2025年04月25日

「ほめ曜日」×ご褒美消費-消費の交差点(9)

生活研究部 研究員 廣瀬 涼

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■要旨

数週間前のことだ。買い物をしているとき、ふと目に留まった言葉があった。

「ほめ曜日」――“褒めよう”と“曜日”をかけ合わせた、なんとも巧みで、どこか心に残るキャッチコピーだった。気になって調べてみると、それは株式会社不二家によるプロモーションの一環であることがわかった。

日々、仕事や家事、人間関係に追われるなかで、自分のことはどうしても後回しになってしまいがちだ。そんな忙しい毎日の中で、「ほめ曜日」という言葉は、誕生日や記念日といった特別な日でなくても、自分のために何かを選び、心を労わるきっかけになるのではないかと筆者は感じた。働くことや勉強すること、さらには日々の生活そのものに対するモチベーションを保つ手段として、「自分を労わること」や「自分に活力を与えること」を目的とした現在志向の消費が熱心に行われている。たとえば、少し高めのコンビニスイーツやカプセルトイ、食玩の購入といった“プチ贅沢”から、推し活のように精神的な充足を得られる趣味に至るまで、これらは広く「ご褒美消費」として私たちの暮らしに定着しつつある。本稿ではこの「ご褒美消費」の役割について考察する。

■目次

本レポートのポイント
1――きょうは、不二家で、ほめ曜日
2――コンビニスイーツはZ世代にとって身近な「ご褒美消費」
3――アメリカ、中国における「ご褒美消費」
4――“心の補填”としての現在志向的消費
5――ご褒美消費の役割

本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

(2025年04月25日「基礎研レター」)

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生活研究部   研究員

廣瀬 涼 (ひろせ りょう)

研究・専門分野
消費文化論、若者マーケティング、サブカルチャー

経歴
  • 【経歴】
    2019年 大学院博士課程を経て、
         ニッセイ基礎研究所入社

    ・公益社団法人日本マーケティング協会 第17回マーケティング大賞 選考委員
    ・令和6年度 東京都生活文化スポーツ局都民安全推進部若年支援課広報関連審査委員

    【加入団体等】
    ・経済社会学会
    ・コンテンツ文化史学会
    ・余暇ツーリズム学会
    ・コンテンツ教育学会
    ・総合観光学会

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レポート紹介

【「ほめ曜日」×ご褒美消費-消費の交差点(9)】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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