コラム
2022年02月01日

バレンタインジャンボ どう狙うか?-一攫千金か、それとも1万円以上の当せん金か

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也

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新型コロナは、オミクロン型変異ウイルスのまん延により、世界的に感染拡大が進んでいる。日本でも、1月に、一日の新規感染者数が過去最多となる日が続き、34の都道府県にまん延防止等重点措置が発令された。感染拡大のピークアウトが、なかなか見通せない状況となっている。

そうしたなかで、宝くじへの注目度が上がっている。特に、年に5回行われるジャンボ宝くじは、1等の当せん金が大きく、しかも全国どこの売り場でも簡単に購入できるため、人気が高い。

今月は、バレンタインジャンボ宝くじが発売される。最高当せん金は1等前後賞合わせて3億円と高額だ。ただし、細かい点で、昨年から変更された部分もある。その変更点をみながら、今回はどう狙ったらよいか、考えてみよう。

◇ バレンタインジャンボは、1万円以上の当せん本数が2割以上増加

バレンタインジャンボ宝くじには、年末ジャンボ宝くじと同様「ジャンボ」と「ジャンボミニ」の2つがある。「1等前後賞合わせて3億円」のうたい文句で販売されるのは、バレンタインジャンボだ。バレンタインジャンボミニの当せん金の最高額は、1等前後賞合わせて3000万円となっている。

それでは、バレンタインジャンボは昨年から何が変更となったか。主な変更点は、つぎの5つだ。

(バレンタインジャンボの主な変更点)
 (1) 3等100万円の当せん本数が、1ユニット(1000万枚)あたり50本から60本に増加
 (2) 4等5万円の当せん本数が、1ユニットあたり3000本から1000本に減少
 (3) 5等1万円の当せん本数が、1ユニットあたり3万本から4万本に増加
 (4) これらの結果、1ユニットあたりの当せん本数は113万3155本から114万1165本に増加 
 (5) 1枚300円に対する当せん金の平均受取額は、143.99円から144.99円に1円増額

つまり、(1)で3等100万円の当せん本数を10本増やすとともに、(2)と(3)で当せん金5万円の4等の当せん本数2000本を、当せん金1万円の5等の当せん本数1万本に組み替えたわけだ。

このうち、もっとも注目すべきは、(3)の5等1万円の当せん本数が増加する点だ。これにより、1万円以上の当せん金が当たるくじの本数は、1ユニット(1000万枚)あたり、昨年の3万3155本から今年は4万1165本へと2割以上増加する。

1枚300円のくじを買って1万円以上の当せん金が当たれば嬉しいはずだ。この嬉しさを多くの人に味わってもらえるように、5等の当せん本数が増やされたものとみられる。

◇ 1万円以上の当せん確率は、年末ジャンボよりも高い

じつは、バレンタインジャンボは昨年の年末ジャンボに比べて、1万円以上の当せんが出やすくなっている。昨年の年末ジャンボでは、1万円以上の当せんが出る確率は0.31123%とされていた。これが、今回のバレンタインジャンボでは0.41165%にまで高められている。

これは、平均的にいうと、くじを243枚買えば、1万円以上の当せんが1本出る確率だ。ただし、243本買うには、7万2900円が必要なため、1万円が1本当たるだけでは持ち出しになってしまう。この点には、注意が必要だ。

◇ ミニは当せん金1万円以上の当せん確率がさらに高い

一方の、バレンタインジャンボミニはどうか。

バレンタインジャンボと違って、当せん金の最高額は1等前後賞合わせて3000万円にとどまるが、その分、2等以下の当せんの期待は大きくなるよう設定されている。

バレンタインジャンボミニについては、昨年からの主な変更点は、3つにまとめられる。

(バレンタインジャンボミニの主な変更点)
 (1) 当せん金100万円の2等が2年ぶりに復活し、当せん本数は1ユニット(1000万枚)あたり100本とされた
 (2) 当せん金5万円とされていた2等が同額のまま3等となり、当せん本数は1ユニットあたり4000本から2000本に減少
 (3) これらの結果、1ユニットあたりの当せん本数は114万4015本から114万2115本に減少
 (1枚300円に対する当せん金の平均受取額は、135円のまま変わらず)

これは、(2)で当せん金5万円の3等の当せん本数を2000本減らし、その減らした分を、(1)で当せん金100万円の2等の当せん本数100本に組み替えたものといえる。

これにより、1万円以上の当せん本数は減少となる。1万円以上が当たる確率は、昨年の0.44015%から今年は0.42115%へと低下する。ただ、それでも、この確率は、バレンタインジャンボより高い。平均的にいうと、くじを238枚(7万1400円分)買えば、1万円以上の当せんが1本出る計算となっている。

なお、バレンタインジャンボミニの当せん金の平均受取額は135円で、バレンタインジャンボより少ない点には注意が必要だ。バレンタインジャンボミニは、当せん金1万円以上を狙うくじといえるだろう。

◇ 一攫千金か、当せん金1万円以上か

以上のように、バレンタインジャンボもバレンタインジャンボミニも、細かい点の変更が行われた。

「3億円の高額当せんを狙いたい」ということならば、バレンタインジャンボがおすすめとなる。1等が当たる確率は1000万枚に1本で、年末ジャンボの場合(2000万枚に1本)に比べて2倍に設定されている。

一方、億円単位の高額当せんではなく、「とにかく1万円以上の当せんを目指す」ということならば、バレンタインジャンボミニを買うのがよいだろう。

宝くじの醍醐味である一攫千金を狙って、バレンタインジャンボを買うか。それとも、より高い確率で1万円以上の当せん金を目指して、バレンタインジャンボミニを買うか。どちらも買うとしたら、それぞれの枚数は何枚ずつにするか──。

今年のバレンタインジャンボ宝くじは2月2日から3月4日まで発売され、抽せん日は3月11日とされている。発売期間は、1ヵ月以上もある。いろいろ考えて、ワクワク、くじを買うのもよいと思われるが、いかがだろうか。
 
 
(参考資料)
「宝くじ公式サイト」(全国自治宝くじ事務協議会のウェブサイト)
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保険研究部   主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員

篠原 拓也 (しのはら たくや)

研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務

経歴
  • 【職歴】
     1992年 日本生命保険相互会社入社
     2014年 ニッセイ基礎研究所へ

    【加入団体等】
     ・日本アクチュアリー会 正会員

(2022年02月01日「研究員の眼」)

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