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- 米個人所得・消費支出(24年9月)-堅調な個人消費の一方、コアPCE価格指数は高止まり
2024年11月01日
1.結果の概要:前月比で個人所得は市場予想に一致、個人消費は市場予想を上回る
10月31日、米商務省の経済分析局(BEA)は9月の個人所得・消費支出統計を公表した。個人所得(名目値)は前月比+0.3%(前月:+0.2%)と前月を上回った一方、市場予想(Bloomberg集計の中央値、以下同様)の+0.3%に一致した(図表1)。個人消費支出は前月比+0.5%(前月改定値:+0.3%)と+0.2%から上方修正された前月、市場予想の+0.4%を上回った。価格変動の影響を除いた実質個人消費支出(前月比)は+0.4%(前月改定値:+0.2%)と、こちらも+0.1%から上方修正された前月、市場予想の+0.3%を上回った(図表5)。貯蓄率1は4.6%(前月:4.8%)と前月から▲0.2%ポイント低下した。
価格指数は、総合指数が前月比+0.2%(前月:+0.1%)と前月を上回った一方、市場予想(+0.2%)に一致した。変動の大きい食料品・エネルギーを除いたコア指数は前月比+0.3%(前月改定値:+0.2%)と24年4月以来の水準となり、+0.1%から上方修正された前月を上回った一方、市場予想(+0.3%)に一致した(図表6)。前年同月比は総合指数が+2.1%(前月改定値:+2.3%)と+2.2%から上方修正された前月を下回った一方、市場予想(+2.1%)に一致した。コア指数は+2.7%(前月:+2.7%)とこ前月に一致した一方、市場予想(+2.6%)は上回った(図表7)。
1 可処分所得に対する貯蓄(可処分所得-個人支出)の比率。
価格指数は、総合指数が前月比+0.2%(前月:+0.1%)と前月を上回った一方、市場予想(+0.2%)に一致した。変動の大きい食料品・エネルギーを除いたコア指数は前月比+0.3%(前月改定値:+0.2%)と24年4月以来の水準となり、+0.1%から上方修正された前月を上回った一方、市場予想(+0.3%)に一致した(図表6)。前年同月比は総合指数が+2.1%(前月改定値:+2.3%)と+2.2%から上方修正された前月を下回った一方、市場予想(+2.1%)に一致した。コア指数は+2.7%(前月:+2.7%)とこ前月に一致した一方、市場予想(+2.6%)は上回った(図表7)。
1 可処分所得に対する貯蓄(可処分所得-個人支出)の比率。
2.結果の評価:個人消費が堅調を維持する一方、コアインフレが高止まり
個人消費(前月比)は9月が+0.5%と24年3月以来の伸びとなるなど堅調な個人消費が続いていることを確認した(図表1)。
これに対して、個人所得(前月比)は堅調な賃金・給与の伸びを反映して個人所得、可処分所得ともに9月が+0.3%と堅調を維持したものの、高い伸びとなった個人消費を下回った結果、貯蓄率は4.6%と3ヵ月連続で低下し、23年12月以来の水準となった。もっとも、9月に発表された年次改定に伴って貯蓄率は3%割れから大幅に上方修正されており、所得対比では依然として消費余力を残していると言えよう。
一方、FRBが物価指標としているPCE価格指数は前月比で総合指数、物価の基調を示すコア指数ともに前月から上昇に転じたほか、前年同月比では総合指数が低下したものの、コア指数は前月並みの水準を維持しており、コア指数はインフレが高止まりしている状況を示した。
これに対して、個人所得(前月比)は堅調な賃金・給与の伸びを反映して個人所得、可処分所得ともに9月が+0.3%と堅調を維持したものの、高い伸びとなった個人消費を下回った結果、貯蓄率は4.6%と3ヵ月連続で低下し、23年12月以来の水準となった。もっとも、9月に発表された年次改定に伴って貯蓄率は3%割れから大幅に上方修正されており、所得対比では依然として消費余力を残していると言えよう。
一方、FRBが物価指標としているPCE価格指数は前月比で総合指数、物価の基調を示すコア指数ともに前月から上昇に転じたほか、前年同月比では総合指数が低下したものの、コア指数は前月並みの水準を維持しており、コア指数はインフレが高止まりしている状況を示した。
3.所得動向:賃金・給与は堅調を維持
9月の個人所得(前月比)では、移転所得が+0.5%(前月:+0.3%)と前月から伸びが加速したほか、賃金・給与が+0.5%(前月:+0.5%)と堅調を維持した。一方、自営業所得が▲0.5%(前月:+0.1%)と前月からマイナスに転じたほか、利息配当収入が▲0.2%(前月:▲0.8%)と前月からマイナス幅は縮小したものの、3ヵ月連続のマイナスとなった。
