの期待を膨らませることができれば、幸せな時間を過ごすことができる。この段階で、すでに宝くじを買う効用を味わっているといえるかもしれない。
 
今回のドリームジャンボ宝くじの発売期間は、5月2日(火)から6月2日(金)まで。抽せん日は、6月14日(水)とされている。これから考える時間はたっぷりある。

宝くじを買うことで、非日常のワクワク感を味わってみるのもよいと思われるが、いかがだろうか。

(本稿をまとめるにあたり、参照したWebサイト)
「宝くじ公式サイト」(全国都道府県及び全指定都市)
 https://www.takarakuji-official.jp/
Xでシェアする Facebookでシェアする

このレポートの関連カテゴリ

保険研究部   主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員

篠原 拓也 (しのはら たくや)

研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務

経歴
  • 【職歴】
     1992年 日本生命保険相互会社入社
     2014年 ニッセイ基礎研究所へ

    【加入団体等】
     ・日本アクチュアリー会 正会員

(2023年05月01日「研究員の眼」)

公式SNSアカウント

新着レポートを随時お届け!
日々の情報収集にぜひご活用ください。

週間アクセスランキング

レポート紹介

【ドリームジャンボの期待2023-当せんへの期待をどう膨らませるか?】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

ドリームジャンボの期待2023-当せんへの期待をどう膨らませるか?のレポート Topへ