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- 米住宅着工・許可件数(24年10月)-着工件数は前月、市場予想を下回る。ハリケーンの影響により南部の着工件数が減少
2024年11月20日
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1.結果の概要:住宅着工、許可件数ともに市場予想を下回る
2.結果の評価:ハリケーンの影響を受けて南部の着工件数が減少
住宅着工件数の伸びは前月比▲3.1%(前月:▲1.9%)と2ヵ月月連続のマイナスとなったほか、マイナス幅が拡大した(図表3)。集合住宅が+9.6%(前月:▲16.6%)と前月からプラスに転じた一方、戸建てが▲6.9%(前月:+3.6%)と3ヵ月ぶりにマイナスに転じて着工件数全体を押し下げた(図表4)。
前年同月比は▲4.0%(前月:▲0.7%)と2ヵ月連続のマイナスとなったほか、マイナス幅が拡大した。戸建てが▲0.5%(前月:+7.1%)と前月からマイナスに転じたほか、集合住宅が▲12.6%(前月:▲20.3%)と2ヵ月連続でマイナスとなった。
地域別寄与度(前月比)は、中西部が+1.3%ポイント(前月:▲1.9%ポイント)、西部が+4.4%ポイント(前月:▲0.8%ポイント)と前月からプラスに転じた一方、北東部が▲4.0%ポイント(前月:+3.2%ポイント)と前月からマイナスに転じた。さらに、南部が▲4.7%ポイント(前月:▲2.4%ポイント)と2ヵ月連続でマイナスとなった。とくに、南部は件数ベースで前月比▲8.8%と大幅減少となったが、同地区を襲ったハリケーン「へリーン」と「ミルトン」の影響とみられる。
前年同月比は▲4.0%(前月:▲0.7%)と2ヵ月連続のマイナスとなったほか、マイナス幅が拡大した。戸建てが▲0.5%(前月:+7.1%)と前月からマイナスに転じたほか、集合住宅が▲12.6%(前月:▲20.3%)と2ヵ月連続でマイナスとなった。
地域別寄与度(前月比)は、中西部が+1.3%ポイント(前月:▲1.9%ポイント)、西部が+4.4%ポイント(前月:▲0.8%ポイント)と前月からプラスに転じた一方、北東部が▲4.0%ポイント(前月:+3.2%ポイント)と前月からマイナスに転じた。さらに、南部が▲4.7%ポイント(前月:▲2.4%ポイント)と2ヵ月連続でマイナスとなった。とくに、南部は件数ベースで前月比▲8.8%と大幅減少となったが、同地区を襲ったハリケーン「へリーン」と「ミルトン」の影響とみられる。
一方、全米建設業協会(NAHB)による戸建て新築住宅販売のセンチメントを示す住宅市場指数は、11月が46(前月:43)と3ヵ月連続で上昇し、24年4月以来の水準に回復したほか、低下を見込んだ市場予想(42)を上回った(図表7)。内訳は販売現況が49(前月:47)、販売見込みが64(前月:57)、客足が32(前月:29)とそれぞれ前月から改善した。とくに、販売見込みは22年4月以来の水準となるなど、改善幅が大きくなった。
NAHBのカール・ハリス会長は「選挙が終わり、建設業者は共和党がワシントンですべての権力を握れば、業界に対する規制が大幅に緩和され、住宅やアパートの建設が増えるだろうという自信を深めている」と述べており、規制緩和期待がセンチメントの改善に繋がっていることを示した。もっとも、足元で住宅ローン金利は上昇しており、NAHBのチーフエコノミストであるロバート・ディーツ氏は「株式市場は選挙結果を歓迎したが、債券市場は長期金利の上昇にみられるように懸念を抱いている。行政機関が交代する中、ビジネス部門と住宅市場は政策面で不確実性に直面している」と指摘して、今後の住宅市場の見通しに関して慎重な見方を示した。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2024年11月20日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
1991年 日本生命保険相互会社入社
1999年 NLI International Inc.(米国)
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
2014年10月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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