- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 保険 >
- 保険計理 >
- 年末ジャンボ 今年の狙い目は?-ドキドキ感とワクワク感の味わい方
年末ジャンボ 今年の狙い目は?-ドキドキ感とワクワク感の味わい方

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
今年も最高当せん金は1等前後賞合わせて10億円。昨年までと同様の一攫千金のチャンスだ。しかし、細かい点では変更となった部分もある。変更された点をみながら、今年はどう狙うべきか、考えてみよう。
◇ ジャンボは「一攫千金を狙いつつ1万円も当てたい」
年末ジャンボについては、宝くじ1枚あたりの各賞の当せん金や当せん確率が、一昨年、昨年と全く同じ内容となっている。3年連続で同じ内容ということで、この宝くじは一種の完成形に達している、ということなのかもしれない。1等7億円は、1ユニット(2000万枚)あたり1本出る。1枚300円に対する当せん金の平均受取額は、149.995円だ。
じつは、年末ジャンボは、一昨年の宝くじで、5等1万円の当せん本数が大幅に増やされた。1万円以上の当せん金が当たるくじの本数は、1ユニットあたり6万2246本となっている。これは平均的にいうと、1枚300円のくじを322枚買ったら、その中に1万円以上の当たりが1枚含まれていることを意味する。ただし、くじを322枚買うためには9万6600円が必要なので、平均的には持ち出しとなる。年末ジャンボは「一攫千金狙いを中心に据えながら、当せん金1万円も当てたい」という願いにかなっている。
◇ 100万円以上の当せんに照準を合わせたミニ
年末ジャンボミニは、2等以下について、昨年のものから大きな変更が行われている。
(年末ジャンボミニの主な変更点)
(1) 当せん金100万円の2等(当せん本数は、1ユニット(1000万枚)あたり700本)を新設
(2) 当せん金5万円と1万円の等級(昨年の2等と3等)を無くした
(1枚300円に対する当せん金の平均受取額は、150円のまま変わらず)
つまり、今年の宝くじでは、当せん金5万円や1万円の等級をすべて100万円の当せん金に組み替えた形となっている。当せん金100万円の狙いに、大きくシフトした格好だ。
これにより、1ユニット(1000万枚)あたり、100万円以上が当たるくじの本数は、昨年の12本から、今年は712本へと大幅に増加する。100万円以上の当せん確率は、年末ジャンボの30倍以上にものぼる。(年末ジャンボは、1000万枚あたり23.5本の当せん。) 億円単位の高額当せんの夢は、年末ジャンボにまかせて、年末ジャンボミニは100万円以上の当せんに照準を合わせたものといえる。
これは平均的にいうと、1枚300円のくじを1万4045枚買ったら、その中に100万円以上の当たりが1枚含まれていることを意味する。ただし、くじを1万4045枚買うためには421万3500円が必要なので、平均的には持ち出しとなる。
年末ジャンボミニは当せん金の最高額は5000万円と低いが、100万円以上が当たる確率が高く設定されている。「100万円以上の当せんの確率を高めたい」という期待に応える内容となっており、なかなか魅力的といえるだろう。
◇ ドキドキ感とワクワク感をどう味わうか
この2種類の宝くじに対して、いろいろな買い方が考えられる。
「年末ジャンボを連番で3枚だけ買って10億円を目指す」といった、一心不乱に頂点だけを目指す買い方は、シンプルでとても潔いといえるだろう。
「どうせ、そう簡単に高額当せんなんて起こらないから、年末ジャンボミニを○○枚だけ買って、100万円に狙いを絞ろう」という買い方は、今年のジャンボミニの変更内容を熟知しており、非常にクレバーといえるかもしれない。
「今年は、××という方針のもとで、年末ジャンボを◇◇枚、年末ジャンボミニを△△枚買うことにした」と、買い揃えのための自分なりの方針を編み出してみるのもよいだろう。
くじの買い方は人それぞれだ。これが正解といえるものはない。ただ、このようにいろいろ考えてくじを買うところから、すでに宝くじの楽しさは始まっているといえる。
今年の宝くじの発売期間は12月23日までで、時間はまだたっぷりある。くじを買ったあとは、抽せん日(大晦日)まで、いろいろ夢想して、ドキドキ感やワクワク感を存分に味わう。そうすることで、慌ただしい年の瀬を楽しく過ごすことができれば、すでに宝くじの効用を十分に得たことになるだろう。
(2022年11月21日「研究員の眼」)

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員
篠原 拓也 (しのはら たくや)
研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務
03-3512-1823
- 【職歴】
1992年 日本生命保険相互会社入社
2014年 ニッセイ基礎研究所へ
【加入団体等】
・日本アクチュアリー会 正会員
篠原 拓也のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/03/18 | 気候変動:アクチュアリースキルの活用-「プラネタリー・ソルベンシー」の枠組みに根差したリスク管理とは? | 篠原 拓也 | 基礎研レター |
2025/03/11 | 国民負担率 24年度45.8%の見込み-高齢化を背景に、欧州諸国との差は徐々に縮小 | 篠原 拓也 | 研究員の眼 |
2025/03/04 | サイバーリスクのモデリング-相互に接続されたシステミックリスクをどうモデリングする? | 篠原 拓也 | 保険・年金フォーカス |
2025/02/25 | 気候アパルトヘイトとNCQG-気候変動問題による格差の拡大は抑えられるか? | 篠原 拓也 | 基礎研レター |
新着記事
-
2025年03月25日
今週のレポート・コラムまとめ【3/18-3/24発行分】 -
2025年03月24日
なぜ「ひとり焼肉」と言うのに、「ひとりコンビニ」とは言わないのだろうか-「おひとりさま」消費に関する一考察 -
2025年03月24日
若い世代が求めている「出会い方」とは?-20代人口集中が強まる東京都の若者の声を知る -
2025年03月24日
中国:25年1~3月期の成長率予測-前期から減速。目標達成に向け、政策効果でまずまずの出だしに -
2025年03月24日
パワーカップル世帯の動向-2024年で45万世帯に増加、うち7割は子のいるパワーファミリー
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【年末ジャンボ 今年の狙い目は?-ドキドキ感とワクワク感の味わい方】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
年末ジャンボ 今年の狙い目は?-ドキドキ感とワクワク感の味わい方のレポート Topへ