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- 2022偽情報に関する実施規範-EUにおける自主規制
2025年02月20日
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■要旨
EUにおいては、2022年6月に「2022偽情報に関する実施規範(以下「規範」)」を公表した。規範は従前存在した「2018偽情報に関する実施規範」を改訂したものである。規範はプラットフォームに関連する事業者が自発的に署名し、遵守するものであり、自主規制に該当する。規範は偽情報と戦うことを求める一方で、表現の自由等との間で微妙なバランスをとることも同時に求めている。内容は以下の9つのパーツからなっている。
(1) 広告出稿:偽情報が広告をつけることで収益化すること、および偽情報が広告として表示されることを防止すべきことを求める。
(2) 政治広告:署名者は政治広告・争点広告(以下、「政治広告等」)に対して一貫したポリシーを適用するとともに、ユーザーに対して透明性を確保する。またレポジトリ(広告保管場所)に政治広告等を保管する。レポジトリには研究者等がアクセスできるようにし、政治広告等にかかるポリシー等の改善に取り組む。
(3) サービスの完全性:プラットフォーム上の不正な操作を特定し、防止するとともに、他のプラットフォームとの連携を行う。
(4) ユーザーのエンパワーメント:ユーザーのリテラシー向上に努めるとともに、ユーザーがコンテンツの信義を判断できるツールを提供する。
(5) 研究コミュニティのエンパワーメント:署名者はそのデータを研究者が利用可能となるようにし、研究を支援する。
(6) ファクトチェック機関のエンパワーメント:独立したファクトチェック機関と連携し、プラットフォームサービスへのアクセスを容易にし、支援する。
(7) 透明性センター:署名者はウェブ上に透明性センターを開設し、偽情報対策に関する各種情報を開示する。
(8) 常設のタスクフォース:署名者に規範を進化させ、また適応させることを目的としたタスクフォースに参加する。
(10) 規範の監視:署名者は十分な内部リソースを偽情報対策に投入するとともに、その実施状況について報告を行う。
■目次
1――はじめに
2――広告出稿の精査
1|コミットメント
2|解説と具体的取組
3――政治広告
1|コミットメント
2|解説と具体的取組
4――サービスの完全性
1|コミットメント
2|解説と具体的取組
5――ユーザーのエンパワーメント(力を与える)
1|コミットメント
2|解説と具体的取組
6――研究コミュニティのエンパワーメント(力を与える)
1|コミットメント
2|解説と具体的取組
7――ファクトチェック機関のエンパワーメント(力を与える)
1|コミットメント
2|解説と具体的取組
8――透明性センター
1|コミットメント
2|解説と具体的取組
9――常設の対策本部(タスクフォース)
1|コミットメント
2|解説と具体的取組
10――規範の監視
1|コミットメント
2|解説と具体的取組
11――おわりに
EUにおいては、2022年6月に「2022偽情報に関する実施規範(以下「規範」)」を公表した。規範は従前存在した「2018偽情報に関する実施規範」を改訂したものである。規範はプラットフォームに関連する事業者が自発的に署名し、遵守するものであり、自主規制に該当する。規範は偽情報と戦うことを求める一方で、表現の自由等との間で微妙なバランスをとることも同時に求めている。内容は以下の9つのパーツからなっている。
(1) 広告出稿:偽情報が広告をつけることで収益化すること、および偽情報が広告として表示されることを防止すべきことを求める。
(2) 政治広告:署名者は政治広告・争点広告(以下、「政治広告等」)に対して一貫したポリシーを適用するとともに、ユーザーに対して透明性を確保する。またレポジトリ(広告保管場所)に政治広告等を保管する。レポジトリには研究者等がアクセスできるようにし、政治広告等にかかるポリシー等の改善に取り組む。
(3) サービスの完全性:プラットフォーム上の不正な操作を特定し、防止するとともに、他のプラットフォームとの連携を行う。
(4) ユーザーのエンパワーメント:ユーザーのリテラシー向上に努めるとともに、ユーザーがコンテンツの信義を判断できるツールを提供する。
(5) 研究コミュニティのエンパワーメント:署名者はそのデータを研究者が利用可能となるようにし、研究を支援する。
(6) ファクトチェック機関のエンパワーメント:独立したファクトチェック機関と連携し、プラットフォームサービスへのアクセスを容易にし、支援する。
(7) 透明性センター:署名者はウェブ上に透明性センターを開設し、偽情報対策に関する各種情報を開示する。
(8) 常設のタスクフォース:署名者に規範を進化させ、また適応させることを目的としたタスクフォースに参加する。
(10) 規範の監視:署名者は十分な内部リソースを偽情報対策に投入するとともに、その実施状況について報告を行う。
■目次
1――はじめに
2――広告出稿の精査
1|コミットメント
2|解説と具体的取組
3――政治広告
1|コミットメント
2|解説と具体的取組
4――サービスの完全性
1|コミットメント
2|解説と具体的取組
5――ユーザーのエンパワーメント(力を与える)
1|コミットメント
2|解説と具体的取組
6――研究コミュニティのエンパワーメント(力を与える)
1|コミットメント
2|解説と具体的取組
7――ファクトチェック機関のエンパワーメント(力を与える)
1|コミットメント
2|解説と具体的取組
8――透明性センター
1|コミットメント
2|解説と具体的取組
9――常設の対策本部(タスクフォース)
1|コミットメント
2|解説と具体的取組
10――規範の監視
1|コミットメント
2|解説と具体的取組
11――おわりに
(2025年02月20日「基礎研レポート」)
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03-3512-1866
経歴
- 【職歴】
1985年 日本生命保険相互会社入社
2014年 ニッセイ基礎研究所 内部監査室長兼システム部長
2015年4月 生活研究部部長兼システム部長
2018年4月 取締役保険研究部研究理事
2021年4月 常務取締役保険研究部研究理事
2024年4月より現職
【加入団体等】
東京大学法学部(学士)、ハーバードロースクール(LLM:修士)
東京大学経済学部非常勤講師(2022年度・2023年度)
大阪経済大学非常勤講師(2018年度~2022年度)
金融審議会専門委員(2004年7月~2008年7月)
日本保険学会理事、生命保険経営学会常務理事 等
【著書】
『はじめて学ぶ少額短期保険』
出版社:保険毎日新聞社
発行年月:2024年02月
『Q&Aで読み解く保険業法』
出版社:保険毎日新聞社
発行年月:2022年07月
『はじめて学ぶ生命保険』
出版社:保険毎日新聞社
発行年月:2021年05月
松澤 登のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/03/11 | 貸金庫契約とは-法的性質と実務 | 松澤 登 | 研究員の眼 |
2025/02/20 | 2022偽情報に関する実施規範-EUにおける自主規制 | 松澤 登 | 基礎研レポート |
2025/02/13 | 選挙におけるSNS偽情報対策-EUのDSAにおけるガイドライン | 松澤 登 | 基礎研レポート |
2025/01/24 | 第三者委員会とは-内部調査委員会との相違 | 松澤 登 | 研究員の眼 |
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