コラム
2023年01月31日

バレンタインジャンボ どう狙う?-一攫千金か、それとも5万円以上の当せん金か

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也

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新型コロナは、感染拡大から3年あまりが経過した。昨年から今年にかけての年末年始は、3年ぶりに行動制限がなく、全国的に帰省や国内旅行が増えた。だが、感染拡大の第8波の襲来により、年明け以降、1日の新型コロナ関連の死亡者数が過去最多を更新する日が続いた。

政府は、感染拡大防止策の切り札としてワクチンの接種を促しているが、その一方で、1月中旬には全国旅行支援を再開した。また、5月8日に、新型コロナの感染症法上の位置付けを、現在の「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げることを決定した。新型コロナに対する社会の警戒感が薄れるなかで、感染拡大防止と社会経済活動の活性化を両立させる、という難しい舵取りを迫られている。

そうしたなかで、宝くじへの注目度が上がっている。特に、年に5回行われるジャンボ宝くじは、1等の当せん金が大きく、しかも全国どこの売り場でも簡単に購入できるため、人気が高い。

来月には、バレンタインジャンボ宝くじが発売される。最高当せん金は1等前後賞合わせて3億円と高額だ。

実は、今回の宝くじは、当せん金や当せん確率などが、昨年のものと同じ内容となっている。その内容を確認しながら、今回はどう狙ったらよいか、考えてみよう。

◇ バレンタインジャンボは、1万円以上の当せん本数が2割以上増加

バレンタインジャンボ宝くじには、年末ジャンボ宝くじと同様「ジャンボ」と「ジャンボミニ」の2つがある。「1等前後賞合わせて3億円」のうたい文句で販売されるのは、バレンタインジャンボだ。バレンタインジャンボミニの当せん金の最高額は、1等前後賞合わせて3000万円となっている。

それでは、まず、バレンタインジャンボについて詳しく見てみよう。当せん金、当せん確率、平均受取額をまとめると、次の表のとおりとなる。
バレンタインジャンボの当せん金、当せん確率、平均受取額まとめ
このうち、もっとも注目すべきは、5等1万円の当せん確率が0.4%と、かなり高い点だ。昨年末に発売された年末ジャンボ宝くじでは、この確率が0.3%だったことと比べても高い確率となっている。

その結果、1万円以上の当せん金が受け取れる確率は、年末ジャンボでは0.31123%であったが、今回のバレンタインジャンボでは0.41165%へと引き上げられている。

誰でも、1枚300円のくじを買って1万円以上の当せん金が当たれば嬉しいはずだ。この嬉しさを多くの人に味わってもらう―それが、今回のバレンタインジャンボの特徴と整理できる。

平均的には、くじを243枚買えば、1万円以上の当せんが1本出る確率だ。ただし、243本買うには、7万2900円が必要なため、1万円が1本当たるだけでは持ち出しになってしまう。この点には、注意が必要だ。

バレンタインジャンボは「1等前後賞合わせて3億円」の高額当せんを狙いつつ、1万円以上の当せん確率も昨年の年末ジャンボより大幅に増大した宝くじ、と位置づけられる。

◇ ミニは当せん金1万円以上の当せん確率がさらに高い

一方、バレンタインジャンボミニはどうか。

バレンタインジャンボと違って、当せん金の最高額は1等前後賞合わせて3000万円にとどまるが、その分、2等以下の当せんの期待は大きくなるように設定されている。

バレンタインジャンボミニについても、詳しく見てみよう。当せん金、当せん確率、平均受取額をまとめると、次の表のとおりとなる。
バレンタインジャンボミニの当せん金、当せん確率、平均受取額まとめ
バレンタインジャンボミニでは、1万円以上が当たる確率は、0.42115%となっており、バレンタインジャンボを上回る当せん確率となっている。平均的にいうと、くじを238枚(7万1400円分)買えば、1万円以上の当せんが1本出る計算となっている。

ここで、真に注目すべきなのは、3等5万円の当せん確率が0.02%と高い点だ。これは、バレンタインジャンボの4等5万円の当せん確率(0.01%)の2倍となっている。

その結果、バレンタインジャンボミニは、5万円以上が当たる確率が0.02115%となっており、バレンタインジャンボの同確率(0.01165%)を大きく上回っている。これが、今回のミニの特徴と言える。

なお、バレンタインジャンボミニの当せん金の平均受取額は135円で、バレンタインジャンボより少ない点には注意が必要だ。バレンタインジャンボミニは、当せん金1万円以上、特に5万円以上を狙うためのくじといえるだろう。

◇ 一攫千金か、当せん金5万円以上か

以上のように、バレンタインジャンボもバレンタインジャンボミニも、よく見ていくと、それぞれ特徴がある。

「3億円の高額当せんを狙いたい」ということならば、バレンタインジャンボがおすすめとなる。1等が当たる確率は1000万枚に1本で、年末ジャンボの場合(2000万枚に1本)に比べて2倍に設定されている。

一方、億円単位の高額当せんではなく、「5万円以上の当せんを目指す」ということならば、バレンタインジャンボミニを買うのがよいだろう。

宝くじの醍醐味である一攫千金を狙って、バレンタインジャンボを買うか。それとも、高確率での1万円や5万円以上の当せん金を目指して、バレンタインジャンボミニを買うか。どちらも買うとしたら、それぞれの枚数は何枚ずつにするか──。

今年のバレンタインジャンボ宝くじは、2月1日から3月3日まで発売され、抽せん日は3月10日とされている。発売期間は、1ヵ月以上もある。

いろいろ考えて、ワクワク感を味わいつつ、くじを買うのもよいと思われるが、いかがだろうか。

(参考資料)
「宝くじ公式サイト」(全国自治宝くじ事務協議会のウェブサイト)
 
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保険研究部   主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員

篠原 拓也 (しのはら たくや)

研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務

経歴
  • 【職歴】
     1992年 日本生命保険相互会社入社
     2014年 ニッセイ基礎研究所へ

    【加入団体等】
     ・日本アクチュアリー会 正会員

(2023年01月31日「研究員の眼」)

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