個人所得から税負担などを除いた可処分所得(前月比)は、9月の名目が+0.3%(前月:+0.2%)と小幅ながら前月から伸びが加速した(図表3)。価格変動の影響を除いた実質ベース(前月比)は+0.1%(前月:+0.1%)とこちらは前月並みの伸びに留まった。
個人所得から税負担などを除いた可処分所得(前月比)は、9月の名目が+0.3%(前月:+0.2%)と小幅ながら前月から伸びが加速した(図表3)。価格変動の影響を除いた実質ベース(前月比)は+0.1%(前月:+0.1%)とこちらは前月並みの伸びに留まった。
4.消費動向:財消費、サービス消費ともに堅調に増加
9月の名目個人消費(前月比)は、サービス消費が+0.5%(前月:+0.5%)と前月並みの堅調な伸びを維持したほか、財消費が+0.5%(前月:▲0.2%)と前月からプラスに転じた(図表4)。
財消費は、耐久財が+0.8%(前月:▲0.4%)、非耐久財が+0.4%(前月:▲0.1%)といずれも前月からプラスに転じた。
耐久財では、娯楽財・スポーツカーが▲0.1%(前月:+1.1%)と小幅ながら前月からマイナスに転じた一方、家具・家電が+0.2%(前月:+0.2%)と前月並みの伸びを維持したほか、自動車・自動車部品が+1.7%(前月:▲2.5%)と大幅なプラスに転じて耐久財消費全体を押し上げた。
非耐久財ではガソリン・エネルギーが▲3.7%(前月:▲2.3%)と2ヵ月連続のマイナスとなったほか、前月からマイナス幅が拡大した。一方、食料・飲料が+0.9%(前月:▲0.2%)、衣料・靴が+0.8%(前月:▲0.0%)といずれも前月からプラスに転じて非耐久財消費全体を押し上げた。
サービス消費は、娯楽サービスが▲0.2%(前月:+0.6%)と前月からマイナスに転じたほか、輸送サービスが+0.6%(前月:+1.1%)、金融サービスが+0.2%(前月:+0.9%)と高い伸びとなった前月の反動もあって前月から伸びが鈍化した。一方、外食・宿泊が+0.8%(前月:+0.8%)と前月並みの堅調な伸びを維持したほか、住宅・公共料金が+0.5%(前月:+0.4%)、医療サービスが+0.6%(前月:+0.3%)と前月から伸びが加速するなどマチマチの結果となった。
財消費は、耐久財が+0.8%(前月:▲0.4%)、非耐久財が+0.4%(前月:▲0.1%)といずれも前月からプラスに転じた。
耐久財では、娯楽財・スポーツカーが▲0.1%(前月:+1.1%)と小幅ながら前月からマイナスに転じた一方、家具・家電が+0.2%(前月:+0.2%)と前月並みの伸びを維持したほか、自動車・自動車部品が+1.7%(前月:▲2.5%)と大幅なプラスに転じて耐久財消費全体を押し上げた。
非耐久財ではガソリン・エネルギーが▲3.7%(前月:▲2.3%)と2ヵ月連続のマイナスとなったほか、前月からマイナス幅が拡大した。一方、食料・飲料が+0.9%(前月:▲0.2%)、衣料・靴が+0.8%(前月:▲0.0%)といずれも前月からプラスに転じて非耐久財消費全体を押し上げた。
サービス消費は、娯楽サービスが▲0.2%(前月:+0.6%)と前月からマイナスに転じたほか、輸送サービスが+0.6%(前月:+1.1%)、金融サービスが+0.2%(前月:+0.9%)と高い伸びとなった前月の反動もあって前月から伸びが鈍化した。一方、外食・宿泊が+0.8%(前月:+0.8%)と前月並みの堅調な伸びを維持したほか、住宅・公共料金が+0.5%(前月:+0.4%)、医療サービスが+0.6%(前月:+0.3%)と前月から伸びが加速するなどマチマチの結果となった。
5.価格指数:エネルギー価格が前月比、前年同月比ともに2ヵ月連続で物価を押し下げ
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(2024年11月01日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
1991年 日本生命保険相互会社入社
1999年 NLI International Inc.(米国)
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
2014年10月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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