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- 米国経済の見通し-25年以降の経済見通しはトランプ次期政権の政策が左右
2024年12月09日
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3.物価・金融政策・長期金利の動向
(物価)関税引上げ、不法移民の強制送還がインフレを押上げ
CPIのコア指数は前述のように前年同月比で足元で低下傾向が一服しており、期間別でみても前月比年率が+3.4%と6月の+0.8%から大幅に上昇しているほか、3ヵ月前比年率も+2.9%と8月の1.9%から2ヵ月連続で上昇するなど、物価上昇圧力が高まっていることを示している(図表18)。
一方、コア指数(前年同月比)の内訳をみると、24年10月のコア財価格が▲1.0%と24年1月以降はマイナスが続いており、物価押下げ要因となっている(図表19)。これに対して、コアサービス価格は住居費が+4.9%と23年3月の+8.2%をピークに低下基調が持続しているものの、依然としてFRBの物価目標を大幅に上回っているほか、賃金上昇率との連動性が高いコアサービス(除く住居費)が+4.4%とこちらも物価目標を大幅に上回っているほか、7月以降は+4.3%から+4.5%で横這い推移となっており、低下傾向が足踏み状態となっている。
また、住居費のうち、家賃指数に先行する民間家賃指数は前年同月比で家賃指数を下回っており、家賃指数の一段の低下を示唆しているものの、24年以降は3%台前半で横這い推移していることから、今後家賃指数の低下は緩やかに留まる可能性がある。
さらに、住居費除きでは前述のようにトランプ次期政権の移民政策次第では労働力不足を背景に賃金上昇率が加速する可能性があり、住居費除きも高止まり、もしくは再加速するシナリオも否定できない。
CPIのコア指数は前述のように前年同月比で足元で低下傾向が一服しており、期間別でみても前月比年率が+3.4%と6月の+0.8%から大幅に上昇しているほか、3ヵ月前比年率も+2.9%と8月の1.9%から2ヵ月連続で上昇するなど、物価上昇圧力が高まっていることを示している(図表18)。
一方、コア指数(前年同月比)の内訳をみると、24年10月のコア財価格が▲1.0%と24年1月以降はマイナスが続いており、物価押下げ要因となっている(図表19)。これに対して、コアサービス価格は住居費が+4.9%と23年3月の+8.2%をピークに低下基調が持続しているものの、依然としてFRBの物価目標を大幅に上回っているほか、賃金上昇率との連動性が高いコアサービス(除く住居費)が+4.4%とこちらも物価目標を大幅に上回っているほか、7月以降は+4.3%から+4.5%で横這い推移となっており、低下傾向が足踏み状態となっている。
また、住居費のうち、家賃指数に先行する民間家賃指数は前年同月比で家賃指数を下回っており、家賃指数の一段の低下を示唆しているものの、24年以降は3%台前半で横這い推移していることから、今後家賃指数の低下は緩やかに留まる可能性がある。
さらに、住居費除きでは前述のようにトランプ次期政権の移民政策次第では労働力不足を背景に賃金上昇率が加速する可能性があり、住居費除きも高止まり、もしくは再加速するシナリオも否定できない。
当研究所は原油価格が24年10-12月期平均の70ドルから25年、26年を通じて概ね65ドル~67ドルに低下すると予想しており、エネルギー価格は物価の押上げ要因とならないほか、ベースケースシナリオではコアサービスの住居費および住居費除きともに緩やかに低下すると予想しており、総合指数(前年同月比)が24年見込の+3.0%から25年に+2.3%、26年に+2.2%に低下することを想定している。これにトランプ次期政権の経済政策に伴う押上げ効果を合わせた見通しは、25年が+2.7%、26年が+2.8%と26年にかけてインフレは高止まろう。
(金融政策)25年前半に2回、26年後半に1回の利下げを予想
FRBはインフレ抑制のために22年3月から政策金利の引上げを開始し、23年7月に5.5%に引上げた後は、23年9月から8会合連続で政策金利を据え置いた(図表20)。その後、前述のように24年9月に政策金利を▲0.5%引下げたほか、11月にも▲0.25%引下げて政策金利を4.75%とした。
FRBはインフレ抑制のために22年3月から政策金利の引上げを開始し、23年7月に5.5%に引上げた後は、23年9月から8会合連続で政策金利を据え置いた(図表20)。その後、前述のように24年9月に政策金利を▲0.5%引下げたほか、11月にも▲0.25%引下げて政策金利を4.75%とした。

足元でインフレは上振れているものの、労働市場の緩やかな減速傾向に加え、政策金利と中立金利の乖離幅を考慮すれば、次回(12月)会合でも▲0.25%の利下げが行われる可能性が高い。
一方、9月会合後に発表されたFOMC参加者の経済見通しで24年末のPCE価格のコア指数が予想の2.6%に対して10月が2.8%と上振れしているほか、失業率も24年末予想の4.4%に対して11月が4.2%と下振れしている。また、前述のように次期トランプ政権の経済政策に伴うインフレ高進リスクを考慮すると、12月会合後に発表されるFOMC参加者の政策金利見通し(中央値)は25年以降の政策金利水準が上方修正される可能性が高い。
当研究所ではベースケースシナリオとして25年内に▲0.25%の4回利下げ、26年内に▲0.25%の2回利下げを想定しており、ベースケースからのインフレ高進に伴い25年の利下げ回数が2回、26年が同1回に留まると予想する。
(長期金利)25年10-12月期平均が4.2%、25年10-12月期平均が同4.0%と予想
長期金利(10年金利)は、インフレ指標が上振れし、FRBの利下げ観測が後退したことから、24年5月には一時4.7%まで上昇した(図表21)。しかしながら、労働市場やインフレの鈍化を背景に再び利下げ観測が強まり、9月のFOMC会合で通常の▲0.25%ではなく、▲0.5%の利下げが実施されたことから、9月には一時3.6%台に低下した。
長期金利(10年金利)は、インフレ指標が上振れし、FRBの利下げ観測が後退したことから、24年5月には一時4.7%まで上昇した(図表21)。しかしながら、労働市場やインフレの鈍化を背景に再び利下げ観測が強まり、9月のFOMC会合で通常の▲0.25%ではなく、▲0.5%の利下げが実施されたことから、9月には一時3.6%台に低下した。

当研究所は、インフレ率の緩やかな低下や金融緩和の継続からベースケースシナリオとして25円10-12月期平均が3.6%、26年10-12月期が3.4%と想定している。これに対してインフレが上振れするほか、政策金利見通しが上方修正されることに加え、財政赤字の拡大から国債発行額が増加することなどを受けて、ベースケースシナリオから上振れする結果、長期金利は25年10-12月期平均が4.2%、26年10-12月期平均が4.0%と高止まりを予想する。
(2024年12月09日「Weekly エコノミスト・レター」)
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03-3512-1824
経歴
- 【職歴】
1991年 日本生命保険相互会社入社
1999年 NLI International Inc.(米国)
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
2014年10月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
窪谷 浩のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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