コラム
2023年07月03日

サマージャンボ2023 どう狙う-100万円狙いのジャンボミニをどう組み合わせるか?

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也

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新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後、各地でお祭りやさまざまなイベントが再開されている。海外からの旅行客の受け入れも急拡大しており、観光地では大変な賑わいを見せている。

ただ、本格的な夏の到来を前に、沖縄県では感染者数が急増しており、鹿児島県、宮崎県、熊本県などでも感染者数の増加が見られる。

全国的にも、感染の拡大は徐々に進みつつある。専門家は、流行の「第9波」が始まった可能性を指摘しており、人流が増す夏休みにも、引き続き、感染対策を心がけることが必要としている。

5類感染症に移行したとはいえ、コロナ禍が終わったわけではない。注目度が低下しているうちに、静かに感染拡大が進んでしまうような事態は、避けなくてはならないだろう。

そんななか、今年も、サマージャンボ宝くじの発売時期がやってきた。最高当せん金は、1等・前後賞合わせて7億円と、ジャンボ宝くじのなかでは、年末ジャンボに次ぐ高額となっている。今回の宝くじでは、ジャンボミニで特徴的な変更が行われている。その変更点を見ながら、今年はどう狙うべきか、少し考えてみよう。

◆ サマージャンボは、シンプルに超高額の7億円狙い

サマージャンボ宝くじには、他のジャンボ宝くじと同様、「ジャンボ」と「ジャンボミニ」の2つがある。今回、「1等・前後賞合わせて7億円」のうたい文句で発売されるのは、サマージャンボだ。一方、サマージャンボミニの当せん金は、1等・前後賞合わせて3000万円となっている。

まず、サマージャンボから見ていこう。

実は、サマージャンボは、当せん金や当せん確率が、昨年のものと全く同じ内容となっている。昨年、1000万円や100万円の中間的な高額当せん金をやめて、シンプル化が行われた。つまり、超高額当せんとして、1等・前後賞合わせて7億円をシンプルに狙う形に変更されたわけだが、その形が、今年もそのまま維持された格好だ。

また、くじの当せん金をよく見ると、2等5万円、3等1万円といった、比較的少額の当せんを高確率で目指す仕組みも残されている。当せん確率をもとに計算してみると、平均的には、981枚のくじを購入すれば、3等1万円以上が当たることになる。

その際、4等と5等からも、平均的に5万6000円以上の当せん金が期待できる。合わせると、6万6000円以上の受け取りとなる。結構な当せん金額だ。

ただし、そのためには、くじの購入に29万4300円が必要となるので、注意が必要だ。

サマージャンボは、とにかく単純明快に7億円の高額当せんを狙う――「超高額当せんのドキドキ感を楽しむためのくじ」といえるだろう。
サマージャンボ

◆ サマージャンボミニは、当せん金100万円の2等を新設

いっぽう、サマージャンボミニはどうか。

サマージャンボミニでは、昨年のものからいくつか変更が行われている。主な変更点は、つぎの4つにまとめられる。

(サマージャンボミニの主な変更点)

 (1) 1等の当せん金を3000万円から2000万円に引き下げるとともに、1等の前後賞(当せん金500万円)を設け、1等・前後賞合わせて3000万円とした。

 (2) 当せん金100万円の2等(1ユニット(くじ1000万枚)あたりの本数は700本)を新設した。

 (3) 昨年、当せん金1万円だった2等が3等となり、当せん金が3000円に引き下げられた。(1ユニットあたりの本数は10万本)

 (4) これらの結果、1ユニットあたりの当せん本数は110万4本から110万712本に増加

※ なお、1枚300円に対する当せん金の平均受取額は、142円のまま変わらず

つまり、まず(1)で、当せん金の合計は3000万円のままで、1等を1等・前後賞に組み替えた。そして、(3)で昨年の1万円の当せん金を3000円に引き下げるとともに、(2)でその差額をもとに、当せん金100万円の2等を新設したわけだ。

この2等100万円は、サマージャンボミニとしては、昨年も、一昨年もなかったものであり、今回の特徴的な変更と言えるだろう。

これにより、100万円以上の当せん金が当たるくじの本数は、1ユニット(1000万枚)あたり712本となっている。サマージャンボミニは、当せん金3000万円の1等・前後賞を狙いつつも、100万円の高額当せんに軸足を置いた、「高確率で高額当せんのワクワク感を味わうためのくじ」と位置づけられる。
サマージャンボミニ

◆ サマージャンボミニは、高額当せんを狙うためのくじに

今回のサマージャンボ宝くじは、ジャンボミニでは、2等100万円が新設された点が特徴的だ。

これは、平均的には、1万4045枚のくじを購入すれば、1等、1等の前後賞、2等といった100万円以上の高額当せんに当たることを意味する。

その際、3等と4等からは、平均的に84万円以上の当せん金が期待できる。これらを合わせると、184万円以上の受け取りとなる。

ただし、そのためには、くじの購入に421万3500円が必要となるので、注意が必要だ。

それでは、サマージャンボミニに100万円という高額当せんが設けられたことを、どう捉えたらよいだろうか。当せん金のゾーン別に、少し整理してみよう。

・まず、5億円の超高額は、サマージャンボで狙う。

・次に、3000万円や100万円の高額ゾーンは、サマージャンボミニの出番だ。

・そして、5万円や1万円の比較的少額を高確率で狙うゾーンは、再びサマージャンボがその役目を担う。

こんな形で、2つのくじの間で、当せん金ゾーンの棲み分けが行われたと捉えることができる。

こう見ていくと、今回のサマージャンボミニは、もはや「ミニ」ではない。むしろ、3000万円や100万円といった高額当せんを狙うためのくじ、と見るべきだろう。
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保険研究部   主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員

篠原 拓也 (しのはら たくや)

研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務

経歴
  • 【職歴】
     1992年 日本生命保険相互会社入社
     2014年 ニッセイ基礎研究所へ

    【加入団体等】
     ・日本アクチュアリー会 正会員

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